クリスチャン新聞10/25号に紹介されたWorld of SPYのファーストアルバム。
クリスチャン新聞の記事で、リードボーカルのRuthさんは「(歌が)好きだから人前で歌うなんて、自己中心だ」「私は誰に向かって何を伝えたいんだろう」と悩んだ末、「歌の才能は神様からのギフト。だからこのギフトは神様のために使いたい。それならば自分勝手にならないで神様のことを伝えられる」という確信にいたったことが記されている。信仰にも音楽にも誠実な態度が感じられ、これは聴いてみたいと思わされた。

曲調はポップスで、ロックからフォーク調のものまでと幅広い。さすがにクオリティーが高く、一般に受け入れられる出来上がりのものになっている。歌詞には「イエス様」とか「神様」とか出てくるわけではない。いわゆる’ラブソング’や日常の出会い、別れを歌ったものなどだ。これはゴスペルでもワーシップでもないのだから当然だろう。クリスチャンに向かっているわけではなく、信仰を持たない人々に向かっているのだ。

軽い感じではない。重苦しいというわけでもない。どの曲もどこかしっとりとした感じで、何かありそうな、聞き流せないような引っかかるものを感じさせる。じっくり聴きたい曲だ。

唯一はっきり信仰のことが出てくるのは4曲目「Coffee Shop」の最後の部分。「詩篇138:7 開いたページ 答えを見つけた」とある。クリスチャンなら「おっ」と思うところ。クリスチャンでなければ「詩篇138:7って何?答えは何?」と興味をひかれるだろう。

あからさまに「キリスト!信仰!」だと言われると引いてしまうという方でも、こういうところから興味が持たれ、信仰を感じてもらうことができるかもしれない。それが、このバンドの願いなのだろう。【生】

「World of SPY」全10 曲 発売元 SPY Records 2,100円(税込)全国のCD 店で販売・予約受付中。

公式サイト→ http://worldofspy.net/