[CSD]2010年4月4日号《ヘッドライン》

[CSD]2010年4月4日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎新シリーズ:<危機の時代の福音>子どもの受難——放っとけない

 = 2 面 ニュース=
★何が問題? 「天皇制」——NCC靖国委「天皇制問題Q&A」出版記念会
★新生活に神の祝福 贈ろう!——God Bless You プロジェクト
★<落ち穂>イースターの喜びを贈ろう

 = 3 面 ニュース=
★東京ミッション研究所創立20年——出版と講演で宣教学・平和つくりに貢献 記・宮崎 誉
◎不況下の企業人は聖書を求めている——成功の法則にビジネス書が注目
★<オピニオン>危機の時代、教会は何をめざすのか 記・岡山 英雄

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★小林 実さん[上](ペテロ建設[株]代表取締役)——「誠実さ」に職人も惹かれ
★<人生何とかなります>[5]小さな愛を実践してみたらいかが? 記・佐藤 敏

 = 5 面 牧会/社会/神学=
★ローザンヌ誓約のキーワード——「世」をどう理解するか 記・西岡 義行
★エジプト:世界最古の修道院「聖アントニウス」の修復完了
★メキシコ:初の悪魔払いを行う教会を発足
★<精神障害と教会>[71]苦労の残像  記・向谷地 生良

 = 6・7 面 CBS 日韓連合宣教大会特集=
★宣教のパートナーとして力を合わせよう——長崎・佐世保での日本大会に700人参加
★日韓姉妹教会締結に15教会参加——締結運動支援へ文化財団も組織
★連合の力で新しい時代を切り開く——新たな宣教100年の始まり
★日韓宣教セミナーより講演要旨

 = 8 面 全面広告=
☆関西フランクリン・グラハム フェスティバル
2010年10月22日(金)~24日(日)大阪城ホール
公式サイト http://fgraham-kansai.jp/

 = 9 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『人とつきあう自己表現』佐藤綾子著(福音社、1,470円税込)
★BOOK:『マザー・テレサ 愛のことば、祈りのことば』ルシンダ・ヴァーディ著(メトロポリタン・プレス、1,365円税込)
★CD:「名曲で描く聖書の世界 Vol.1 旧約聖書編」(ライフ・クリエイション、2,625円)
★REVIEW:『まるかじり創世記』佐藤 彰著(いのちのことば社、1.680円税込)評・池田 博

 = 10・11 面 イースタースペシャル=
★Clay Art——本物!? カラフル粘土作品で演出
★Sweets——和菓子でおいしく味わうイースター
★Arraugement——みんなで取り組む「家族行事」
★Balloon Art——達人が作る復活の象徴

 = 12 面 全面広告=
☆団体・学校・企業など

 = 13 面 チャーチスクール特集=
★教会で育てる次世代——小学生から高校生まで一緒に礼拝

 = 14・15 面 読書特集=
★『極道牧師の辻説法』進藤龍也著(Gakkan、1,300円税込)
★『あなたの賜物が輝く5つのステップ』リック・ウォレン著(PDJ、1,680円税込)
★『負わされた十字架』山形謙二著(キリスト新聞社、1,890円税込)
★『宣教に我が身をささげて』ハ・ヨンジョ著(DURANNO、1,480円税込)
★『愛は死のように強く』金 成一著(ヨハン出版、1,050円税込)
★『聖書に隠された成功法則』松島 修著(サンマーク出版、1,575円税込)
★『聖書ものがたり絵本 全1巻』文・武井 博、絵・小林 豊(フォレストブックス、1,68円税込)

 = 16・17 面 高齢者特集=
★「神の国の実現」介護の現場から——(社福)光明会
★「仕える」本当の意味を知る——日本基督教団神戸聖愛教会

 = 18 面 関西だより=
★クリストファー・サン国際大会in岡山ドーム 4月17日—18日——危機の時代 一致し福音届ける
★「愛は人を大切にすること」学ぶ——関西セミナーハウスで神学生交流プログラム
★集会・イベント情報

 = 19 面 クリスチャンライフ=
◎和菓子作りに道を開いた聖書の言葉——ハレルヤまんじゅう
★映画:「ただいま~それぞれの居場所~」誰にでも帰るべきホームがある(4月17日よりポレポレ中野でロードショー)

