2000年3月12日号《ヘッドライン》

2000年2月13日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎マンガで教訓・春名康範牧師招き日基教団大阪教区伝道セミナーに熱気
★日本伝道会議:信徒の参加を促す——2000人超す規模が可能に
★エホバの証人輸血拒否に人格権を認定する最高裁判決
★<21世紀への対話>ペンテコステと福音派(8)万代栄嗣・内田和彦
★<落穂抄>人格が出会う「こころの友伝道」
 = 2 面 =
★韓国の3・1独立運動、堤岩里事件をドラマ化「銃剣と処容の舞い」上演
★LMI世界宣教会:木島宣教師と岩渕さんが宣教報告
★日の丸・君が代教師・市民ネット:卒業式迫る職員室の実態を現場報告
★世界宣教会議の全講演を収録した記録集を発刊
★福音宣教協力会:毎年秋に海外宣教大会の開催を決定
★米国:インターネット有害情報規制が米大統領選の行方を左右
★米国:大統領予備選で宗教票の行方は
★<世界の出来事フラッシュ>米国、バチカン、ルーマニア
◎<論説>糸口は教育基本法9条 記・稲垣 久和
★<逆転の信仰経営>(40)生まれ変わったビジネスマン<23> 三谷康人回顧録
 = 3 面 特集・異端と教会=
◎「エホバの証人」成長率0%に——戦後の布教以来初めて
★新約聖書を30回読んでイエスをメシアと確信——ドン・ネルソン宣教師
★ものみの塔から救われて:家族の愛で支えられた——高橋 直史さん
★新世界約聖書を使った批判書——物見の塔の問題が見えてくる
★統一協会「4億組」の合同結婚式——手口変わっても本質は変わらず
★<新刊書紹介>「エホバの証人——引き裂かれた家族」林 俊宏著
 = 4 面 =
★寄稿:150万人の命を奪った殺人工場——アウシュビッツを訪ねて 記・石川 秀和
 = 5 面 教会学校特集=
★子ども伝道再発見:ゲーム遊びで一体感
★子ども伝道再発見:プレステが大活躍
★CSの活性化に向けて、いのちのことば社が「ラブ・キッズ」
★CS成長センター:CS教師のための連続講演会
 = 6面 全面広告=
☆第1回全国生年宣教大会
 = 7面 建築特集=
★娘にいつか会える——拉致疑惑の母・横田早紀江さんの手記に反響
★<北から南から>広島:98歳の誕生日前に記念説教
★ダンスミュージックで賛美ライブ
★<召天>藤田 正武氏(米国・合同メソジスト教会牧師)
★<声なき叫びが聞こえますか=40>不思議な方法でこたえる神に祈る 記・岡本富郎
 = 8 面 =
★<聖書66巻>詩篇(3)充実した生命と復活 記・小林 和夫
★<書評>「敬虔に威厳をもって」信教の自由を守る日講演集(いのちのことば社刊)
★<新刊書紹介>「現代を生きるキリスト教」芦名定道ほか共著(教文館刊)
★<新刊書紹介>「凛として生きる」加藤 重著(晩聲社刊)
★<情報クリップ>催し情報ほか
 

