2014年10月19日号 2面

エホバの証人・ものみの塔被害者全国集会(林俊宏同実行委員会代表)が、9月13日お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で「闇(カルト)からの解放」をテーマに、第20回記念集会を開いた。当日は基調報告「エホバの証人問題の現状と課題」、元エホバの証人長老による体験報告「わたしが闇(カルト)から解放されるまで」に続き、輸血拒否教義の即時完全撤回を求める決議がなされた。
基調報告の中で林氏は、日本のエホバの証人の信者数は増加傾向にあり、証人、研究生合わせて約38万に上る一方、活動の現状としては、資金集めに奔走していると見られ、日本支部から「やもめや一人暮らしの老人の面倒を見るように」指示が出されていることは、遺産管理を目的としているであろうこと、また長期間活動してきた証人の自発的な離脱が見られること、を報告した。
元エホバの証人長老の石坂敦氏は自らの体験から語り、「エホバの証人の教義は理性で考えればとても信じられるものではないが、感情に訴えてくる。集会に行ってみると、『ラブシャワー』と呼ばれる大歓迎を受ける。困難な中で伝道を続けていることに感動する。そうやって人間関係ができてくると『教理も真剣に勉強してみるか』という気になる。ひとたび証人なれば、ラブシャワーは終わるが、出世競争が始まる。証人間でライバル意識をあおられ、組織の中での自分の地位を高めるため奉仕に励む。仕事や社会生活も犠牲にしてしまうので、一般の人と交われなくなり、組織の中でしか生きられない存在になってしまう」と報告した。
輸血拒否の問題に関しては林氏が、世界でそのために年間千人が死亡していると推定されるとし、「ものみの塔聖書冊子協会に輸血拒否教義の即時完全撤回を求める決議」を提案、承認された。輸血拒否はものみの塔創始者の教えではなく、1950年代に統治体が言い出したものであり、生命倫理、人道上の観点から速やかに撤回を求める、とした「決議」は、ものみの塔日本支部など関係者に送付された。