Lightプロジェクトがプレゼン コロナによる仕事の混乱 四区分に 必要ごとに福音の希望適用

新型コロナウイルスの感染が世界中に広がる中、様々な分野の仕事に影響が現れてきている。イエス・キリストの光を日本の働く場にもたらすことを目指す「Lightプロジェクト」(ディレクター:サックス知子)は、コロナウイルスによる仕事の混乱を経験している人たちをケアするために、米ニューヨーク市にあるリディーマー教会(創始者:ティモシー・ケラー)の教会開拓機関が制作した「コロナウイルスによる仕事の混乱のツール 福音の希望を適用するモデル」(以下・仕事の混乱のツール)を翻訳し、一部日本の状況などを追加・変更して作成。日本の教会開拓機関のCity to Cityジャパン(ディレクター:デイミアン・グレイトリー)とパートナーを組み、コロナ禍の中で仕事に不安を覚えている働くクリスチャンに向けてプレゼンをしている。

仕事の混乱のツールの4区分

「仕事の混乱のツール」は、教会開拓機関「リディーマーCity to City」の信仰と仕事部門「Global
Faith&Work Initiative」のエグゼクティブ・ディレクター、ミッシー・ウォレス氏が制作。「一人ひとりが直面している仕事の混乱は、仕事の形態や種類によって違い、それぞれに浮き彫りにされる誘惑や霊的、肉体的ニーズも異なる。それらに対する福音の希望は、皆に同じく与えられるが、それぞれのニーズによって用い方が変わってくる」とし、コロナによる日常の仕事の変化をX軸、仕事に対してどれぐらいの権限や経済的ゆとり、給与などの収入保障があるかをY軸に、AからDまで四つに区分している=表参照=。
サックスさんたちは「コロナと福音」というタイトルで5、6月にZoomを使って十数回、約150人に向けて「仕事の混乱のツール」についてプレゼンをした。
その説明によればAは、仕事が減ったり、なくなっている状況という不透明な中で戦略を立てようとしているグループ。「仕事が減ったり、なくなっている状況の中で、どう生き残るか、戦略を立てようとしている。給与がある従業員・会社員、先生などが、また権限的にはホテルや飲食業の経営者がここに入る。もし経営が悪化してつぶれそうになっている場合は、Bに入ってしまうかもしれません」
Bは、貧困化し、何とか生き延びようとしているグループ。「仕事が減ったりなくなって、収入の保証がない状況。保証や援助がないと、お金が底をついていくのを見ながら、貧困化して何とか生き延びようとしている。仕事がないと収入も保証もない歩合制の従業員、自営業・中小企業者、フリーランスや、この秋までライブやコンサートは全部キャンセルという音楽家、資金繰りが大変で支援がない限り倒産の可能性がある自営業や中小企業経営者もここに入ります」
Cは、圧倒されつつ、何とかついていこうと必死なグループ。「日本では、キーワーカーたちの管理職者や責任者、食料品店、医者や医療関係、役所の責任者などがここに入ります」
Dは、犠牲になりつつも前へ進もうとしているグループ。「人々の健康を守るために、毎日自分が犠牲になって働いているキーワーカーの人たち、看護師、介護士などがここに入ります」
現在はAグループだが、状況が長引くことによって会社の状況が悪くなりBになる可能性、Dにいた人が責任を任されCに移行する可能性も指摘。「どの区分においても、自分でコントロールできる範囲を超えている状況なので、不安の軽減が必要。また、日本では『安心と安全』が求められるので、不安や恐れを正直に直接神に持っていき、神が共におられることを確認し、神にしっかりと信頼して立ち、神の主権を信じることが必要です」
サックスさんは、3回ほど失業した経験があり、Bグループに属していたことを明かした。「その時は大変。でも振り返ると良いことがあった。1回目はクリスチャンになり、2回目は優先順位が仕事から神様に変わり、3回目はミッションが変わった。神が問題や苦しみを益にしてくださることを経験しました」 プレゼンの後、参加者はそれぞれどのグループに近いかを確認。現状をシェアし、各自どんなニーズがあるかを確認した。その上で、それぞれのグループの人が他のグループの人に、どのように愛をもって仕えたらいいかを話し合った。
Lightプロジェクトでは、「仕事の混乱のツール」のプレゼンと共に、プレゼンを受けた参加者がその後、コロナ禍の中でどんな仕事の状況になり、どう対応したかなど、日を改めてディスカッションする時を継続して持っている。
「仕事の混乱のツール」のプレゼン録画や資料については、LightプロジェクトのウェブサイトURL http://lightproject.jp/で。【中田 朗】