2月に来日し、全国各地で講演をしてきた米ジャーナリストのフィリップ・ヤンシー氏。今回は、佐藤彰氏(保守バプ・福島第一聖書バプテスト教会)の案内で、福島第一原発からいちばん近い、帰宅困難区域にある福島県双葉郡大熊町の大野チャペル、富岡町の桜のチャペル、避難指示が解除され2016年12月から礼拝が再開された南相馬市の小高チャペルを視察。ヤンシー氏は、日本CGNTVのインタビューに以下のように答えた。

 今日はずっと福島の被災地を訪問しています。6年前には仙台地域を訪問し、福島のこの特別は地域は初めてです。この地域は三重の苦しみを体験しました。地震、津波、そして、放射能です。今立っている教会は100年前に宣教師の先生たちが立ち上げ、また、地震の2年前に新しい会堂を作ったばかりでした。周りの店、車屋さん、ガソリンスタンド、すべて、地震の前と同じ状態ですが、誰も住んでおらず、本当のゴーストタウン状態です。誰もいなくなった教会や家の中にも入らせていただきましたが、心が抑えられ、苦しくなる思いでした。当時読んでいた本がテーブルの上にそのままになっていたり、脱いだ服、使っていたものがそのままです。
 しかし、その中で教会の人たちは手を差し伸べ、やるべきことをやっている姿もみました。寒さと怖さで震えている人たちに手を差し伸べ、愛を示し、実際的な援助もされました。本当に感動します。今どういうことが人々の中に起きているのか、いつも気を配っている姿。アメリカでは放射能のことしか耳にしません。しかし、普通の人たちが日常の生活を奪われ、6年、7年もたっているのに、そのままの姿が残っています。彼らの悲劇は終わっていないのです。
 これからもこの人たちと共に苦しみを共にし、隣り人となって、支えていきたいと思います。彼らのことを忘れないで、いつもつながっていること、ニュースとしては消えていっても、私たちキリストにある者として忘れないで援助の愛の手を差し伸べ続けたいと思います。