[CSD]2013年4月7日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年4月7日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎憲法が変わるってホント? どうなる、私たちの生活・信仰——「信仰告白の事態」が来ている
★家族と過ごした13年の記録——お茶の水クリスチャンセンターで「横田めぐみ写真展」開催(4月12日~29日)

 = 2 面 ニュース=
◎東京メトロチャーチ隣家火災で被害——火で試された「召しは地域を守るため」
★小牧者訓練会 卞牧師セクハラ民事訴訟——東京地裁 証人・本人尋問を開始
◎復活の喜び 長く伝えたい——毎年4月をイースター月間に 港北ニュータウン聖書バプテスト教会での実践
★<落ち穂>信仰者としての新島八重
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 3 面 =
★<いのちへのまなざし>[50]スポーツ選手の輝き 記・柏木哲夫
★青年の目を通して語られる良心の光と自由への希求——映画「海と大陸」のE・クエイアレーゼ監督に聞く
★仙台ラブリ聖書教会 被害者に謝罪——元牧師の暴言暴行で教会の責任認める

 = 4・5 面 宿泊特集=
★神様がつくった春を喜ぼう:海——伊豆大島
★神様がつくった春を喜ぼう:山——那須高原——

 = 6 面 神学 =
★原発は神の主権に軽食——改革派「キリスト者として原発問題を考える集会」弓矢健治氏講演レポート

 = 7 面 伝道・牧会を考える =
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>?[43]聖契・インターナショナル・バイブル・フェローシップ?——長期支援スタッフの成長が励みに
★<神の宣教>神のことばを神の世界へ[23 最終回]—— クリストファー・ライト講演抄録

 = 8 面 レビュー =
★Movie:「リンカーン」——永久的な奴隷制度廃止を法律化した最後の4か月(4月19日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー)
★CD:「So Brand New」Samuelle (ライフ・クリエイション、全12曲、1,310円税込)
★Book:『追憶と名言によるキリスト教入門』大和昌平著(いのちのことば社、945円税込) 評・藤掛 明
★Book:『偽りの神々 かなわない夢と唯一の希望』ティモシー・ケラー著(いのちのことば社、1,470円税込) 評・福田真理
★Book:『イノチを支える——癒しと救いを求めて』黒鳥偉作・平山正実著(キリスト新聞社、1,260円税込)
★Book:『キリスト教は戦争好きか キリスト教的思考入門』土井健司著(朝日新聞出版、1,470円税込)
★Book:『生きがいを感じて生きる——福祉の役わり・福祉のこころ』日野原重明著(聖学院大学出版会、735円税込)
★Book:『いのちへのまなざし 人間理解を深める55のメッセージ』柏木哲夫著(1,360、円税込)
★Book:『キリスト教音楽への正体——聖なる空間に響く音楽』佐々木しのぶ・悠著(教文館、1,890円税込)




◎憲法が変わるってホント? どうなる、私たちの生活・信仰−−「信仰告白の事態」が来ている=13040

 昨年12月16日夜。第46回衆議院議員総選挙の投票締め切りから間もなくテレビ各局は選挙速報で「自民党圧勝」を報じた。日曜の奉仕を終え、自宅でテレビを見ていた朝岡勝氏(日本同盟基督教団徳丸町キリスト教会牧師)は、「いやになってテレビを消して寝ちゃいました。それからしばらく何もやる気がなくなってしまって…」。
 開票結果は自民党が単独過半数を上回る294議席を獲得。強硬な改憲論者の安倍晋三氏が首相に返り咲き、近隣諸国を蔑視してはばからない国粋的な発言を繰り返す日本維新の会の石原慎太郎氏がトップ当選するなど、「悪い冗談じゃないかというほどの結果」だった。
 危機感は以前から募っていた。第一次安倍内閣が「教育の憲法」と言われる教育基本法を骨抜きにする「改正」を成立させた2006年、朝岡氏は同教団「教会と国家」委員会の委員長を務めていた。その前後、教育現場に「日の丸・君が代」を強要する通達や条例が相次ぎ、抵抗する教員の大量処分を招く。
 「そうした中で、以前ならそんなことを言ったら『いい加減にしろ』と言われたような為政者の問題発言も次々に出てきました。堤防が決壊したように誰もそれに歯止めをかけられない。こんな無茶な発言が受け入れられるはずがない、戦後の民主主義はそんな底の浅いものではないはずだと思っていたのですが…」
 12年4月、自民党が決定した「日本国憲法改正草案」には「国防軍」の設置が明記された。小泉政権時代の05年に発表された「自民党新憲法草案」では、戦争放棄・恒久平和を定めた憲法9条を変更して「自衛軍」を保持するとされていたのから、さらに踏み込んだ表現だ。世論調査ではさすがに警戒する声が多い。だが、いざ総選挙となると自民圧勝。結局、経済の低迷にも震災復興にも打開策を見いだせなかった野田政権に愛想を尽かせた民意は、憲法という国の基本的なあり方を左右する重大事項をさしおいて、目の前の景気回復を選択したのだ。
 いやがおうにも無力感を感じさせるこうした成り行きのただ中で、投開票から2日後の12月18日夜、朝岡氏はフェイスブックに、「『信仰告白の事態』が来ているという認識に立って、何かが動き出せばよいという思いから、とりあえずできることから始めよう」と、グループ「We believe and confess」を立ち上げた。??「我らは信じ、告白する」。 私たちの信仰は心の内の秘め事でなく、公に告白される信仰です。互いに学び合い、情報を共有し、知恵を出し合い、キリストに従っていく交わりを作ってまいりましょう。??呼びかけに応じて、年代や牧師・信徒の立場を超えた200人以上のクリスチャンがつながっている。
 「信仰告白の事態」とは宗教改革の時代に生まれた概念。それまでカトリックではすべき事とすべきでない事を全て教会が決めたが、改革者らは善とも悪とも断定できないことを「アディアフォラ(してもしなくても自由)」とした。しかし信仰告白が関係してくるとどちらでもよいとは言えなくなる。そのような状況が「信仰告白の事態」だ。1933年にヒットラーが政権を取った時、これに危機感を抱いたドイツの少数クリスチャンらはこれを「信仰告白の事態」と受け止め、抵抗運動を始めた。それが、歴史に残るドイツ告白教会の信仰の闘いである。

