他国の侵入、紛争地への人道的介入について、憲法では、いかに向き合えるか。ナショナリズム論などで知られ、キリスト教にも造詣が深い社会学者の大澤真幸氏が、憲法論、戦争論の課題と展望について語った。日本キリスト教連合会は大澤氏を招き、4月23日に東京・江東区の日本カトリック会館で講演会を開催した。
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大澤氏は「戦争と平和と正義―戦後70年に憲法を考える」という演題で語り、日本国憲法第九条擁護の立場とした上で、護憲派の弱点・盲点を指摘した。
他国からの侵略に対して、「逃げる」という意見や、日米安保、自衛隊への「タダ乗り」は「ごまかし」になると言う。「九条の理念を維持するためには、軍事力がなくても大丈夫かどうか、さらに、平和と正義の関係を考えなくてはならない」と述べた。

-クリスチャン新聞2015年5月24日号より-