断食祈祷聖会(同実行委員会主催=高木康俊実行委員長)の16日午後、臨床心理士の藤掛明氏(聖学院大学大学院准教授)が「平時のメンタルヘルス、非常時のメンタルヘルス」と題して講演した。
 藤掛氏は、「ストレスには『別れ』が大きく影響する。最も大きいのが配偶者の死」とし、「信徒の別れ、役員の転勤など、牧師ほど?別れ?を体験する職業はなく、精神的には想像以上のダメージを受けている」と語る。
 「前向きな人、頑張る人ほど、自分のストレスが分からない」とも言う。「クリスチャンは信仰があるので前向きの人が多い。だからある意味、ストレスに鈍感。息切れが来たのにまた頑張る。私たちは心の消耗感を感じるのが難しい」
 藤掛氏は自分のストレスを知るために、?身近な他者(家族や仕事仲間など)からのチェックを受ける、?SOSサインを知る、ことを勧める。「私の場合、血豆ができると無意味な夜更かしはイエローカード、約束をすっぽかすと駅や空港で転ぶはレッドカード。その時は思い切って休む。SOSサインは人によって違うので、知っておく必要がある」
 ストレスの対応については、?気晴らし行動をする、?自分のための儀式、ルールを作る、選択肢を広げる、?語り合う、ことを勧めた。
 最後に、人生の課題に揺さぶられるような非常時には「暗闇の中でほんのわずかな希望に気づく。このような受け止め方ができると人生を大きく変えるターニングポイントになる」と結んだ。(中田 朗)