[CSD]2011年6月5日号《ヘッドライン》

[CSD]2011年6月5日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★JEA青年宣教セミナー:若者のモデルになろう——世代超えたコミュニティーを大切に
★日本青年伝道会議来年開催へ——準備からつながり一緒に
★Photo News:仙台でのサンピアフェスティバル

 = 2 面 ニュース =
★卞在昌牧師の「アリバイ」認定し準強姦無罪判決——民事原告弁護団は「被害事実は揺るがない」と控訴望む
◎大阪府の「君が代」条例で強制を批判——同盟基督「教会と国家」委が橋下府知事に抗議
★朝祷会50年 発祥の地大阪に結集——全国大会で大震災のため祈る
★KGK東北:卒業生も「ようやく区切り」——震災越え1カ月半遅れで総会
★米国:米長老教会(PCUSA)同性愛教書を容認——33年間議論の末
★<落ち穂>「失ったものはなかった」

 = 3 面 教界ニュース =
★<竜馬をめぐる人々>[47]坂本直寛の章:5——反発しながらキリスト教研究 記・守部喜雅
◎ドイツ系異端 被災地を荒らす——「震災は神のさばき」と演説
★米国:大地震と「最後の審判」予告で大騒ぎ
★<オピニオン>「弱いときにこそ強い」震災の現実 記・榎本 恵

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★町田 要一さん[中](弘和印刷[株]取締役)——「日曜日は仕事するなとは」で妻と口論
★<会計基準の黒船来る>[11]東日本大震災の税制支援策 記・篠松次郎

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★牧師性加害はなぜ起きたか(5)——日本ホーリネス教団 検証報告を公表?
◎東日本大震災:宮城で教会・幼稚園主催で心のケア相談会——「津波ごっこ」止めないで 回復への正常な反応
★<精神障害と教会>[97]誤解と偏見(2)愛しづらさから「愛する」へ  記・向谷地 生良

 = 6・7 面 聖書特集=
★聖書全巻(続編付)の1冊製本発刊へ——フランシスコ会研究所聖書
★語って理解される聖書のことば——「リビングバイブル」新約改訳版を近く刊行
★バラエティ豊かな聖書に触れよう——日本聖書協会の書店「バイブルハウス青山」http://www.bible.or.jp/biblehouse/
★ブログで毎日楽しく聖書読もう——聖書日課ブログ「聖書からの恵み」http://bible21.blog65.fc2.com/

 = 8・9 面 海外日本語教会と帰国者クリスチャン=
★海外日本語教会を開拓・支援——三浦綾子読書会から発展した「ホーリー・スピリット・ミッシュン」設立
★各地に広がる帰国者ネットワーク——地域で分かち合い・励まし合い教会につながる
★2つの帰国者 海外から=海外へ 同じ境遇

 = 10 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『クリスチャンコーチング』大橋秀夫著(いのちのことば社、1,365円税込)
★BOOK:『近代日本のバイブル』鈴木範久著(教文館、1,680円税込)
★Movie:「大地の詩 留岡幸助物語」各地で追加上映 http://www.gendaipro.com/tomeoka/
★REVIEW:『今日のキリスト教教育の可能性を問う』片山信彦ほか共著(いのちのことば社、735円税込)評・本田栄一

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★被災者もボランティアも立場を超えて交流——仙台でのサンピアフェスティバル
★<また行きたい! 教会の魅力>[14]ミニストリー「礼拝篇」?——奉仕はみんなで、楽しく!

 = 12 面 ひと=
★北島理一(浜松市楽器博物館の仕掛け人)——世話になった音楽家ら追悼演奏




◎大阪府の「君が代」条例で強制を批判−−同盟基督「教会と国家」委が橋下府知事に抗議=11060502

 大阪府の橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」府議団が5月25日、学校行事における国家斉唱時の起立を公立学校の教職員に義務づける全国初の条例案を府議会に提出したことに対し、各方面から憂慮の声が上がっている。
 日本同盟基督教団「教会と国家」委員会(朝岡勝委員長)は条例案提出の翌26日、橋下知事、浅田均府議会議長および教育常任委員会各委員に対し、「『君が代』起立条例提案に反対し、廃案を求める声明」を送付した。
 これまで、東京都教育委員会による教職員への日の丸・君が代の強制にも抗議を続けてきた同委員会は、「同条例案は、『起立』と『斉唱』という身体的所作を条例で縛るという非人道的な行為であり、東京以上の暴挙。教員たちを『服務規律の厳格化』によって縛り、どのような教育を目指そうというのか」と強く批判。
 教職員のみならず子どもたちや保護者からも「思想・良心の自由」、「信教の自由」を奪うことになる、教育基本法「改正」時に憂慮されていた愛国心の強制を前面に押し出すものであり、個人の内面にまで踏み込もうとする基本的人権の著しい侵害、と指摘。「キリスト者の良心と憲法の保障する基本的人権の尊重の精神に照らして」、同条例案の成立に反対した。

