2000年10月1日号《ヘッドライン》

2000年10月1日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
★シドニー五輪もう一つのドラマ——車いすの聖火ランナーB・カスバートさん
◎ヒット曲の原点は教会——人気デュオ「花*花」の児嶋いづみさん
★ユダヤ教各派指導者らがキリスト教の努力姿勢を評価声明を発表
★<いやしの時代>[22]占い師の家庭から伝道団体の働きへ 水野秀昭さん(上)
★<落穂抄>心の教育の実
 = 2 面 =
◎<灯火を次代へ>[5]文化の変容と福音派の応答(2)——ラビ・ザカライアス
★「和解の福音を生きる」テーマに——第17回欧州キリスト者の集い
★歴史は小説のように面白い——『キリスト教2000年史』発刊
★大気圏の破壊は神への罪——WCCが気候変動に関する国連会議に声明
★「全キリスト教教誨師連絡協議会」発足
★<世界の出来事フラッシュ>メキシコ:初のプロテスタント知事
★<論説>日本語教会のない国を覚えよう 記・片岡 伸光
 = 3 面 全面広告==
☆東京:第15回聖化大会 10月16日(月)~17日(火)
☆大阪:第39回ジョウン・ウェスレーに学ぶ会公開講座と聖会 10月20日(金)
☆愛知:第13回東海聖化大会 10月19日(木)
☆福岡:第11回九州聖化大会 10月23日(月)
 = 4 面 =
☆第14回CBMCアジア大会in大阪 11月8日(水)~11日(土)
 = 5 面 =
★第4回日本伝道会議を振り返って——沖縄宣言で壁を穿ったか 記・藤田 敦
★コン・ヒー氏の証し記事に反響
 = 6面 関西だより=
★=母教会にあった自由とぬくもり——人気デュオ「花*花」の児嶋いづみさん
★三重キングルガーデン:在宅介護複合施設を多気郡大台町に完成
◎日本一小さな教会堂?!——CS生徒のため作った
★オリジナルCDで伝道を
★ビジネスマン伝道フェスティバル(10月7日、大阪国際会議場で)
 = 7面 =
★止揚学園の生活から生まれた歌を初のCDに
★東海豪雨:「心が癒されるよう祈って」——被災地に支援の輪広がる
★東海豪雨:教会の足「車」はどうなる?
★なにわっ子「キタ」に集合!——関西Hi—B・A梅田に進出
★さらにアジアの人たちに——ドン・モーエン再来日コンサート
★クリスマス用品見て注文できる見本市——東京で初の一般公開
 = 8 面 =
★<聖書66巻>ゼパニア書 裁きの中で救いを準備する主 記・渋谷 敬一
★<書評>『「祈りは初めて」という人のための本』内田和彦著
★<新刊書紹介>『天子の腰掛け』吉持 章著
★<新刊書紹介>『ゆくてははるかに——神戸女子神学校物語』竹中正夫著
★<情報クリップ>催し情報ほか      
 

