2017年09月10日号 1面

宗教改革500周を記念した「第34回ヨーロッパキリスト者の集い」が8月3日から6日まで、ドイツ・ライプチヒのH4ホテルを会場に行われた。今回は宗教改革記念大会ということもあり、欧州の日本語教会・集会から230人、日本からも約100人の参加があり、延べ約330人が集った。安藤廣之氏(ミュンヘン日本語キリスト教会牧師、在欧日本人宣教会宣教師)がレポートする。DSC_0387

今回のテーマは「キリストが内に生きる」(主題聖句ガラテヤ2・20)で、そのテーマに即した10回のメッセージと15の分科会、それに教会学校(CS)幼小科と中高科のプログラムが並行して行われました。
今回の集いの中ではヨハン・セバスチャン・バッハがかつて音楽監督兼指揮者を務めていたライプチヒ市街地にある聖トーマス教会を4日金曜日の午後お借りし、賛美礼拝を献げることができました。欧州で音楽を学ぶクリスチャンが結集し、素晴らしい演奏と参加者で結成された合同聖歌隊と共にルターの「神は我がやぐら」を日本語で会衆賛美し、バッハの名曲に耳を傾けました。DSC_0237
土曜日の午後には神戸ルーテル神学校教授(前校長)の橋本昭夫先生による「宗教改革記念講演~宗教改革神学の奥座敷としての十字架の神学~」と題する特別講演会が開かれました。そこではプロテスタント神学の中核とも言える、苦しみや失敗をも含めて神の御業とする十字架を負って主について行く信仰(中心聖句:主は与え、主は取られる、主の御名はほむべきかな―ヨブ記2・21―)について深い学びをさせて頂きました。講演直後の質疑応答でも、例えばルターはなぜユダヤ人を迫害したかなど、参加者からの活発な質問が出されました。
10回のメッセージ(講演と早天祈祷会)は、現在欧州の日本語教会、集会で活躍する牧師たちがそれぞれ担当し、様々な視点からルターが追及した「信仰のみ、聖書のみ、恩寵のみ、キリストのみ、神の栄光のみ」について御言葉を解き明かし、自らの証しを語りました。DSC_0228
15の分科会の中で、最も希望者が多かったのがバッハの信仰と音楽についてでしたが、最近欧州で脅威となっているテロや難民問題、ムスリムについて、その他にも異文化宣教や帰国者のフォローアップ、信仰と絵画、ビジネスと信仰、ルターの聖書翻訳、夫婦、子育てに至るまで多岐に渡りました。それらの中から参加者が自由に選び、有意義な学びと交わりの時を持ちました。
なお、今回の大会の主催はミュンヘン日本語キリスト教会(2011年設立)で、実行委員長はその教会の会員であり声楽家でもある髙木真由美姉が務めました。
今年で34回目を迎えたヨーロッパキリスト者の集いは、欧州の日本語教会に関わる者にとってかけがえのない学びと交わりの場となっています。
ヨーロッパキリスト者の集いのメッセージや記録ビデオなどは、ホームページ(URL https://www.europetsudoi.net/)からどなたでも視聴できますので、ご興味のある方はご覧ください。

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