新型コロナ感染拡大受け 非常事態宣言の中で北海道の教会は? 「神の守りの中でやるべきことを」

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が国内外で広がっている。安倍晋三首相は2月27日、3月2日から全国の小中高校に全国一斉休校を要請。北海道では2月28日、鈴木直道知事が非常事態宣言を出し、週末の外出は控えるよう要請した。このような動きの中で、日本の教会は、3月1日の礼拝はマスク、アルコール消毒を徹底する、あるいは礼拝を休みにしたり、礼拝堂には集まらずオンライン礼拝に切り替えるなど、様々な対応が行われた。北海道のケースを紹介する。

日本福音キリスト教会連合(JECA)北海道地区運営委員会は「新型コロナウイルス感染への対応について」を作成。2月27日に道内にあるJECAの教会にメールで送付した。それには「昼食会の交わりや、飲食を伴う集会は当面中止したほうが良い」、「礼拝については『対面で会話する環境』に該当しないので、当面中止する必要はない」、「教会堂に入る際、手洗いや手指消毒を徹底することをお勧めします」などの対応が挙げられている。
だが、この文書が送付されたのは、鈴木知事の非常事態宣言の前であり、「知事の宣言を重視すべきではないかとの意見もあって、受け止め方はまちまちだったのではないか」と、運営委員会の一人は話す。
札幌市内にある屯田キリスト教会(込堂一博牧師)は「その文書を参考に、昼食会の交わりや会合を取りやめ、全員マスクを着用し、互いに離れて座り、礼拝時間も短縮して、終了後速やかに解散する形を取った」。
札幌聖書キリスト教会(堀田修一牧師)は、次の緊急連絡を教会員他にメールや電話で伝えた。▽礼拝は行います。ただし、説教者も奏楽者も司会者も参加者も全員マスクを着用します。▽自宅で礼拝を守りたい方の意思も尊重します、という二つの対応を行った結果、「礼拝出席者は通常の3分の1以下だった」という。堀田牧師は「42年の牧会の中で初めてマスクをしてメッセージ(説教題「いつでも祈るべきで、失望してはならない」ルカ18・1)をした。礼拝前、各自手をアルコール消毒し、礼拝中は換気をした。私たちの教会では、説教音声と原稿を毎週ホームページにアップしているので、礼拝に来なかった信徒も説教は聞いていると思う。週日の集会はすべて中止、年次総会も3月29日に延期した」と語った。
JECA以外の教会では、同盟基督・新札幌教会(朴永基牧師、札幌市厚別区)は「通常午前2回、夜1回の礼拝を行っているが、礼拝自体は行った」。だが武田将幸伝道師は、「ワーシップソング、聖歌隊をやめ賛美の数を減らし、礼拝プログラムはかなり短縮した」と言う。「信徒にはマスク着用、手洗い、うがい、アルコール消毒を十分にしてから礼拝出席するよう伝えた。礼拝人数は普段の半分以下。自宅でインターネット礼拝を捧げていた人もいた。週日の集会はすべて中止。期限は明確ではないが、このような対応はしばらく続く」と語った。
札幌ナザレン教会(古川修二牧師)は「27日の段階では、普通に礼拝を行おうと思っていたが、その後に非常事態宣言が出た。それを受け、70年の教会の歴史で初めて礼拝を取りやめた。そして私自身初めてのことだが、説教を動画で撮り、You-Tubeで札幌ナザレン教会のホームページにアップ。そこを訪れて説教を聞くことができるようにした。2月27日には教会員の葬儀を行ったが、ご家族の希望で感染防止のため家族と牧師夫妻のみで行った」と言う。説教は「諦めずに祈る」と題してルカの福音書11章から。「『父よ、(中略)試みにあわせないでください』(4節)を取り上げ、愛が冷えていく時代にあって愛を失わず支え合っていくこと、最後は神様がすべてのことを働かせて益にしてくださると語った。神様の守りの中で、私たちが感染源にならないよう、できる限りのことをしていく、やるべきことをやっていくように示されている」と話した。