今から93年前の1919年4月15日、日本が植民地支配していた朝鮮半島のから南西22キロにあるという小さな村で、「三・一独立運動で中心的な役割を演じたキリスト者らを根こそぎにしよう」と、日本の警察と憲兵が堤岩(チェアム)教会の礼拝堂に21人の男性を閉じこめ焼き払い、虐殺するという事件が起きた。堤岩里(チェアムリ)事件だ。この事件の舞台となった堤岩教会に1980年、31代目牧師として赴任し今年3月、32年間に及ぶ牧会を終え引退した氏が7月30日から8月1日まで、静岡県熱海市のニューウェルシティ湯河原で開かれた「2012年基督教共助会夏期信仰修養会」(同主催)の講師として招かれ、講演した。

 姜信範(カン・シンボム)氏は、「両者を一つのからだとして、十字架によって神と和解させるためなのです。敵意は十字架によって葬り去られました」(エペソ2・16)の御言葉を引用し、日本人に向けこう結んだ。「私たちには主の血潮が流されている。主の血潮の中で私たちは一つとなっている。私たちはそれぞれ、今、生活している場所において、和解のツールとして与えられた使命を生きなければなりません」(中田 朗)

写真=堤岩里三・一運動殉国記念館所蔵の
   教会に火をつけ銃を撃つ日本軍憲兵たちの絵

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