聖路加国際病院名誉院長で100歳を超えても現役の医師を続けた日野原重明(ひのはらしげあき)氏が、7月18日呼吸不全のため亡くなった。105歳だった。

1911年山口市に生まれる。京都帝国大学医学部を卒業。41年から聖路加国際病院で内科医として勤務した。聖路加看護大学学長、聖路加国際病院院長を経て、聖路加国際大学名誉理事長・名誉学長、聖路加国際病院名誉院長。

予防医学、終末期医療の普及に尽くすなどの貢献が認められ、99年に文化功労者、2005年に文化勲章受賞。70年のよど号ハイジャック事件では、4日間人質として拘束された。95年に起きた地下鉄サリン事件では、被害者を全員でも受け入れるよう、聖路加国際病院の院長として指示、運び込まれた被害者が廊下にもあふれた。全国の小学校を回って、命の尊さ、平和の大切さを話して歩いた。

89年にキリスト教功労者として顕彰され、2011年に日本福音功労賞を受賞した。08年から「百万人の福音」に連載した「幼い日に覚えた聖句から」は『子どもを育てる聖書のことば』に、星野富広さんとの対談は『たった一度の人生だから』としていのちのことば社フォレストブックスから刊行された。

葬送告別式は7月29日午後1時より、東京都港区の青山葬儀場で、病院葬として行われる。なお、7月31日から8月4日まで、献花会場が東京都中央区の聖路加国際大学に設けられる。