マンガで教訓・春名康範牧師招き日基教団大阪教区伝道セミナーに熱気

「私なんて、と言うのは召して下さった主に失礼。
『こんな私でも』と伝道しましょう」――日本基督教団の月刊誌「信徒の友」に、四こまマンガとエッセイを連載している春名康範さん(同教団・新潟教会牧師)を講師に、同教団大阪教区(鈴木恭子伝道委員長)が2月21日、「伝道セミナー」を開いた。
ここ十年来、伝道の活性化を目指してきた伝道委の熱心な働きかけもあり、教区の147教会(奈良、和歌山含む)中、43教会から97人が参加する盛況。
各教会の日ごろの伝道の取り組みを活発に分かち合った。
出席した信徒のなかには「私たちが伝道しなければ石が叫びます。
私たちが悔い改めれば教会が変わり、大阪が変わります」という熱烈な祈りをささげる人もいた。
春名氏の講演は、教会や信仰の問題に鋭い風刺がきいていながら、ほのぼのと人間味あるマンガの画風そのまま。
難しい現実に目を向けつつ、神に希望を持つことを訴えた。 欠点さらし、早天で主に聴き「社会派」にも聖霊の働き見る  100パーセント立派な牧師、信徒でなくていい。
少しくらい空に雲があっても天気は「晴れ」。
それと同じですよ。
私は欠点だらけやけど、主が召して下さった。
欠点をもさらけ出し、「こんな人間を救って下さった」主を伝えたい。
教会にはいろんなタイプの人がいる。
そやからトラブルも起こって当たり前なんです。
12使徒の間でさえそうやった。
「使徒を召されたとき、イエス様には明確な目的 があった」と強調。
マルコ3:14「ご自分のそばに置き」「派遣して宣教させ」「悪霊を追い出す」を指摘した。
現在の私たちも、「イエス様のそばに置かれること」が最も大切。
落語でこんな話があるでしょ。
お使いにピューンと行ったのはええけど、着いてから「用事はなんやったっけ?」(笑)。
主人の言うことをちゃんと聴いてへんかったらそうなります。
アシュラム運動で知られる故・榎本保郎牧師の下で働き、毎朝聖書のみことばを通して主の語りかけを聴く早天祈祷会の素晴らしさを教えられたという。
16年前、新潟教会に赴任し、思い切って会衆の前で宣言したんです。
「寿司屋が早朝、飛びきりのネタを仕入れて商売するように、私も毎朝、新鮮なみことばのネタを仕入れます」早天をしていていいことは、ちょっとラジカルな発言をしても「春名先生は早天を守ってるから」と許される(笑)。
それに「朝早いねー」と近所の人たちから信頼される。
「毎朝5時に電気がついてるけど何をやってるのか」と新潟日報が取材に来たこともあります(笑)。
何より、自らみことばに感動し、「今日はこれを伝えたい」というメッセージが与えられています。
教団内で「伝道派」 「教会派」「社会派」などとやり合っていることについて、「全体としての教会が聖霊に満たされ、主の業に用いられている」という考え方をしては、と提言した。
wholly(全体的な)はholy(聖)というわけです。
「あの人たちは、私たちの代わりに社会運動をしてくれている」「代わりに熱心に祈ってくれている」と、互いを認めたらどうでしょう。
もちろん、教会内に誤解や間違い、悪意や妬みさえある。
聖霊はふろしきのように、それらを包み込んで前進される方だと思うんです。
意見が異なることについても、互いに発言の自由があるべきだし、相手が自分と違う考えでも、「なぜそう思うのか」という背景まで想像力を働かせ、人間として認め合うことが大切だと思う。
あからさまな悪意が分かってしまう場合もあるでしょう。
その時は苦しみますね。
でも、一生懸命祈って、自分が怒りに支配されないように、出来事に聖霊が介入して下さるように祈ります。
家内には、ちょっとはこぼしますけどね(笑)。