 = 20 面 イースターメッセージ=
★「心の復活」 記・高橋」秀典




◎新シリーズ:<危機の時代の福音>子どもの受難−−放っとけない=1004040101

 「閉塞感」――いつの頃からか、日本の教会で聞くようになった言葉の実像は何か。本紙はこのテーマと向き合い、調査データの分析や各地での牧師座談会、連載ルポなどで迫ってきた。閉塞感などない、いや閉塞状況を直視するべきだ……いろいろな声が聞こえてきた。では今、教会は何を問われているのか。昨年9月、札幌市で開かれた第5回日本伝道会議は、危機の時代に福音の希望を地域社会に証しする教会の使命に焦点を当てた。「あなたも行って隣人になりなさい」(ルカ10章)というイエスの教えに生きる教会の姿を追う。
 その部屋の子どもたちは、夜遅くなっても夕食を食べていなかった。何日も風呂に入っていないことも分かる。教会の開拓当初に住んだアパートで、親に放置された子どもが身近にいることに河成海牧師は心を痛めた。
 「里親の資格があれば、こういう子どもたちを助けることができるのではないか…」。河さんと妻の洪性姫さんが埼玉県の里親認定を受けたのは6年前のこと。間もなく児童相談所を通じて紹介された小学3年生のK君を引き取った。来た当初は自己評価が低かったK君だが、温かく家族の一員に迎え入れられた安心感からか、すぐに落ち着きを見せた。児童相談所の職員は「なぜ、こんなに変わったんですか」と不思議がった。この春中学2年生になるK君は今、誰から言われなくても自分で計画を立てて勉強する。その勉強机にはよく聖書が広げてある。
 「感謝しているのは、彼が自分の価値を認められるようになり、将来に夢をもつようになったこと。神様が自分を愛して下さっていること、自分の将来が祝福されていること、周りの人たちに助けられていることを知って、感謝の気持ちをもてるようになりました。神様が彼の人生に計画をもっていると悟ってくれたことがうれしい」
 日本で児童虐待件数が急増したのは20年ほど前から。親が育児を放棄するネグレクトは全体の37%と、身体的虐待の43%に次いで多い。河牧師夫妻が埼玉県狭山市で単立のぞみ教会の開拓伝道を始めて14年。礼拝出席は25人前後だが、これまでに3人の献身者が出た。その中の1人は、K君が変わっていく姿を見て、施設の子どもたちをケアしながら伝道したいと献身を決意した。
 06年、のぞみ教会は「創立10周年ヴィジョン宣言」をまとめた。5項目の筆頭は「地域を愛し、地域のニーズに応える教会を目指します」。2番目は「ゆりかごから墓場までのトータルケアをする教会を目指します」。机上論ではない。河さんは教会の前を通る登下校の小中学生に「おはよう」「お帰り○○ちゃん」と大きな声と笑顔で手を振る。昔は日本にもいた・近所のおじさん・を、今は韓国人宣教師が務める。
 厚労省の外郭団体・女性労働協会が運営するファミリーサポートセンターにも登録し、シングルマザーなど働くお母さんの子どもの一時預かりもしている。住民が何に困っているのかを知れば、教会は地域の人々の助けになり仕えることができると、河牧師は言う。
 5年ほど前から、のぞみ教会では地域の年配の人たちに手作りのおかずを届けたいと奉仕を始めた。孤独な一人暮らしの老人の問題は、日本社会で深刻さを増すもう一つの側面だ。「こんな温かいおかずをいただいたことはない」と、お年寄りが感激して喜んでくれる。
 教会員に介護専門職やケアマネが4人おり、地域住民は教会と一緒にグループホームを立ち上げようと勉強会を開く。精神障害者のケアにもソーシャルワーカーや支援団体、医師らと連携して、牧師の立場で関わる。
 教会があるべき姿をもつと波及効果があり、「長い目で見れば教会が地域の中心になり、影響力が広がっていくことになる」と河牧師は考える。

