2018年04月08日号 02面

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ITCNは、当時JTJ宣教神学校国際学長だった中野氏を中心に、洗礼は受けたが教会から離れている人たちなどの「受け皿」的集会として始められた。伝道を目的として、午前は伝統的な礼拝形式の集会、午後は賛美を中心に、夜はその中間のものと、誰でもが参加しやすい集会として、企画された。08年からはJTJの伝道学実習の場としても用いられ、同校で学ぶ神学生が司会、説教の奉仕に当たった。26日の感謝集会で配布されたパンフレットには、「11年間で91名がメッセージ」「奉仕者31名が、伝道者、牧師として活躍中」と書かれ、会計報告では、11年間の収入(献金)総額約2千700万円の内、約670万円が外部への献金として用いられたことが記されている。
感謝集会では、賛美リーダーによる活気のある賛美、賛美フラ、特別賛美を織り交ぜて、関係者が挨拶に立った。建設会社を営む田島幸児さんは、3年間夜の集会で証しをしてきた。「おそらく自分はいちばん最近奉仕に加わった者だろう。人生ではいろんなことが起ってくる中で、聖書の言葉によって救われてきたことを、毎回証しさせていただいた。み言葉は真実だとこれからも宣べ伝えたい」。不動産会社を経営する奥田英男さんは、「4年間、主の憐れみによって奉仕した。毎回聖書から汲み出したみ言葉の泉を届けて来た。これからもひたすら泉を汲み出すだけ。どこにでも届けていきたい」。クリスチャン学校の校長を務めるガイ・ビショップさんは「説教の奉仕をするだけでなく、私自身がITCNで傷が癒され、励まされてきた。私も同じようなことが出来るようになりたい」と語った。DSC02088
中野氏がメッセージに壇上に上がると、会場から「待ってました」と声が掛かる。「遣わされる者の使命」と題して、ヨハネ20章21節から語った。「私は今までの人生で7回神様から語りかけをうけ、遣わされてきた。15歳で結核にかかった時に、イエスに出会った。当時の国鉄に勤めていた時、神様から召され、職を辞して神学校に入学した。23歳で信徒もいない小さな教会につかわされ、誰もいない教会で語り続けた。10年たってカリフォルニアに招かれ日本人教会を、その後ハワイでも日本人教会を牧会した。22年前に巡回伝道者としての召命があり、家内が一番喜んでくれた。いつも家内と2人で奉仕した。その間、日曜日に奉仕が入らなかったのは、3回だけだ。説教の良し悪しではなく、多くの先生方が私たちを受け入れてくださった。昨年家内が倒れて最初に意識が戻ったとき、家内は私の体を叩いて『なぜここにいるの。伝道に行ってちょうだい』と言って泣いた。いい家内を持ったと思った。80歳を前にして、ITCNの働きには区切りをつけるが、日本での奉仕、神学校での授業は続けて行く。そして、ハワイのワイキキで開拓伝道をする」
そして次のように祈った。「宣べ伝える者たちの立ち居振る舞いに人々が驚き、イエス・キリストに感動する人生を全うさせてください。一人一人が遣わされた場所で伝道を全うさせてくださいますように」
壇上に立ったすべての人が、ITCNへの感謝を口にし、これからの歩みを語った。この夜の集会でその名前は最後になったが、毎週月曜日3回の集会は、ITCNのスピリットを受け継いだ有志によって、これからも続けられていく。