内貴八郎右衛門氏(ないき・はちろうえもん=日本フリーメソジスト教団・明石上ノ丸教会牧師)が、1月22日、胆管がんのため亡くなった。87歳だった。1月22日に前夜式、26日に告別式が明石上ノ丸教会で、大嶋博道氏(同教団・神戸ひよどり台教会牧師)の司式により行われた。喪主は妻の千代子氏。延べ800人を超す会葬者が別れを惜しんだ。
 内貴氏は1928年滋賀県に生まれた。40年滋賀県立栗太農学校(現滋賀県立草津高等学校)在学中、柔道練習中に頸椎を痛めた後遺症で片手が不自由になる。これをきっかけに信仰に導かれて46年に受洗。54年に大阪基督教学院神学部卒業後、明石上ノ丸教会に赴任した。以後61年間牧会にあたる傍ら、明石家庭裁判所調停委員、兵庫県民生児童委員、神戸刑務所教誨師・篤志面接委員を歴任、91年から日本フリーメソジスト教団理事長を2期、さらに学校法人全愛学園・全愛幼稚園理事長、大阪キリスト教短期大学理事、全国キリスト教教誨師協議会会長、日本聖書協会理事他要職を務め、キリスト教界の発展と地域の伝道福祉に尽力した。
 法務大臣表彰、藍綬褒章受章、厚生大臣表彰、瑞宝双光章叙勲など表彰・受章も多い。2014年にはキリスト教福音功労賞を受賞した。
 告別式で追憶の言葉を述べた長年の「教友」、同教団・神楽町教会牧師の島田巌氏は病床で最後に共に祈った時を偲んだ。「私の祈りの後、先生は私のために身をよじるように、力を振り絞って祈ってくれました。これが牧師というものです。先生は願っておられたように最期まで牧師でした」
 愛に満ちた男らしい人柄と信仰を、多くの人が敬愛していた。

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