ヒット曲の原点は教会−−人気デュオ「花*花」の児嶋いづみさん

女性2人組の歌手「花*花」(はなはな)の歌う「あ~よかった」が大ヒットしている。
メンバーの1人、こじまいづみ=本名・児嶋いづみ=さん(24、写真下右側)は日本基督教団高砂教会員。
郷里の兵庫県高砂市では、教会の高校生バンド「psalm(サーム=詩篇という意味)」で歌っていた。
ヒット中の「あ~よかった」を作詞・作曲したのは児島いづみさん。
歌のさわりはこんなふうだ。
 ♪あーよかったな、あなたがいて/あーよかったな、あなたといて/あーよかったな、一緒にいて/あーよかったな、二人でいて9月のCDシングル週間売り上げベスト5を記録(オリコン調べ)。
「ミュージックステーション」「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」「ポップジャム」など、若者なら知っているような音楽番組を総なめにしている。 高校生バンドで学友にイエス様語ってた 花*花は95年、児嶋さんが神戸の音楽専門学校に在学中、同郷のおのまきこさんと再会し結成。
尼崎のライブハウス「ブラントン」などで発表するうち人気が出、関西から全国に向けて大ブレイクするに至った。
実力でスターの座を獲得した2人組だ。
 超多忙な毎日で、児嶋さん本人には取材できなかった。
教会にも昨年以来、来られない。
しかし高砂教会では、「いーちゃん」こと児嶋さんの活躍を喜び、応援し祈っている。
それは児嶋さんが教会の高校生バンド「Psalm」や、ヤングチャペル(中高科)の熱心なメンバーとして信仰を表明し、学友らにイエス様を証ししていたからだ。
芸能界入りしてからも、そんな姿勢は変わらないと教会の人々は感じている。
在阪「毎日放送」の情報番組「ちちんぷいぷい」は、花*花の曲を早くからエンディングテーマにしているが、99年12月の番組では高砂教会からの生中継で花*花の演奏を放映。
「教会は、花*花の歌の原点」とコメントした。
メジャーデビューしたシングルCD「あ~よかった」のジャケットにも、関係者に感謝を表した中に高砂教会の名が挙げられている。
また、ある番組で「好きな言葉」を尋ねられた児嶋さんは「神様はお見通し」と色紙に書き、「これはどんな時にも神様は見守っていて下さるという意味なんです」と語った。
今回、取材の了承を得るため、教会の仲間を代表して児嶋さんと連絡をとった副牧師の井上眞一さんは、「電話でだけど久しぶりに話した。
芸能界に入ったから難しいことがあるとか深刻な感じもなく、以前と同じいーちゃんだった」。 「現役で証しを」母教会も祈りで応援 児嶋さんは、自由な雰囲気で音楽を愛好する家庭に生まれ、5歳の時からピアノを習う。
クリスチャンホームではなく、初めて教会に来たのは小学校高学年のころ。
高校生の時、有志八人でPsalmを結成。
念願の洗礼を受けたのは、それと相前後する92年、高校1年生だった。
伝道者アーサー・ホーランドさんのメッセージを聞いて主を信じた。
高砂教会はきちんとした聖書教育と、秩序だった動きのある教会(8月27日号「ザ・教会」参照)だが、きわめて庶民的な雰囲気。
「教会は、信仰によるチャレンジ精神の生まれてくるところ」という手束正昭主任牧師の考え方もあり、信徒の自発性が大事にされている。
ヤングチャペルも活発。
高校生や同世代の勤労青年で結成されたPsalmは、「練習と雑談が半々」といった部活動のような雰囲気。
高校でも「知らない人はない」と言われるほど目立つ児嶋さんと一緒にやっていく個性の強いメンバーは、「よくけんかもした」。
心から言いたいことを、親しみやすいメロディに乗せて、思わず口ずさみたくなる花*花の歌。
チームのメンバーが支え合うことや、舞台度胸、笑いのとれる「天然ぼけ」のトークも、Psalmで培われた部分が大きいかもしれない。
メンバーの高校卒業とともにPsalmは解散。
現在それぞれが、幼稚園教諭、キャリアウーマン、溶接工、主婦、ブティック店員、大学院生、会社員、そして芸能人…と、自ら選んだ進路を歩みつつある。
地元にいるPsalm同窓生に話を聞くと、一人ひとりが自分の生き方に満足を覚えているのが伝わってきた。
そこには、教会が若い人々をどう育てればいいか、ヒントが隠されているようだ。
主任牧師の手束さんは、「さらに歌手として名が知れ、現役でイエス様の証しを立てて欲しい。
今まで日本にそういう人はまれだった。
しかし外国にはいる。
自分の信念を持って行動し、臆することなくクリスチャンだと証しする人が起こされたとき、多くの人々が良い影響を受ける。
私たちも祈って支えなければと思います」と期待を寄せる。

