教会の被災地支援活動が、被災地・東松島市の小学生と八王子市の小学生をつなぐ橋渡しに。
 東京・八王子市の市立緑が丘小学校で1月19日、年に一度の道徳授業地区公開講座が開かれ、宮城県東松島市野蒜小学校児童の保護者、菊池恵子さんが被災体験を語った。その菊池さんを道徳授業の講師に紹介したのが、同地区で被災支援活動を行ってきたアッセンブリー・八王子キリスト教会=めじろ台シオンチャペル=の木崎智之宣教師だった。
 アッセンブリー・八王子キリスト教会には、津波で教会堂と牧師館が全部流されてしまった単立・シーサイド バイブル チャペルの内藤智裕牧師の息子、内藤ノアさんが来ていたことと、信徒の親戚が東松島にいたことから、震災直後の3月19日から東松島市で支援活動を開始、野蒜地区にも足を伸ばした。そこで、震災当日、津波が目の前に押し寄せ、崖に登って夜を明かしたという菊池さんと出会い、関わりをもった。
 その後、緑が丘小学校から、同小学校教師でめじろ台シオンチャペル会員でもあるAさんに「被災地支援についての話が聞けないか?」という問い合わせがあった。Aさんは、「実際の被災者の方に話して頂くことができますが」と提案したら思いがけず喜んでくれた。そこでAさんはその話を木崎さんに話した。木崎さんは菊池さんを紹介。菊池さんも、この依頼に快く承諾した。
 当日、菊池さんは全校児童450人と保護者の前で、自身の震災体験といのちの大切さを熱く語った。木崎さんも八王子市民がどのように救援活動に参加できたかを分かち合った。
 その話に「生徒も先生も保護者も、びっくりするほど真剣に話を聞いてくれ、質問もたくさんしてくれた」と木崎さん。「保護者の方々も自分たちに何かできないかと授業が終わった後も長時間残って話しておられました」
 その後、「緑が丘小学校の全校児童が東松島の野蒜小学校の生徒たちに励ましの手紙を書いてくれ、その手紙を菊池さんが生徒たちに手渡してくれました。野蒜小の生徒たちも大喜びだったそうです」
 「私たちの教会の支援活動を通して、八王子と東松島の小学生がつながった」と喜ぶ木崎さん。「先生も生徒もPTAも何かしたかったんだけれど、被災者の方々と直接コンタクトがないので行動に移せない。でも、会って話して友だちになれば何が必要か気軽に聞ける。お金や物を送るだけでなく心を通わせられる。こういう繋がりをもっと作っていきたい」と願う。(中田 朗)

写真=道徳授業で。左から木崎さん、菊池さん、竹内校長