日本伝道のために仏教を研究した伝道者の渡辺暢雄氏(わたなべ・のぶお=元大久保バプテスト教会ほか牧師)が11月16日午後5時32分、東京・世田谷区の自宅で肝不全のため死去、82歳だった。告別式は同22日、渋谷区の東京バプテスト教会で松村誠一氏(西川口バプテスト教会協力牧師)の司式により行われた。喪主は長男・聡氏(東京バプテスト教会ミニストリー牧師)。
 1930年茨城県生まれ。48年、同盟基督・等々力教会においてテモテ・ピーチ宣教師から受浸。召命を受け、日本伝道のために仏教研究の必要を感じ駒澤大学で仏教学を専攻。同大卒業後、西南学院大学神学科に入学した。日本バプテスト連盟の平尾、水戸、平岸、大久保、青梅あけぼの、渋谷、東京第一の各バプテスト教会で牧師、協力牧師、客員牧師を歴任。その一方、日本伝道協力会主幹として各地で巡回伝道や講演をした。米国・サウス・イースタン・バプテスト神学校に留学。ルーサー・ライス神学大学より牧会神学博士号を授与。昨年9月から高遠聖教会のメンバーと共に東京・世田谷の自宅で日曜礼拝を始めたが、今年3月にすい臓がんが見つかり闘病していた。
 日本の比較宗教に造詣が深く、『新約聖書と歎異抄|本当の救いはどこにあるのか』『「和尚」と呼ばれた牧師』『どこがどう違うキリスト教と仏教』『キリスト教と日本の宗教』などの著書がある。