◎不況下の企業人は聖書を求めている−−成功の法則にビジネス書が注目=1004040302

 「日本最大級の顧客数をもつ投資コンサルタントが聖書を読み解き、手に入れた『成功の法則』」と銘打った松島修氏の著書『聖書に隠された成功法則』(サンマーク出版)が2月下旬Amazonの総合1位を記録(15面に書籍紹介)。日経ビジネス3月22日号はトップ扱いで「山崎製パン異端の経営」と題して同社の飯島延浩社長にインタビューし、不況に屈せず国内パン市場で約4割のシェアを握って業界をリードし9%増の成長を続ける「孤高の巨人」企業を驚きをもって取り上げた。
 日経ビジネスが「孤高の…」と形容したのにはわけがある。内需の縮小で小売り側は様々な要求をメーカー側に突きつける。物流や商品開発の主導権はメーカーから小売りへと移りつつある。物流では、小売りによる共同配送が主流になった。そんな中で山崎パンだけは自社トラックでの配送を貫く。コンビニ最大手のセブンイレブンの取引先の中で、今も自社配送をする食品メーカーは山崎製パンだけだという。
 製パン業界2位から5位まで足しても首位の山崎には及ばない。なぜこれほどまでに強いのか、どんな経営手法を取っているのか、そして「経営者の素顔は…」と、記事は知られざる強さの秘密をクリスチャン経営者の実像に探る。
 記者は、飯島社長が日曜日教会の礼拝に通い、祈りをささげる姿を追う。飯島氏は自らの経営の基本にあるのが「人を神にしておもねってはならない」と教える聖書の原則であり、やはり聖書から「企業のミッション(使命)は何か」を強調する米国の経営学者ピーター・ドラッカーのマネジメント理論の影響を明かしている。
 ドラッカーの『マネジメント基本と原則』『経営者に贈る5つの質問』(ダイヤモンド社)は、今なおビジネス書の売れ筋。最近では、高校野球部の新人マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んで野球に当てはめ甲子園をめざす岩崎夏海氏の青春小説(同社)も話題を呼び、ドラッカーの本と並んで都心の書店で平台に置かれている。
 元カネボウ薬品社長の三谷康人氏は、「不況で追い込まれたビジネスマンはハウツーに見向きもしない。みんな本質を求めている。ドラッカーが読まれるのは、彼のマネジメント理論がハウツーではなく聖書から導き出された本質だから。企業が聖書を求めている。千載一遇の伝道のチャンスです」と話す。

◎和菓子作りに道を開いた聖書の言葉−−ハレルヤまんじゅう=1004041901

 「朝も早いし、忙しい…。不器用で苦手なのに、何でこんなに忙しく和菓子屋の手伝いをしなくてはいけないんだろう。辞めたい!」。片岡文子さん(日基教団・シロアム教会員)はいつも不満で心がいっぱいだった。そんな片岡さんが、今はにこにこ店に立つ。彼女の窮地を救ったのは、聖書の言葉。そしてそこから生まれたアイデアだった。(関連記事10面)

 片岡さんは、キリスト教主義学校に通い、保育を学んだ。周りにはクリスチャンの友人がおり、保育科の実習先も教会附属の幼稚園。様々な場面でクリスチャンに囲まれ、やがて片岡さんも信仰をもった。
 幼稚園教諭時代、今の夫と出会い、結婚に導かれたが、ほぼ同じ時期に夫は脱サラして実家の和菓子屋を継いだ。「大丈夫かな? と不安でしたが、その後、子どもも生まれて子育てをしていたので、数年は直接手伝う機会が多くありませんでした」 
 子どもを幼稚園に預けるようになると、和菓子屋を手伝う時間が増えた。「大量の注文が入れば、夜中から作り始めてそのまま朝、店を開けて営業を始めるということも、珍しくありません」。もちろん、特別な注文のほかにも定番商品を時間までに作らなければならない。「手先があまり器用じゃなくて、本当につらいなぁと気持ちはふさがる一方でした」

 日曜日に注文が入れば、礼拝を出ることもままならない。心も体も限界に近づいていた。その時、思い出したのが聖書の言葉だった。「『いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい』(・テサロニケ5・16~18)が突然浮かびました。そうだ、この大好きな言葉を和菓子で作れないだろうか、と思って作ったのがハレルヤまんじゅうでした」。まんじゅうに、よろこびいのりかんしゃと焼印し、早速商品化へ。夫が本格的に継ぐ世代交代の時期でもあり、アイデアはスムーズに進んだ。「告知は、20~30枚チラシを作って教会の知人に渡す程度でした」
 想像以上に反響が大きかった。教会員が注文し、そのまんじゅうをもらった別の人が注文する。人から人へ伝わり始めた。たまたま、日本キリスト教団出版局の編集者の目にとまり、月刊新聞「こころの友」(同出版局)で和菓子レシピの連載をすると、全国から注文がきた。考案した商品が人に喜ばれ、いつの間にか和菓子屋さんの仕事も楽しいと思えるようになっていた。「クリスマスやイースターなど『こんなのあったらいいな』というお菓子を絵にして夫と一緒に考えています」