1月31日号紙面:「コロナ禍で問われる教育機関の存在意義」 志学会公開講演会
コロナ禍で問われる教育機関の存在意義 遠隔教育の歴史と展望 宮添輝美さん(東京理科大准教授) 志学会「関東 第34回公開講演会」から①
写真=講演スライドから
「オンライン授業は対面授業に劣るのか」。コロナ禍で、日本の教育機関ではオンライン遠隔教育が一気に導入された。だが世界的に見ると、オンラインによる学位・単位取得はすでに普及。国境を越え、複数の学校の授業を並行して受けられるような環境は整っている。今回、日本の教育機関も、これらの世界的教育ネットワークに急きょ投じられる状況となった。今後問われるのは、単体の教育機関が提供する“学び”の意味だ。
【高橋良知】
§ §
応用言語学、遠隔教育学が専門の宮添輝美さんは、自身遠隔教育で複数の大学から単位、学位を取得した経験がある。キリスト者の研究者を励ます志学会主催の「関東 第34回公開講演会」(2020年11月16日開催)では、
「遠隔教育学と私-オンライン教育の過去・現在・未来-」と題して語った。講演会はオンラインで開催され、参加者は、収録された3本の講義ビデオを視聴し、宮添さんとライブで質疑応答した。
宮添さんは、国際基督教大学(ICU)で修士を終えた後、フランスに2年間留学。帰国すると、すぐに結婚生活と非常勤講師の仕事が始まった。ここで通信教育が役立った。実はこの時教員免許を単位不足で取得していなかったのだ。そこで日本大学の通信教育で残りの単位を取得。続いて03年には、世界に先駆けて100%オンラインで学位が取得できるロンドン大学教育大学院を修了した。
さらに非常勤講師をしつつ、ICUで教育学の博士を取得し、その傍ら、研究に必要な科目補強のためにカナダのアサバスカ大学大学院のコースをオンラインで受講、、、、、2021年1月31日号掲載記事