[CSD]2011年4月3日号《ヘッドライン》

[CSD]2011年4月3日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★瓦礫の山に募る無力感——被災地派遣の消防士「だがここにも神はおられる」

 = 2 面 震災/救援の動き =
◎仙台の諸教会の連合が「被災支援ネットワーク」を設置——避難所に行けない高齢者に助けを
★北海道・青森の教会が協働——支援手薄な岩手沿岸部へ
★JIFH:集めた物資 運べない——トラックが不足 八尾市と協力関係結ぶ
★<落ち穂>被災者の気持ちをくみ取る支援を

 = 3 面 震災/安否・救援活動・義援金 =
★教会 安否情報——宮古コミュニティチャーチ、石巻聖書バプテスト、塩釜キリスト恵み、シーサイドバイブル
★WVJ:南三陸町で支援物資配布——届かない自宅避難者も視野に
★募金窓口リスト——
★<オピニオン>「阪神」の経験から 復興への知恵 記・小平牧生

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★市川 益子さん[上]([社福]こひつじ会 小羊チャルドセンター創設者)——闘いはダビデのように 記・三浦 三千春
★<『もしドラ』教会編>[4]成果とは何か?——御霊の実を基準に教会の健康診断を 記・千葉雄志
 = 5 面 牧会/神学/社会=
★牧師性加害はなぜ起きたか——日本ホーリネス教団 検証報告を公表
★「K元牧師性加害事件検証報告」(一部抜粋要約)
★<精神障害と教会>[93]パーソナリティ障害(1)——「生きる意味」と「生きづらさ」  記・向谷地 生良

 = 6 面 ITテレホン特集/震災でどう活用されたか=
★威力発揮したソーシャルネットワーク、メール、携帯電話——被災情報 迅速に発信・共有
★安否情報の確認など緊急時の報道に威力

 = 7 面 震災/クリスチャンライフ=
★「東京に来たのはこの時のため」——東京消防庁消防士の藤村拓さん
★「神よ、…守ってください」——ブログ書き込みから

 = 8・9 面 全面広告=
☆首都圏イースターのつどい「活きる力! 活かす力!」
 2011年5月1日 会場:淀橋教会 午後3時30より

 = 10 面 関西だより =
★新設のジャパン・ミッション・センター被災地へ——グラハム伝道協会サマリタン・パースと協力
★JIFH:物資届かぬ空白地帯支援——中長期の支援体制で展開
★大阪クリスチャンセンターが4月9日に緊急支援コンサートを主催
★被災者・教会のために熱く祈る——村上好伸氏宣教50年感謝礼拝

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★Movie:「戦火のナージャ」——「神は生かしてくださった」(4月16日より公開シネスイッチ銀座ほか順次全国公開)
★BOOK:『はじめてのジョナサン・エドワーズ』J・P・バード著(教文館、1,890円税込)
★REVIEW:『「放蕩」する神』ティモシー・ケラー著(いのちのことば社、1,365円税込)評・高橋秀典

 = 12 面 震災/つながって支え合う=
◎被災地支援活動で希望を証し——救助協力ネットワークCRASH Japan
★「漂流生活」に神の支援——離散の福島第一聖書バプテスト教会




◎仙台の諸教会の連合が「被災支援ネットワーク」を設置−−避難所に行けない高齢者に助けを=110403

 大震災発生から1週間のうちに、被災現地の諸教会と、被災地を支援しようとする諸教会に、それぞれ被災支援のネットワークが立ち上げられ活動を開始している。さらに各地に同様の動きが準備されているが、初動の早かった仙台市の教会連合と、北海道・青森の諸教会の連係プレーで岩手県沿岸部の津波災害地への支援を目指す活動から、第一報が届いた。

 仙台市内の諸教会が教派を超えて協力している仙台キリスト教連合会(吉田隆代表)は3月24日、青葉区錦町の日本基督教団東北教区センター「エマオ」で会合を開き、同連合「被災支援ネットワーク」(同代表)を正式に立ち上げた。それに先立つ18日の準備会合には仙台市内の教会代表のほか、日本国際飢餓対策機構(JIFH)、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)、クラッシュ・ジャパンなどキリスト教援助団体関係者や行政からも参加し、約30人が集まった。
 仙台YWCA内に「被災支援ネットワーク」の事務所を設け、専従者 を置いて電話(L022・222・9714)を開設し、ホームページを立ち上げた。支援物資の供給状況、どこに行けば必要なものが手に入るか、またどこが何を必要としているかなどの情報を一元化する。具体的な活動としては、避難所に行けない高齢者に食料を届けるなど、教会として地域社会の必要に対して独自の活動をしていくという。
  「最初の1週間は救援物資が不足していたので、教会関係から届けられた物資が避難所でも非常に喜ばれました。だが今は、避難所には物資が行き渡り、一部には余るところも出てきている」と吉田氏は報告する。そうした中で、支援物資の必要はむしろ、自宅などにとどまっている高齢者にあるという。
 「避 難所に行けないお年寄りはたくさんいます。阪神大震災と違うのは、今回の被害はおもに津波によるもので、仙台市内では燃料不足などの不便はありますが、建物が倒壊したわけではありません。店も開いていますがどこも長蛇の列で、お年寄りなど弱者が食料品などを手に入れるのが困難な状況です。民生委員や近所の方々が物を分かち合ってそうしたお年寄りを支えていますが、非常に大変。今日も一人、教会にお米を受け取りに来られました」
 吉田氏は「仙台の教 会が生き残ったことは、そのような身の回りにいるお年寄りに仕えるためだと話し合っています。神から与えられたこの機会を通して、教会に届けられる物資を、それを必要としてる地域の方々に届けることが、これからしばらくは大きな働きになるでしょう。この働きを担うことに、仙台の信徒たちはむしろ生き生きしています」。
 近く「被災支援ネットワーク」として超教派の献金窓口を開く予定。そこに寄せられる献金は、被害がひどい諸教会や教会員への支援に充てる。特に教団に属していない単立教会への支援を念頭に置く。仙台以北の三陸海岸沿いの被災地も支援していく予定。
 