◎ドイツ系異端 被災地を荒らす−−「震災は神のさばき」と演説=1106050302

 ホルスト・シャフラネック(HorstSchaffranek )をリーダーとするドイツ系異端のメンバーが、東京、大阪、埼玉、被災地の教会、キリスト教団体、避難所に入り、現場を困惑させている。多く目撃されている2人連れはドイツ人中年男性。白地のTシャツに日本語の赤字で「神の怒り」と書かれている。関西では女性のグループ、関東ではアジア系のグループがいたとの情報もある。日本語は話せず、英語で主張をする。日本語を話せるメンバーが存在する可能性についての報告もある。
 彼らの主張は、「今回の震災は神のさばき」、「罰は神の愛だ」、「『神の愛』ばかり伝えて、さばきを伝えないクリスチャンはさばかれる」といったもの。2人組で行動する。礼拝中にも現れ、マイクを握ると、彼らの主張を言い続け、去っていくという。
 5月19日には石巻市の兄弟団・石巻キリスト教会に、5月20日昼過ぎには宮城県黒川郡大衡村の福音の群れ・東北中央教会に2人連れが訪れ、同日夕には多賀城市の保守バプ・塩釜聖書バプテスト教会にも現れた。同教会の大友幸一牧師の実家は津波の被害を受けたが2人連れは「あなたの罪のせいだ」と主張した。
 21日には仙台市若林区六郷の避難所に現れた。保守バプ・八木山聖書キリスト教会は同避難所で慰問コンサートを行っていた。2人連れは賛美を聞きつけ、話しかけてきた。団体名は言わなかった。教会メンバーの藤原誠さんは「感じが良い雰囲気」の印象を受けた。
 だがコンサート中に話させてくれと頼まれ、マイクを渡すと一変した。栗田義裕牧師は「クリスチャンだから、と信頼した。励ましのことばをかけてくれるのだと思った」というが、話は長引きメッセージのような口調になり、「神のさばき」を主張し始めた。栗田牧師は「とても避難所の皆さんに聞かせられない内容」と感じ、時間がないからと通訳を中断し、その場を収めた。2人連れは、ぎこちない日本語のトラクトも配布していたという。
 22日の日曜日朝には、仙台市青葉区の仙台福音自由教会で、吉田耕三牧師が礼拝メッセージ中に2人連れが会堂に入ってきた。席に着かず講壇に直進。友好的な雰囲気で吉田牧師に「ハロー」と語りかけたが、副牧師の門谷信愛希さんがすぐに「神のさばき」を強調するグループだと気づいた。講壇から降りるよう促したがなかなか降りようとせず、興奮気味に「神のさばき」を訴えた。「大柄の男性が今にも暴れだしそうな勢い。女性は特に恐怖を覚えるのではないか」と心配する。
 奥多摩福音の家ディレクターでドイツ人宣教師のオッケルトさんは、「ドイツでは有名なグループ。ドイツ国教会から異端であると声明が出されている。大きな集会に入り、看板を掲げたり、マイクをとって自分たちの主張を告げる」と注意を促している。

◎東日本大震災:宮城で教会・幼稚園主催で心のケア相談会−−「津波ごっこ」止めないで 回復への正常な反

 5月15、16日に、宮城県のバプ同盟・塩釜キリスト教会および聖光学園で、心のケア講演会・相談会が3回開催された。教員対象の会では、塩釜聖光幼稚園及び利府聖光幼稚園に加え七ヶ浜、多賀城にある3つの幼稚園から教員が集まった。この地域では、地震に加え大規模な津波被害を体験してきた。講師は日本バプテスト同盟から派遣された。バプ同盟・東京平和教会員で東京都内の幼稚園・保育園の巡回相談員として働く臨床心理士 久保 千晶さんと、 芳賀真理子さん(駒込えぜる診療所・精神保健指定医)、松岡 展世さん(臨床心理士 日本プレイセラピー協会理事 ) 。
 セミナーでは遊びながら心の治療をするプレイセラピーが紹介された。塩釜キリスト教会牧師の山田崇浩さんによると、「災害後には、大人も子どももいつもと違う心の動き、行動をとる。しかしそれ自体は、心が回復に向かうための正常な反応。子どもたちは津波ごっこ、地震速報ごっこをする。子どもにとっては、遊びがコミュニケーションの手段であり、癒しの過程であるので、強制的に止めてはいけない。子どもの状況を受け止めることが大切。救急車のおもちゃやヘリプターのおもちゃなども用い、津波ごっこから、救援ごっこへ変わっていったりする」という。
 「大人は『助けなきゃ』と活動するが、ケアする側も養われないといけない」。子どもの遊びと同様に、大人も体で安心を味わうことが大切だとして、セミナーでは、子ども、大人、教員の立場で津波ごっこなどが実践された。心の回復は、過敏になり津波の夢など見、無表情になる急性状態から、思い出したり、不安になる反応期を経て、回復期に向かうという。
 今回のセミナーを終え、山田さんは次のような課題を感じた。
 「一般の人々はこのような会に参加することに躊躇する傾向があるように思う。なぜなら人々は自分たちは大丈夫と思いたいからだ。しかし、そう思っているうちにくたびれ果ててしまうこともある。風邪をひいたら病院に行く人でも、心の不調を覚えるときはなかなか病院に行けないのと同じ。教会でやるということも、宗教ということで壁になっているかもしれない。カルトとの違いが判断しにくいからだ。チラシの掲載を行政に頼んだが断られた。本来災害であろうとなかろうと、心のケアは大切な課題なのだが…」。聖光幼稚園・保育園はすでに業務を開始し、園児のケアに当たっている。