マンガで教訓・春名康範牧師招き日基教団大阪教区伝道セミナーに熱気

「私なんて、と言うのは召して下さった主に失礼。
『こんな私でも』と伝道しましょう」――日本基督教団の月刊誌「信徒の友」に、四こまマンガとエッセイを連載している春名康範さん(同教団・新潟教会牧師)を講師に、同教団大阪教区(鈴木恭子伝道委員長)が2月21日、「伝道セミナー」を開いた。
ここ十年来、伝道の活性化を目指してきた伝道委の熱心な働きかけもあり、教区の147教会(奈良、和歌山含む)中、43教会から97人が参加する盛況。
各教会の日ごろの伝道の取り組みを活発に分かち合った。
出席した信徒のなかには「私たちが伝道しなければ石が叫びます。
私たちが悔い改めれば教会が変わり、大阪が変わります」という熱烈な祈りをささげる人もいた。
春名氏の講演は、教会や信仰の問題に鋭い風刺がきいていながら、ほのぼのと人間味あるマンガの画風そのまま。
難しい現実に目を向けつつ、神に希望を持つことを訴えた。 欠点さらし、早天で主に聴き「社会派」にも聖霊の働き見る  100パーセント立派な牧師、信徒でなくていい。
少しくらい空に雲があっても天気は「晴れ」。
それと同じですよ。
私は欠点だらけやけど、主が召して下さった。
欠点をもさらけ出し、「こんな人間を救って下さった」主を伝えたい。
教会にはいろんなタイプの人がいる。
そやからトラブルも起こって当たり前なんです。
12使徒の間でさえそうやった。
「使徒を召されたとき、イエス様には明確な目的 があった」と強調。
マルコ3:14「ご自分のそばに置き」「派遣して宣教させ」「悪霊を追い出す」を指摘した。
現在の私たちも、「イエス様のそばに置かれること」が最も大切。
落語でこんな話があるでしょ。
お使いにピューンと行ったのはええけど、着いてから「用事はなんやったっけ?」(笑)。
主人の言うことをちゃんと聴いてへんかったらそうなります。
アシュラム運動で知られる故・榎本保郎牧師の下で働き、毎朝聖書のみことばを通して主の語りかけを聴く早天祈祷会の素晴らしさを教えられたという。
16年前、新潟教会に赴任し、思い切って会衆の前で宣言したんです。
「寿司屋が早朝、飛びきりのネタを仕入れて商売するように、私も毎朝、新鮮なみことばのネタを仕入れます」早天をしていていいことは、ちょっとラジカルな発言をしても「春名先生は早天を守ってるから」と許される(笑)。
それに「朝早いねー」と近所の人たちから信頼される。
「毎朝5時に電気がついてるけど何をやってるのか」と新潟日報が取材に来たこともあります(笑)。
何より、自らみことばに感動し、「今日はこれを伝えたい」というメッセージが与えられています。
教団内で「伝道派」 「教会派」「社会派」などとやり合っていることについて、「全体としての教会が聖霊に満たされ、主の業に用いられている」という考え方をしては、と提言した。
wholly(全体的な)はholy(聖)というわけです。
「あの人たちは、私たちの代わりに社会運動をしてくれている」「代わりに熱心に祈ってくれている」と、互いを認めたらどうでしょう。
もちろん、教会内に誤解や間違い、悪意や妬みさえある。
聖霊はふろしきのように、それらを包み込んで前進される方だと思うんです。
意見が異なることについても、互いに発言の自由があるべきだし、相手が自分と違う考えでも、「なぜそう思うのか」という背景まで想像力を働かせ、人間として認め合うことが大切だと思う。
あからさまな悪意が分かってしまう場合もあるでしょう。
その時は苦しみますね。
でも、一生懸命祈って、自分が怒りに支配されないように、出来事に聖霊が介入して下さるように祈ります。
家内には、ちょっとはこぼしますけどね(笑)。

