02中国
現代において、躍進と規制の両方の面で注目される中国のキリスト教会。近代の始まりから、様々な進展と衝突を経験してきた。従来中国史研究においてはキリスト教の「排外」「受容」の視点で論じられてきたが、本書はそれらを乗り越えようとする方法的な問題意識を持ちながらまとめられた。対象を華南の地、広州付近にしぼり、地域史の視点で排外・受容の両側面を考察。信者のみならず非信者層との関わりに注目した。具体的には、前半で嶺南大学を中心に地域との関わり、在外中国人との関わり。後半では、太平天国の乱の首領に影響を与えた宣教師、梁発について、キリスト教史と中国近代化を結びつける受容の歴史を見いだした。「排外」「受容」を超える「協力」「支持」「働きかけ」は現代の宣教論にも刺激を与えそうだ。

『華南中国の近代とキリスト教』土肥 歩著 東京大学出版会 7,344円税込 A5判

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