2018年07月29日号 04面

止揚学園の福井生園長の新刊『あたたかい生命と温かいいのち』出版記念講演会が6月30日に開かれ、学園の仲間たちや学園を愛する人たちが、日本基督教団京都教会に集まった(1面参照)。第1部は同志社大学神学部教授の小原克博さんの司会で進められ、同教会牧師で記念会実行委員長の入治彦さんの挨拶に続き、日本基督教団・洛南教会牧師の井上勇一さんの祈り、関西学院大学人間福祉学部教授の藤井美和さんのお祝いの言葉があった。福井生さん出版記念講演会
2年前に発生した相模原障がい者施設殺傷事件を契機に、月刊「いのちのことば」に福井さんの連載が始まった。新著はそのエッセイを編集した。解説を書いた藤井さんは「私たちはみんな同じだという視点に立たなければ、良いいのちと悪いいのちという見方が生まれ、選別が始まります。止揚学園はどんな人も受け入れ愛される居場所。福井園長は、今の時代にこそ大切なメッセージを優しく伝えてくださった」と、感謝した。
記念講演に立った福井さんは「あの事件は時がたつほど深く私に問いかけてきます」と、語った。
「今、障がい者の人権を認めない人はいないけれども、隔てた壁を越える人は少ない。多くの人がインスタ映えなどと言って、架空のきれいな世界に生きようとしていますが、福祉の仕事は排せつの助けをすることです。学園はその本来の営みに苦労や喜びを感じながら、お互いに支え合い寄り添って生きています。止揚学園で暮らしていると、いのちは温かいと感じます。私はこれからも顔を上げ、弱い立場の人たちがいることを叫び続けながら、信頼し合っていのちを温め合って生きていきます」
2部の茶話会は同志社中学・高校校長の木村良己さんの司会で進められた。たくさんの止揚学園ファンからお祝いの声が上がる中、学園で共に生活する仲間の人たちと共に歌って楽しんだ。