日本基督教団奥羽教区は5月24日、第72会定期総会において、「内心の自由を奪う『テロ等準備罪』を新設する組織犯罪処罰法改正案(共謀罪)に反対し、廃案を求める声明」を発表。安倍晋三内閣総理大臣、金田勝年法務大臣、大島理森衆議院議長、伊達忠一参議院議長宛に送付した。声明の内容は以下の通り。

 内心の自由を奪う「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案(共謀罪)に反対し、廃案を求める声明

 国会出審議されている「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案(共謀罪)に対して、政府は277に及ぶ法律・罪名を上げ、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、テロ等を未然に防ぐために必要欠くべからざるものだ、一般の市民は対象にならないと述べています。しかし私たちは、誰もがいわれなき疑いをかけられ、そのために逮捕され、また取り調べられることを恐れます。
 私たちキリスト者は、憲法によって、誰もが個人として持つべきである信教の自由をはじめ、内心の自由に基づく表現の自由の基本権が保障されています。かつて、戦前に治安維持法により、国の政策を批判したとして、多くの人々が投獄され、内心はおろか命さえも奪われました。特にホーリネス教会の人たちが味わった苦難を決して忘れません。
 今回の法案は、盗聴やGPSを使った位置特定や、個人のメールまでチェックの対象とされる監視社会を作り出し、人権をを損ねていきます。これまで政府は、特定秘密保護法、通信傍受法、安全保障関連法を強行可決させ、国民の知る権利を侵害してきました。こうした法整備は「戦時体制国家」へと邁進し、その総仕上げとして、憲法改悪への道備えにほかなりません。
 私どもキリスト者は、表現の自由、思想・良心の自由、信教の自由が尊ばれる社会の実現を希求し、よって組織犯罪処罰法改正に反対し、廃案を求めます。

                                                2017年5月24日
                                            日本基督教団奥羽教区第72回定期総会