「次会う時は語れない」覚悟を 須崎福音キリスト教会老人ホーム担当牧師
「次会う時は語れない」覚悟を 柴田 良子さん(アッセンブリー・須崎福音キリスト教会老人ホーム担当牧師)

「老人ホーム担当牧師」という働きがある。高知県須崎市の住居型介護施設でチャプレンをする柴田良子さん(アッセンブリー・須崎福音キリスト教会)の教会での役職名だ。自身の病気の経験から、「弱さのある人に仕えたい」という志をもつ。その働きと思いを聞いた。
21歳で脳の病気を発症。手術をする中で、人生を考え、信仰をもった。幼少期に通っていた日曜学校の記憶があったからだ。病気は再発したが、2度目の手術の時は、「弱さのある人のために働きたい」と献身した。
中央聖書神学校卒業後、大阪、淡路の教会で働きつつ、様々なセミナーで学び、病院訪問などに取り組んだ。集会での再会をきっかけに、神学校同級生の松浦哲也さんが経営する住宅型老人ホーム「ベテルホームすさき」へ、2015年に就職した。ベテルホームすさきと同系列グループの「オリーブホーム」の二施設に通う。それぞれ4階建て、6階建ての建物で、一階部分が、デイサービスとなっている。同グループ内には、総合格闘技実業団トップティアがあり、「介護の仕事は、体力のいる仕事も多いのでトップティアのメンバーたちに助けられている」と言う。
各ホームでは月二回礼拝がある。希望者には、須崎福音キリスト教会に送迎する。また有志参加の会「恵明楽会」では、童謡やゲーム、聖書の話などを共にする。利用者には、引退牧師などクリスチャンがおり、毎週祈祷会をしている。
柴田さんが心がけるのは、「一人ひとりに寄り添う」こと。「それぞれ様々な戦い、悩みがある。挨拶をし、話しかける。時には黙って隣に座るだけでもいい」と話す。だんだんと仲間のようになり「『いつから入居しているの』と言われることもある」と笑う。
経験を積む中で、利用者の「奇妙な行動」にも、理由や考えがあることが、後から分かるようになってきた。「コロナ禍で、空気の入れ替えのため窓を開けていたが、閉めようとする方がいた。後で分かったことは、『あの人が寒がるだろうから』という、その人なりの愛が理由だったということです」
ホームの礼拝では、毎回天国のことを話すよう心掛けている、、、、、
(2025年06月01日号 05面掲載記事)