<論説>糸口は教育基本法9条 記・稲垣 久和

衆参両院に設置された憲法調査会の討議が始まり、各政党の憲法観が示された。
自由党は「3年目に改正案の概要を示し、5年目に新憲法を制定」と具体的に日程も示している。
またこの3月には首相が「教育改革国民会議」を発足させ、さらに文相が中央教育審議会に諮問して、いずれも「教育基本法」の見直しを始めるという。
同法には日本の伝統尊重、道徳教育、愛国心教育等が欠如しているのがよくないらしい。
今なぜ、愛国心を鼓舞し、あえて国民を統合しなければいけない理由があるのだろうか。 なぜ今、愛国心の鼓舞か  一つには「21世紀は中国の時代」との論調への対抗があるだろう。
「愛国主義」を唱えて強大化している中国の存在は、確かに日本の為政者には驚異である。
そしてアジアでの有事を想定した「周辺事態法」の成立は、軍隊が海外派兵して現実に戦争することを可能にしている。
さらに外来の人権・個人主義思想への誤解に基づく偏見がある。
権利ばかりを主張して共同体への義務をないがしろにする。
だから民族としての「良き伝統」の復権が必要だ、と。
教育勅語にもいいところがあった、と。 人権思想の根底 憲法や教育基本法の根幹は外来の人権思想である、そのことは論をまたない。
しかし、かつて人権思想の根底にはキリスト教思想があったのだ。
今日、宗教が多元的に共存する時代にも、なお人権思想は機能するのであろうか。
筆者には、その解決の糸口は教育基本法第九条にあると思われる。
【第9条(宗教教育)】宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。
この項は宗教の公共性の主張である。
キリスト者は公共の場でその自覚をもっと強くすべきであろう。
世論調査によれば日本人の約30%は何らかの宗教的信仰を持って生きている。
宗教という以上、人間を超越した存在を信じているわけだから、国家をも超越している。
そして日本の伝統宗教にも、事実それは言えたのである。
一例を挙げよう。 国家をも超越する宗教 人格的如来の教えを説く「法華経」、これを重んじた日本の仏僧の一人に日蓮がいる。
日蓮は、現実政治に働きかけこれを批判したため島流しにあった。
しかし彼は法華信仰で苦難に耐えたと言われる。
近世史においてキリシタンとともに殉教の血を多く流したのが、この日蓮門徒の不受不施派であった。
「天下の敵、万民のうらみは切支丹、不受不施」と言われ、江戸幕府のもとで禁制宗門となったのはキリスト教と同じである。
今日、真の日蓮門徒は一体どこにいってしまったのか、と言いたい。
いずれにせよ今日でも日本人の30%は国家を超える価値を信じているはず、したがって彼らは定期的な宗教的活動をもっているはずだ。 公共空間を形成する活動 ここで公共性を「活動」によって意味づけるハンナ・アレントの社会哲学が示唆的である。
アレントは公共性を内部世界と外部世界のはざまで考え、それを「公共空間」としてとらえ、その公共空間は(「労働」「仕事」とは別の)「活動」(vita activa)によって形成されるとしている。
むしろわれわれとしては、宗教的活動を「持続する活動」として位置付けることにより、公共空間の形成に寄与すること、いやすでにしていることに思いを致すべきであろう。
日曜ごとのキリスト教会の礼拝活動はそれ自身公的であるだけではなく、積極的に公共空間を形成していくことに参与している。
問題はキリスト者の方にその自覚がなく、信仰は私的なこととして、私空間に押し込めてしまっていることであろう。
今日、この国のキリスト者に発想の転換が望まれている。
(記・稲垣 久和)

「エホバの証人」成長率0%に−−戦後の布教以来初めて

「1999年のエホバの証人は、ヨーロッパで減少、日本においては1948年の活動再開以来初めての増加率0%になった」——2月10、11日に東京・世田谷で行われた真理のみことば伝道協会主催の「第9回異端者救出全国セミナー」で、同伝道協会代表のウィリアム・ウッド氏が報告した。
ウッド氏はエホバの証人の成長率が0%だったことについて、これまで同伝道協会をはじめ、エホバの証人問題に取り組んできた各団体・教会によって配布されてきた「予防トラクト」(エホバの証人の問題性を指摘して、聖書研究会などに加わらないように呼びかけるチラシ)の効果が表れてきたこと、エホバの証人のカルト性が一般の人たちにも理解されるようになってきたことを理由に挙げた。
また、1月にテレビ朝日がエホバの証人を取り上げた報道特集番組で「エホバの証人はカルト」という立場を鮮明に打ち出したことも評価、これからの活動に弾みをつけたいと語る。
また一方で、エホバの証人信者の救出を巡って係争中の草刈定雄牧師が現状報告を行い、一審が春に結審し、夏から秋にかけて判決が出る見通しという。
草刈氏は、「この裁判を通してものみの塔のカルト性がアピールできたら私たちの勝利です」と語る。
同セミナーに参加したエホバの証人の救出活動を続ける牧師の一人は、信者の救出を巡るエホバの証人による訴訟は今後増える可能性があると指摘する。
草刈牧師の裁判でエホバの証人が勝訴すると雪崩を打つように訴訟が起こされることを危惧するという。
たとえエホバの証人が敗訴しても、裁判を起こすことによって救出にかかわる牧師らの力をそごうとするのではないかと見ている。