東京メトロ日比谷線築地駅徒歩7分のところにある聖路加国際病院(中央区明石町9ノ1)。ルドルフ・B・トイスラーにより1901年に創設された同病院は、今年で117年を迎えた。昨年7月に105歳で亡くなった日野原重明氏が院長を務めた病院としても知られている。同病院はキリスト教精神の下、患者中心の医療と看護を実践してきた。また創設当初からチーム医療や予防医学を重視し、病院に来る患者を診るだけでなく、地域住民の健康維持を意識した健康管理も心がけてきた。急激な国際化に対し、日本語を話せない外国人の患者にも対応できる院内態勢を整えている。救命救急医療専門で同病院副院長の石松伸一氏に話を聞いた。

 キリスト教の愛の心が 人の悩みを救うために働けば 苦しみは消えて その人は生まれ変わったようになる この偉大な愛の力を だれもがすぐわかるように 計画されてできた生きた有機体がこの病院である。

 トイスラー初代院長が1933年、旧本館完成時に、この病院のあるべき姿を説いた言葉だ。「職員はこの理念をどう理解して医療行為につなげていくか、普段の仕事を通じてどういう方向に持っていくか、考えて仕事をしている。解釈は職員の数だけあると思いますね」。石松氏はそう話す。(9月9日号で詳細)