<灯火を次代へ>[5]文化の変容と福音派の応答(2)−−ラビ・ザカライアス

劇的に変化していることの第1は、無神論の影響。 2・東洋の精神世界 自然は真空を嫌う。
西洋世界が霊的な方向性の中核を失い、おおっぴらにキリスト教を攻撃するようになったところに、東洋の宗教が一気に入ってきた。
「あなたの内なる神を発見しよう」といった考えや輪廻、マントラや神々の名を唱えながら瞑想することが、次第に社会のエリート層に支持を得ている。
むしろイエス・キリストの名を口にすることが知的な攻撃を受けるようになってきている。
これは驚くような転換であり、意味するところは非常に重要である。
歴史を通じて東洋では、宗教と文化は交ぜ合わさってきた。
人が文化について問いかけるときは、宗教について問うことである。
東洋の文化はその時代、価値、霊的な意味に対する自負がある。
そのような確信のもとに、東洋の文化は今や、西洋文化の中に根付く道を模索しており、主流であったキリスト教を隅へ追いやる勢いでである。
文化に付随して特定の宗教の世界観も忍び込んでいるのだ。
文化の名において神秘主義や精神世界が神への唯一の道を否定するときに、どのような未来が想定されるであろうか。
その結果は、イエス・キリストが本当に神に至る唯一の道であるのか、それともたくさんある道の一つにすぎないのかという問いに集約されると思う。
詩篇の作者は、文化は最終的には人の拝む偶像のように、将来は恐るべきものになると述べている。
「異邦の民の偶像は、銀や金で、人の手のわざです。
これを造る者もこれに信頼する者もみな、これと同じです」(詩篇135篇15、18節)
3・視覚の君臨 第3の変化は、刺激の強い視覚。
娯楽メディアが世代の考え方を形作っている。
私たちは目だけでなく良心でものを見るように意図されているが、今日、私たちは良心を使わずに見ている。
世界中で私たちの目は暴力とセックスに常にさらされている。
このような視覚の襲撃に絶えずさらされながら、魂が侵略されないということがあろうか。
映像が若い世代の想像力をコントロールしている。
ある朝目覚めて、なぜカメラの持つ強力な影響力に気が付かなかったのかと、悔やむ日が来るのではないかと私は恐れる。
しかし逃げることもできない。
私たちはそのただ中にいる。
何十年もの間、科学は知性の厳しい鍛錬のもとにあると見なされ、芸術は想像の自由な領域にあると見なされてきた。
コンピューターの進歩に伴い、この二つの鍛錬の領域が一つに収束され、想像力が科学に対して要求するようになり、ついには自由な技術の力が人々の夢をつくり出すようになるのではないか。
知性は想像力に惑わされる。
バベルの塔は一つの言葉——ボタンで接続できる画像の中において——ならばきっと完成したことであろう。 4・若者のために形成された社会 変化の第4番目は、若者が力を増して世界を支配するようになってきたことである。
過去の歴史を抱き、長い歳月に重きを置く文化がどうやって、瞬間にのみ生き、わずか数週間しかもたない新しい品物や可能性ばかりの中で生きている世代とうまくやっていくのであろうか。
現代の機械や娯楽の製品は、過去にしがみついている世代よりも、このような世代に向けて作られているのである。 5・中核を失った文化形成 変化の5番目は、中心を失った文化形成である。
その意味は、人生に首尾一貫性を与えるものは一つの源から出ているのではない、ということである。
唯一の権威の源はない。
だれも道徳的な権限を自分がもっていると言うことはできない。
社会は私たちを導く正しい情報なしで、どうやっていけるだろうか。
その行き着くところは様々な破片の寄せ集めである。
どうやってバラバラの人生を一つにできるだろうか。
神は私たちに道の光、足元のともしびが必要だと教えて下さった(詩篇199篇)。
この世界がそのような導きに戻れるのはいつのことだろうか。
(つづく)

日本一小さな教会堂?!−−CS生徒のため作った

大阪市東淀川区大隅1—3—24にある日基教団・淀川教会(杉本常雄牧師)には、おそらく日本で一番小さいだろう礼拝堂があり、評判を呼んでいる。
(写真下)この礼拝堂は面積2・7平方メートルで、高さは2メートル。
たとえ小さくても、入口には礼拝開始を告げる鐘。
そして内部に十字架と聖書台、いすも備えられ、緑色の屋根には十字架が光る。
今年3月に、1か月がかりで「完成」した。
当初、ギネスブックに載ることもねらっていたが、残念ながら、世界最小(1・8平方メートル)に及ばなかった。
「作ったのは遊び心です」と牧師の杉本さん。
「教会学校の子どもたちのために作ったところ、とても喜んでくれました。
教会の門から正面の所にあるのでよく目立ち、時々近所の方がのぞきに来ます。
結婚式を挙げさせて欲しい、という方もいるんですよ」気になる収容人数は、「大人なら6人。
子供なら10人かな?」とのこと。
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