7月15日号紙面:「日本伝道の将来」主題に「第1回日本伝道フォーラム」 マッピングで原発からの距離把握 中高生大会、リフォユース500の報告も
2018年07月15日号 02面
「日本の伝道の将来」を主題に6月4、5日、東京神学大学(東京・三鷹市大沢)、銀座教会(東京・中央区銀座)で開催された「第1回日本伝道フォーラム(第28回日本伝道協議会)」(東京神学大学主催)。4日には、昨年3月に開催された「国際青年会議in京都」 、8月に開催された「宗教改革500周年記念教会中高生大会」、今年3月に開催されたユース青年大会「リフォユース500」(宗教改革500周年記念教会青年大会)と、ユース(青年)伝道に関する報告があった。 【中田 朗】
「国際青年会議in京都」(日本基督教団主催) に関しては飯田仰氏(日本同盟基督教団国外宣教総主事、牧師)が報告した。
同会議は、17年3月28日から31日まで同志社大学寒梅館及び日本クリスチャンアカデミー関西セミナーハウスで開催。青年を中心に110人、海外から11か国の代表者が参加。日本基督教団全17教区のうち16教区から代表者を送ってもらい、国内の他教団からも集った。2014年3月、宮城県仙台市で開催された同教団主催の国際会議「原子力安全神話に抗して─フクシマからの問いかけ」で採択された、8項目からなる宣言文を受けて開催されたもので、特に若い世代への課題継承を掲げる第8項が同会議の主な目的となった。
その大きな成果の一つに、早稲田教会員の片岡平和さんが作成したマッピングを挙げる。「片岡さんは、千691ある教団の教会、548ある教会付属の幼稚園・保育園をGoogle Mapに位置情報を読み込ませ、マッピングを完成させた。このマッピングを見ると、原発にいちばん近い教会は浜岡原発のすぐそばの南遠教会だ。ほかにも、多くの教会が有事の時に影響を受けるであろう範囲内に存在している。自分たちが置かれている現状をどこまで把握しているか、が問われる」
第2は決意10項目、呼びかけ4項目からなるステートメントの作成。「ステートメントが採択された後、自分たちは何を成すべきなのか、どう実際行動に移せるのか、参加者の各教区や教会で実際に何が自分たちにできるのか、考える必要がある」とし、そのケーススタディとして、東日本大震災後、太陽光パネルを導入し、原子力発電に頼らず太陽光発電だけで電力をまかなう上尾合同教会を紹介した。
飯田氏は、「この国際会議を通して、この問題を当事者として認識し始めることができた。『他人の課題』ではなく、『私の課題』として、今後さらに考え実行していきたいという思いが、参加した青年たちの中に芽生えたのは確かだ」と、その成果を報告した。
「中高生大会」については増田将平氏(青山教会牧師)、ユース青年大会「リフォユース」に関しては野田沢氏(学生キリスト教友愛会〔SCF〕主事)が報告。
中高生大会は17年8月9日から11日まで、長野県北佐久郡軽井沢町の恵みシャレー軽井沢で開かれた。「全国から中高生91人、スタッフ70人、引率も含めて約200人が集まった。キリスト者学生会(KGK)の大嶋重徳総主事が全面的にバックアップしてくださり、5人のスタッフを送ってくれ、賛美奉仕のほか、交わりにも入ってくれた。参加者もワーシップスタイルの賛美は初めてで、最初はぎこちない感じだったが、次第に喜びをもって賛美できるようになった」
大会では、作詞、手話、演劇、ダンス、ビデオ制作などのグループに分かれ、練習・制作したものを最終日に発表した。「大会が終わってからも、3日間の経験が教会の皆さんに広がっている。将来牧師になるために、今、ルーテル学院大学で学んでいる青年もいる」と報告した。
「リフォユース500」は3月21日、東京・渋谷区の青山学院ガウチャー記念礼拝堂で開催。千人以上が来場した。「中高生大会と青年大会の祈祷会、プレ大会、前夜祭も含めれば2千人を超える青年が集まった」と言う。
教団紛争以降、長きにわたり教団として青年大会を行うことが困難だったと野田氏。「教団として超教派で協力して行う千人規模の青年大会というものは例がなく、初めてのことばかりだった。多くの課題も感じたが、本大会が祝され、守られたことに感謝している。今後はユース育成のため、教会に青年伝道の部署を作ったり、青年伝道に携わる伝道団体から学んだり、キリスト教学校との関係づくりをしていきたい」と抱負を語った。