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共産党員で、文革時代を生き抜いた父。中国を離れ、米国で生活する娘。父の訪米で2人は一つ屋根の下で生活を送る。「英語の方が気持ちを伝えやすい」と何かと父とぶつかることも多い。しかし、2人の「わだかまり」は、単に時間的、空間的な距離によるものではない。「父は秘密を隠している」と娘は疑い、父は「なぜ離婚したのか。娘の幸せをこんなに願っているのに」というお互いの感情や価値観のすれ違いから起こる。

監督は、「世代間ギャップは現代親子に共通する問題」だと言う。しかし、映画の中の父が、異国で出会う人々との関わり、素朴な出来事の中から少しずつ娘への見方が変わり、娘もまた父へ心を開き始める。ねじれた親子のきずなが修復するチャンスは、あちこちに転がっているのかもしれない。「すべての子を持つ親に、親を持つ子に見てほしい」と監督は語る。

「百世修来同舟渡、千世修来共枕眠」(同じ舟に乗り合わせるならば百世もの前世の縁がある。枕を共にして眠るのであれば千世もの縁がある)。中国のことわざは、この映画に静かに流れる力強いメッセージだ。たとえ「親子」であることが、窮屈に感じてもその巡り合わせは、世界に1つなのである。 【奥山みどり】

公式サイト→http://sennen-inori.eiga.com