4歳から14歳への関心を高める国際的な宣教運動、4/14の窓運動の第3回ナショナルカンファレンスが、今年9月8日に開催される。今年は超教派の次世代集会が活発だ。3月の4/14の窓グローバルサミット参加者に、世界の動向と日頃の働きを通して、次世代への必要を聞いた。 【高橋良知】

連載第2回→ まず家庭に使命がある ローレンス綾子さん

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写真=4/14グローバルサミットで分科会の講師たちと岩上さん(右端)

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 「子どものための働きを熱心にしている人たちが世界にこれほどたくさんいるのか」と、グローバルサミットに参加した岩上さん(インマヌエル神戸キリスト教会牧師)は驚いた。「ビジョンと実際的な働きを知ることができた。教会の中で、子どもは大人よりも下に見られがち。しかし大人が子どもに教えるだけではなく、子どもが子どもを連れてくることが有効であることが紹介された。教会でも新しく来て残る人は、友だち関係がある人たちだということからも納得できます」

 神学校で教授もしている経験から、「実践が多いので、神学との両輪のバランスがよりもたれるといいのでは」という気づきはあったが、「実践的なアイデアが非常によかった」とも言う。「時代の変化に対応して、デジタルネイティブ世代にアプローチするための映像やアプリなどのツールが紹介された。逆にデジタル世代の依存の問題に教会が答える必要も語られた。デジタルだけではなく、体を動かしたり、体験を重視をする身体性が大切になります」

 日本で経験を生かすにあたり、こう述べた。「日本の文化、価値観の中で、グローバルサミットでの経験を取り込み、文脈化しないと長続きしない。ただ良かったから取り入れるのではなく、きちんとフィットさせていきたい。諸外国と規模、人材は違うが、教会で協力してできることがあると思う。やはり子どもにとって楽しさは重要。教会というと、『暗い』『つまらない』『退屈』というイメージを払拭したい」

 岩上さんは牧会する教会で子どもといっしょの礼拝を行っている。説教の内容にも子どもも聞ける内容にするなど工夫した。

 赴任当初は大人と子どもの礼拝は別々だった。「大人の意識改革が重要だった。子どもも礼拝者である。確かに子どもなので声を上げることはある。しかし、お母さんを責めない雰囲気を心がけた。賑やかすぎてはいけないが、声が出ることは想定して共に礼拝しています」

 「子どもの発達段階によって信仰の捉え方、理解の仕方が変わる」と教団内外でも語り続けてきた。「個人差はあるが、年齢別の知的理解度がある。それに基づき福音を語る必要がある。もちろん、聖霊が働くことが前提だ。だから幼くても、その年代なりのイエス様への理解がある。子どもも仕えることの喜びを持つ。だから奉仕の場をできる範囲で提供したい」

 子どもや家庭環境の変化もある。朝ごはんを食べないで来る子もいて、教会学校の中で、一緒にご飯を食べることも実施している。「昔は鬼ごっこをしたり、みんなで遊ぶ雰囲気だったが、今は集まってもそれぞれが携帯をみたり、ゲームをするということになる。教会学校の時間は携帯を禁止するなど、昔以上に気をつけています」

 小学校から中学校に進学する時期の変化はどうか。「むしろ中学校3年間での変化が大きい。部活の問題がある。彼らが来れる時間に設定して夕拝を実施している。夕拝の方が少人数で個人的な話ができることもあります」

 ユース世代の交わり、キャンプも大切にしている。「ある程度時間をとって接しないと彼らの間に食い込んでいけない」と実感する。教団全体でも全国キャンプなどが1つの教会でできないことを力を合わせてやる機会になっている。

 「子どものための働き、もっとやりたいが、様々な働きがある中で、現実的には大変。自分が動くだけでなく、他の人を動かし、ビジョンを語りながら、次の世代につながる、主の働きを一緒にしたい」と語った。(つづく)

第4回→ 全世代に関わることになる 古波津真琴さん

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