会堂の入口には「通知があるまで閉鎖します」との張り紙が

 3月20日現在、アメリカではこの1週間で状況が一変しました。2週間前、人々がハンドサニタイザー(アルコールを主成分とした消毒剤)やトイレットペーパーを買いあさり始め、6日前に国家非常宣言が出、3日前にウイルス拡散阻止のため行動自粛するよう、15日間のガイドラインが出ました(その後4月30日まで適用を延長)。今や全米で10人以上集まることが禁止されています。レストランやバーなどもテイクアウトやデリバリー以外、またフィットネスジムや映画館なども閉じられ、もちろん礼拝で集まることもできません。
 2週間前、教会で対策が始まり、その時点ではハンドサニタイザーが設置され、聖餐式の方法に工夫がされるといった感じでした。メガチャーチはその時点ですでにオンライン礼拝に変わっていたと思います。
 先週は、私が通っている米国聖公会シカゴ教区の司祭3人がコロナ陽性となり、シカゴ全区で集まって礼拝ができなくなり、ZOOMを利用したものになりました。米国聖公会は、礼拝の多くが交読による祈りや御言葉の朗読なので、ライブストリームのような一方的なものではなく、双方向で皆が参加できる形になっています。ただし、家庭でのWi-Fi環境が整っていない人、高齢者でネットのことがよく分からない人たちは、今のところ苦労しているようです。
 日本語教会は、特に日米間の人の出入りが多く、早くから一層注意を払っている印象です。海外から戻ってきた人は2週間礼拝に来ないでもらうなどの措置が取られていましたが、今では集まること自体が不可です。
 現在ではオンラインが多いようですが、中には「コロナウイルスは政治的な思惑により騒がれているものであり、こんな時こそクリスチャンが集まって祈り、神を礼拝すべき」と、強引に礼拝をしている教会もあり、ニュースになっていました。
 特に状況の過酷なところは、Shelter in place(屋内退避)と言って、自分がいる場所から外へ出かけられないため、牧師が教会に出かけられず、そこからメッセージ配信することもできなくなっているようです。
 私の通う教会では、礼拝には集まれないけれど、司祭や役員たちが分担して、教会員全員に毎週電話をし、様子を確認しています。
 あれから10日経った3月30日、私が通う教会で、70代のご夫妻が感染し、そのご主人のほうが亡くなられました。状況は一層厳しくなっています。

中村さんが通っているシカゴ教区の米国聖公会教会堂