2014年04月20日号 2面

2016年9月27日(火)~30日(金)に兵庫県神戸市中央区の神戸コンベンションセンターで開かれる第6回日本伝道会議(JCE6=日本福音同盟〔JEA〕主催)の神戸パートナー会議が4月3日、神戸市中央区中島通の神戸ルーテル神学校で開かれ、会議のテーマ・理念と今後の方向性が示された。 【藤原とみこ】

まずデボーションが開催地委員の大槻紀夫氏(関西福音交友会・東灘バプテスト教会牧師)の司会で行われた。同委員長の大嶋博道氏(フリーメソ・神戸ひよどり台教会牧師)が、ルカ24・32~35から「立ち向かう道へ~エクソダスからエイソダスへ」と題してメッセージ。「イエス様が十字架に架かられた後、2人の弟子がエルサレムから逃げ出した。その途上で復活のイエス様と出会い、2人はエルサレムにUターンすることになる。復活は2人が脱出(エクソダス)の人生から新境地に立ち向かう(エイソダス)人生に転換した出来事だった。一時は自分の命を守ろうとした人間が、困難な闘いの道に足を踏み出した。私たちが16年9月の伝道会議に向かう道はまさにエイソダス、すなわち立ち向かっていく道。新しい時代を切り開く画期的な祝福の道となるよう心から願います」
議事では、プログラム局長の小平牧生氏(基督兄弟団・西宮教会主任牧師)がJCE6のテーマを「再生へのRe-VISION~福音・世界・可能性」と決まったと発表。今後同局は開催地神戸のプロジェクトの考え方や取り組みを話し合っていく。
開催地委員会副委員長の正木牧人氏(伊丹福音ルーテル教会牧師)が、テーマ・理念及び方向性について発題した。「JCE6までこれから2年半、どのように力を合わせていくべきか、これは会議そのものよりも重要であろう。テーマ『Re-VISION』とは、再び見る、見直す、修正すると言う意味。私たちがこれまで当然と思っていた福音をもう一度見直し、世界を見直し、可能性を見直して、神戸から発信していきたい」
「09年に札幌で開かれたJCE5は、危機の時代に福音を携えて出ていこうと話し合った。23年に開かれるJCE7への橋渡しとして、JCE6は宣教協力の前進を実現するものでありたい。地方も都市も世界の教会も巻き込んで宣教協力できるようにしたい。今回目指すことは、日本の各地に、宣教、援助協力、神学、社会、女性、青年の6つの分野についての協力を進めることができるプラットフォームが生み出されること。
これらのプラットフォームは、各地域だけで完結するのではなく、JEAを通して、日本全国の地域のそれぞれの分野の宣教協力と結びつき、地域も越えた協力も可能とする。さらにはJEAを介し、アジア、世界の教会とも結びつき、協力が可能となるようにする。JCE6の使命はこのように、宣教のために協力ができる〝インフラ〟を整備すること。言わば〝楽しいインフラ作り〟だ」
「JCE6に向けてまず神戸が始めることは『神戸を知る』『震災20年』『テーブルリーダー養成』の各プロジェクトへの取り組みだ。神戸とキリスト教ガイドの育成のために、01年に神戸聖書展で出版された『神戸と聖書』を改訂する。『神戸とキリスト教検定』を企画し、合格者には期間中神戸案内で活躍してもらう。来年の阪神淡路大震災20年を機に写真展示を企画している。震災を辿り、そこから社会的、霊的に学んだ事柄の再確認の機会とする。テーブルリーダー養成のための委員会を結成し、養成プログラムの策定などに着手し、来年希望者を募って教育していく」
「こうした伝道会議の準備の中から宣教協力が生まれ、インフラが作られていくのでは。温もりのある血の通った宣教協力ができたら、次の世代に良き協力体制を残せると期待している」
同副委員長の鎌野直人氏(イエス・キリスト・神戸中央教会牧師)は「神戸から始めようと取り組んでいるところ。本番は会議のための会議ではなく、伝道のための会議であることをしっかりと踏まえて進めていく」と、決意を示した。
大嶋氏は「多くの教会が、高齢化や献身者がいないといった深刻な問題を抱えている。その中で開かれるJCE6は、課題や悩みを分かち合い、祈り合い、アドバイスし合える場でありたい。それが私たちが言っている楽しいインフラ作り。この場からすでにインフラ作りは始まっている。手を携えた準備の中で、宣教という共通の話題を分かち合う。神戸は大変な責任を負ったが、このことによって各教会に恵みの雨が降り注がれると信じている」と、結んだ。