2017年03月05日号 2面 

2月11日、「日本国憲法と信教の自由」と題し憲法学者の小林武氏(弁護士、沖縄大学客員教授)による講演会(沖縄キリスト教平和研究所、信教の自由委員会主催)が、沖縄キリスト教学院シャローム会館で行われ、福音派、社会派の壁を超えキリスト者が集った。
同委員会の重元清氏(JECA・石川福音教会牧師)は「現在は信教の自由が危機的状況にさしかかっており、福音派、社会派と言われる沖縄にいるキリスト者が協力できるところはしていく必要があるとの共通認識で講演会を企画した。今回同様、教派を超えた2・11集会は今後も継続していく」と挨拶した。
小林氏は冒頭、「建国記念の日」の問題点をこう指摘した。「安倍首相は『建国記念の日』を迎えるに当たり『伝統を守りながら、同時に、変化をおそれることなく、より良い未来を切り拓いていく』とのメッセージを出した。『建国記念の日』(戦前は紀元節)は初代天皇とされる神武天皇が即位した日として制定された国家の祝日で、神格化した天皇を権力の頂点とする天皇制確立が目的。神武天皇の即位は紀元前660年で縄文時代末期にあたり、歴史科学として考えると日本国家が形成されてはおらず、歴史的根拠が全くない。また、日本国憲法が施行された翌年1948年の『祝日制定』に伴い紀元節は廃止されたが、66年に復活した。当時の為政者は伝統があるから復活させたとしているが、紀元節が制定された期間はわずか40年のみ。日本国憲法は国民主権を定めているが、歴史があるとのことでの復活はあってはならない。私たち民衆は歴史の感覚を研ぎすまし、批判し続けていかなければならない」