必修科目としての「道徳」が、2018年度から全国の小学校で、2019年度から全国の中学校で実施される。道徳の教科書が伝えようとしている「道徳観」の背後にある「人間観・世界観」は、聖書を通して伝えたい物の見方と同じなのか、学校で道徳の授業を受けて生きた児童や生徒たちに、教会学校やクリスチャンホームを中心に行われているキリスト教教育は成り立つのか? 玉川聖学院(安藤理恵子学院長)は2月5日、「教会セミナー」を東京・世田谷区奥沢の同校で開催。「道徳の教科化の狙いと、それを越えるキリスト教倫理を考える」と題し、同学院中高等部長の水口洋氏が講演。当日はキリスト教学校関係者、牧師、教会学校関係者が92人集った。
 今回、示された中学校学習要領「道徳」の中身は、4領域22項目にまとめられている。▽第1領域:自分自身を見つめ伸ばして〜主として自分自身に関すること。▽第2領域:人と支えあって〜主として人との関わり。▽第3領域:社会に生きる一員として〜集団や社会との関わり。▽第4領域:生命を輝かせて〜生命や崇高なものとの関わり。うち22項目中9項目(約40%)が第3領域に集中している。「どれをとっても反対すべき内容はなく、子どもに知ってほしいもっともなことが列記されている」と水口氏。だが、キリスト教倫理から見た各領域の問題点も挙げた。(2月25日号で関連記事)