日本キリスト改革派教会では、10月14縲・6日に開催された第69回定期大会において、安倍首相に対する「集団的自衛権行使容認の閣議決定に対する抗議声明」を決議した。

 集団的自衛権行使容認の閣議決定に対する抗議声明
内閣総理大臣 安倍晋三殿
2014年10月16日
包括宗教法人 日本キリスト改革派教会
代表役員・大会議長 小峯 明

 私たち日本キリスト改革派教会は、通常国会の会期終了後の7月1日に安倍内閣がおこなった集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に対し、以下のような理由から、強く抗議いたします。

 1.今回、安倍政権が行った集団的自衛権行使の容認の決定は、自衛隊の軍事力行使に関するこれまでの憲法解釈(個別的自衛権)を大きく変更する方針決定であり、本来「解釈変更」ではなく、憲法改正が必要な政策変更です。
 その理由は、国際法上の集団的自衛権(国連憲章第51条)の行使が、紛争処理のために軍事力を用いないとする現憲法の戦争放棄規定とは正面から対立し、恒久平和主義を基本原理とする日本国憲法の基本原理を後退させるおそれがあるからです。
 そのため、歴代内閣も、現憲法のもとで集団的自衛権を行使することは憲法違反として認めてきませんでした。このような国家理念の大転換を行う際に、国民投票や憲法改正といった国民の意思を問う手続きを経ることなく、一内閣の判断で行うことは、憲法を最高法規とし、国務大臣等の公務員に憲法尊重擁護義務を課して(憲法第98条第1項及び第99条)、権力に縛りをかけた日本の立憲主義的国家体制の根幹を揺るがすものです。
 このまま事態が推移していくことは、日本が立憲主義国家として存立することを自ら否定する、由々しき事態を招くことになります。

 2.私たちは、今回の集団的自衛権の行使容認によって、近い未来に生じる可能性のある実際の戦争への参加と、そこでもし「戦死者」が発生した場合に先鋭化しかねない靖国神社問題に対し強い警戒心を持ちます。
 私たちは、安倍首相が昨年12月に靖国神社参拝を行ったことに対して、強い抗議の意志を声明の形で公にしました(2013年12月30日「安倍首相の靖国神社参拝に対する抗議声明」)。
 現在の安倍内閣の姿勢から判断すると、新たな戦死者の発生を機に、国家による戦死者の顕彰や追悼行為を「靖国神社」主導の英霊顕彰行為へと大転換させてしまう危険性が極めて高いことに、強い危機感を持ちます。これは、現憲法の根本理念である信教の自由と政教分離の問題に抵触する、深刻な問題だからです。
 私たちキリスト者は、日本という国が第二次世界大戦期までの「戦争する国」へと戻ってしまうことによって、日本に生きる人々が、再び戦争の加害者および被害者となったり、戦死した人々が信教・思想の如何にかかわら