大津市立中学2年男子生徒が昨年10月、自宅マンションから飛び降り自殺をした問題は、同級生によるいじめとの因果関係が指摘されていることもあり、滋賀県大津市内とその近郊にある教会の牧師、信徒らに大きな痛み、悲しみを与えている。市教育委員会と学校の対応のずさんさも指摘される中、地元の教会はこの問題をどう受け止め、考え、祈り、取り組んでいるのか。地元教会の牧師、クリスチャン教師らに話を聞いた。

 大津市内の中学校で教師をしているバプ連盟・大津バプテスト教会員のHさんは「いじめはどこででも、誰にでも起こりうる」と語るが、「自分の弱さやつらい状況を話せる友人、家族、教師がそばにいれば、いじめを解決しうる糸口は見つけられるのでは」とも言う。
20年前に3年間、大津市内の中学校で教師をし、昨年まで世界福音・大津福音教会で牧会していた田中隆裕氏(世界福音・東近江キリスト福音教会牧師)は、元教師の立場から「教職員のためにぜひ祈ってほしい」と願う。
 大津市内にある教会の牧師、宣教師たちが週1回集まり食事をする「大津牧師ランチ」では、事件が大きく報道されてから、町の癒しのため祈っている。メンバーは大津福音自由教会、アッセンブリー・大津キリスト教会、大津バプテスト教会、福音ペンテコステ・大津コイノニア教会などの牧師、宣教師たち。
 8月5日にはクリスチャン教師の執り成しの祈り会を主催し、教師としてのつらさ、難しさを分かち合うひと時をもつ。(高橋良知、中田 朗)