エホバの証人について語られた数々の本の中で、これほどまでに共感を覚えたのは初めてだった。かわいらしいタッチで描かれている、1冊のエッセイまんがへの正直な読後感である。まんがだから容易に理解できるというレベルの話ではないのだ。エホバの証人2世だったら誰でも経験するエホバの証人の世界観、信者である親との葛藤や苦悩、彼らにとっての常識、エホバの証人の使う専門用語のどれをとってもリアルなのだ。
 私たちはいわゆる「カルト宗教・異端」にどのような印象を持っているだろうか。私たちが団体を否定、批判することだけを目的としているならば、それは無味乾燥な言動に終わってしまうだろう。その環境で痛みを抱えた人たちを、主イエスの愛によって思いを理解し、その人のために祈ることこそ、「さやちゃん」に代表される方々への応答に思えてならないのである。(寄稿・日本基督教団深沢教会牧師 齋藤篤、2月4日号で詳細)