◎被災地支援活動で希望を証し−−救助協力ネットワークCRASH Japan=1104031201

 東日本大震災では、専門のスタッフを抱える災害援助団体と並んで、宣教師たちが立ち上げた救援協力組織「クラッシュ(CRASH Japan)」が機動力を発揮している。東京・東久留米市にある宣教師子弟などのための学校「クリスチャンアカデミージャパン(CAJ)」と、隣接する建物「マツカワプレイス」に本部を置き、被災地の教会と連携して現地に基地を設け、援助物資やボランティアを組織的に送り込んでいる。

 CRASHとはクリスチャン・救援・協力・支援・希望を表す英語の頭文字を並べたもの。クリスチャンが救援活動を通して被災者を支援し、神の愛と希望を行動で示そうという趣旨だ。すでに07年の新潟県中越沖地震、08年の四川大地震、10年のハイチ地震などで活動し、宣教師たちの間で知られるようになっていた。JEMA(日本福音宣教師団)はクラッシュの働きを正式に認め、支援している。
 3月11日に地震が起きると「救援活動ならクラッシュへ」と一斉に集まった。宣教師が運営に関わる強みもあり、被災地に人や物を送ろうとする諸外国のキリスト教団体もクラッシュと連携を取る。2日後には会合を開き、情報収集、現地との連絡、物資供給、ボランティア手配、心のケア、避難者受け入れ、メディアなど7つの部門のリーダーが立てられた。
 「クラッシュは団体ではなくネットワーク」と、全体を統括するジョナサン・ウィルソンさん(単立・グレイス・クリスチャン・フェローシップ牧師)は説明する。各リーダーが責任を持って自分の部署のスタッフを募り、連携を取る。全員がボランティアだ。
 週明けの14日には4つの調査チームを東北地方に派遣し、状況を把握するとともに、現地のニーズを優先するため各地域の教会と連絡を取りながら、キリスト教主義学校や神学校など活動拠点となる場所を調査。最初のベースキャンプを、仙台市泉区の明泉学園に据えた。ここは日本国際飢餓対策機構やサマリタン・パースなども基地にし、各方面からの援助物資が集中する。仙台キリスト教連合被災支援ネットワークの吉田隆代表(改革派・仙台教会)は、物資が集約されることで効率よく必要なところに必要なものを届けられる、と歓迎している。「教会はネットワークがあるので、直接その地域の必要を確かめ、必要なところにボランティアを送ることができる。1つの団体ではなく教会が皆で協力する時に、行政より効果的に被災地の必要に応えることができます」とウィルソンさんは言う。  国際的なネットワークの強みも生かされ、いくつもの海外の援助団体が仙台のベースキャンプに終結。17日には「フィードザハングリー」から50万食分の米と大豆を満載したコンテナ2基の寄贈が約束された。
 ボランティアを送り込むにあたり、クラッシュでは、カウンセリングの専門知識を持つスタッフにより、災害時に必要な心のケアのトレーニングを実施する。心のケアは被災者に必要であるばかりでなく、凄惨な光景を目にしながら避難所のような過酷な環境に入っていって活動する人々にも備えがいるからだ。
 クラッシュは、被災地での活動を始めるにあたり、最初から中長期的な戦略を立てている。「最初の1か月以内に毎日100人のボランティア、2か月以内に200人、3か月以内に500人、夏休みが来る7月には千人のボランティアが働いているようにします」
 ウィルソンさんは「宣教師ができるのは小さいセルモーター。教会は大きい車輪」と表現する。「セルモーターはすぐに動きやすいが、あまり大きなことはできない。大きい車輪に力を伝えていくことで大きな働きができる」といい、できるだけ早く日本人のリーダーシップに移行していきたいと考えている。
 物資供給チームのリーダーになった播義也さん(恵泉キリスト教会埼京のぞみチャペル牧師)は「今は物資が必要だが、これから先、終わりの見えない作業が続く。その時に一番重要なのは人です。被災した人たちはほとんど日本人。日本語でのケアが必要になる。宣教師と日本人が共にやっていくことが必要です」と語り、「JEA(日本福音同盟)など日本のキリストのからだが働くハブになれば」と期待する。
 ▼クラッシュへの募金、ボランティア登録はホームページhttp://www.crashjapan.com/

 JEAも連携
 JEA援助協力委員会(中台孝雄委員長)は東日本大震災救援にあたり、クラッシュと連携していく方針で、22日には緊急委員会をクラッシュの本部で開き、その活動を視察した。