◎東京メトロチャーチ隣家火災で被害−−火で試された「召しは地域を守るため」=1304070201

 2月16日午後0時半ごろ、東京都国立市北3丁目の日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団東京メトロチャーチ(林幸司牧師)の南側隣家から出火、同教会を含め周囲の5軒が壁などを類焼した。隣家は解体工事中で昼前に廃材の鉄骨をエンジンカッターで切る作業をしていた。その火花が廃材に燃え移ったらしい。当日は午前11時ごろにも廃材が燃えたが作業員らが消し止めたとの情報もある。昼休みで現場を離れた間に、残り火が強風に煽られ再燃したものと見られる。
 この火事で同教会は、南側外壁が焼かれ、看板が溶けるなどの被害を受けた。宣教師が宿泊していた3階の部屋が消火活動で水浸しになり、宣教師エリック・アベリットさんの荷物のほか、エアコン、デジタルピアノ、ソファなどの教会備品が使えなくなった。被害見積もり額は建物2千700万円、備品250万円。
 火元の解体業者は過失を認めたものの、重過失ではないとして補償には応じない構え。各戸の火災保険でまかなわざるを得ないが、家財など補償対象外の被害もある。
 この地域一帯は小さな商店街で高齢化が進み、2002年に同教会が築20年の中古ビルを購入して移ってきた際には街に若い人が増えたと喜ばれた。立ち消えになっていた商店会の夏祭りを教会が中心になって再興するなど、街の活性化に教会が一役買ってきた。今回の火災でも業者との交渉や善後策の相談に教会が頼りにされている。
 同教会では10年前から「プロジェクト2014」を掲げ、2012年までに会堂購入時の借入金を払い終え、2014年には次の計画へ進むことを目指していたが、実際には残債がまだ半分残っている。折りから火事のあった翌日の日曜にはこのプロジェクトのためのキックオフ祈り会が計画されていた。2階の礼拝堂は大きな被害を免れ、火災当夜のリーダーシップセルや、翌日の礼拝、祈り会は予定どおり実施した。
 「みんな神の許しの中で起きたことと受け止め、表情は明るかった」と林牧師。礼拝メッセージを急きょ変更し、「奇跡の始まり」と題して、寝たきりのお年寄りがいる家もある中で死者もけが人も出なかったこと、強風の中でも教会が盾となってそれ以上の延焼を防げたことなどを感謝。?コリント3・11から「神は火によってそれが本物かどうかを試されるが、土台はキリスト」と、火事によって試されているのは会堂だけでなく信仰であることを説き、「それは私たちが自分自身の人生を守るだけではなく、地域を守るために召されていることを示していないだろうか? 神様は私たちを豊かなところに導かれる前に、火と水の中を通される(詩篇66・12)」と述べ、この火事を神様の奇跡の始まりとして期待しようと励ました。
 なお4月から、同教会は建物修復のため、日曜礼拝を近くのクレストホテル立川で行う予定。

◎復活の喜び 長く伝えたい−−毎年4月をイースター月間に 港北ニュータウン聖書バプテスト教会での実践

 毎年1か月近くの幅で日にちが変わるイースター。それならば、1月間まるごとイースター月間としてみては? そんな取り組みをしているのは横浜市のJBBF・港北ニュータウン聖書バプテスト教会(鹿毛独歩牧師)だ。毎年4月をイースター月間として、期間中に地域の人が集まりやすい催しを開く。2013年度は3月31日(日)をイースター礼拝、4月7日をイースターフラワーサンデー、14日をイースタープレイズサンデー、13日(土)をイースターフェスティバルとする。毎年イースターの日程が変わっても、各催しの順番を変えればいいのだ。
 「クリスマスと比べ、イースターは1日でぱっと終わってしまい、日にちも毎年変わる。教会の人は知っていても、地域の人々はよく分からない。期間を長くして、この復活の喜びを知ってもらう機会にしたい」と鹿毛牧師は話す。
 フラワーサンデーは、春の花を教会いっぱいに飾る。前日の土曜日には、日頃お世話になっている駅や地区センター、交番などに花を届ける。近隣ではガーデニングが盛んなため、庭の写真を撮らせてもらい、教会で展示会を開いたこともあった。プレイズサンデーは教会員が4、5組のグループで特別賛美をする。
 イースターフェスティバルには子どもが復活劇や手話賛美などをすることで、親や祖父母などが集まる。子ども向けにはゲームを用意する。フランクフルトやお菓子などの屋台も出店。「今後はパレードや、劇を公園でするなど、町ぐるみのイベントにしてイースターの楽しみが心に残るものとしたい。いいものを教会から町へ発信していきたい」と夢を膨らます。