[CSD]2011年9月25日号《ヘッドライン》

[CSD]2011年9月25日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎支援から宣教協力へ——宮城宣教ネットワーク発足
★6か国語で♪パッパッパ~ パラダイス♪——CD「パラダイス フォーエバー」を制作

 = 2 面 ニュース =
★いなくなった一匹のため——岸波牧師 被災地500キロ支援に奔走
★東日本大震災と9011同時多発テロ覚えて カトリック・NCCが共催——絶望の中に希望の光示す主に
◎日基教団:被災教会が被災者受け入れて寄り添う——5年で10億円の募金を
★橋下大阪府知事が「不起立」教職員免職の条例化を公言——府議会へ条例案追加提出か
★<落ち穂>

 = 3 面 教界ニュース =
★9・11米同時多発テロ10年追悼式で「神は避け所」——教会指導者ら非暴力メッセージ
◎仮設でもやって!——映画「大地の歌 留岡幸助物語」被災地で上映会
★<オピニオン>9・11から10年 テロのリスク連鎖解決の道 記・村田充八

 = 4 面 全面広告=
☆第26回 関東聖化大会——崩れない希望~きよい生き方をする~
 メイン講師 F・カニンガム博士
 10月16日(日)~18日(火) 会場:淀橋教会
☆第61回 大阪ジョウン・ウェスレーに学ぶ会——女性大会と聖化
 10月21日(金) 会場:大阪桃谷教会
☆第24回 東海聖化大会
 10月20日(木) 会場:福音センター
☆第10回 岡山聖化大会
 10月23日(日) 会場:岡南教会
☆第22回 九州聖化大会
 10月25日(火) 会場:基督兄弟団・福岡教会

 = 5 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★お知らせ:「いのり☆フェスティバル」出展募集 http://yaplog.jp/shinkichi1109/category_15/
★CD:「パラダイス フォーエバー」岩渕まこと(ライフ・クリエイション、1,260円税込)
★REVIEW:『主が聖であられるように』ウィリアム・M・グレイトハウス著(いのちのことば社、2,520円税込)評・竿代忠一

 = 6 面 全面広告=
☆年刊『クリチャン情報ブック 2012』9月15日発売——クリスチャンライフに役立つ情報満載公式Webサイト http://jpnews.org/databook/2012/

 = 7 面 特集=
★津波から救われた『ケセン語聖書』——大船渡市民の心の復興に 日米の教会が贈呈運動
★元気と愛を被災地へ——第4回 横濱ゴスペル祭2011
★シネマ:「地球にやさしい生活」——大都会NYでの省エネ実験生活(http://yasasii-seikatsu.com/)

 = 8 面 全面広告=
☆クリスチャン新聞 10月から新連載——牧師・教会リーダーのための「伝道・牧会を考える」ページ開始

 = ?—? 面 特集/PBA 太平洋放送協会創立60周年=
★「世の光として輝くため」60年——メディア伝道の開拓者たちの夢と祈り
★すべての人に福音を——民放ラジオ開始と同時に抱いた夢
★何とかして幾人かでも救うため——堀 肇理事長から皆様へ
★沿革
★暗闇から光を見出す人々——全国に展開する放送伝道協力会




◎支援から“宣教”協力へ−−宮城宣教ネットワーク発足=1109250101

 東日本大震災から半年がたち、物質的な支援から、心のケア、霊的復興の支援へと必要が移り、実際に信仰を持つ人も現れている。このような中「宮城宣教ネットワーク」が発足し、「開始の集い」が9月6日、仙台市青葉区の仙台バプテスト神学校で開催された。宮城県で宣教を考える教会、団体から80人以上が集まり、会場は人があふれ熱気に満ちていた。

 同ネットワークでは各教会・団体の活動を尊重しつつ、集会、求道者情報の共有、励まし合いの定期集会を開催する。沿岸を中心に5区に分け世話人も決めた。各区の会合も持つ。
 宮城県で活動する教会や宣教団体は多くあったが、横の連絡が少なかった。同ネットワークはJCGIネットワーク(アジアンアクセス)の宮城教会増殖ネットワークに参加していた大友幸一氏(保守バプ・塩釜聖書バプテスト教会牧師)、千田次郎氏(保守バプ・恵泉キリスト教会牧師)、川崎廣氏(保守バプ・山形クリスチャンフェロシップ牧師)の呼びかけで始まった。「被災地で信頼関係ができ、信仰に興味を持つ人たちがいる。一方遠方からの支援者は求道者をなかなかフォローできない。情報交換や祈りができれば」と川崎氏は語る。
 大友氏は宣教方法として救われた人を教育し、その人の家に教会を生み出す「家の教会」形成を提案した。今年5月、ルサーライス神学校に「宮城県内の教会増殖の提言:信徒主体の『家の教会』による開拓伝道」という題で論文を提出し、博士号が授与された。使徒時代に数多く形成された「家の教会」は、「宮城県において効果的な開拓伝道」と考える。教会で4つの「家の教会」の働きを進める。今回の津波で2つが流出したが、新しい場所を見つけるなど活動を継続している。
 津波の浸水があった石巻キリスト教会を兼牧する伊藤諭氏(兄弟団・仙台教会牧師)は、「半年がたち、自分たちの活動がこれでいいのか、他の人の話も聞き、立ちどころを確認したかった」と語る。石巻など被災地域からの参加は少なく、「外からの働きにならないよう」心配した。「家の教会」については「求道者・信徒の成長によってできる教会、できない教会があるが、東北に合っている」と評価した。
 教会形成の情報に期待もある。川上良明氏(アッセンブリー・仙台神召基督教会牧師)は県南部に教会形成を目指す。「同じ地域に教会を建てないよう、どういう地域に教会を建てるか知りたかった」。岸浪市夫氏(保守バプ・イエス・キリスト栗原聖書バプテスト教会)は「1つの町に教会が3つ4つできたとしても遠慮せず親しい人たちのところに教会をつくっていく方がよい」と語る。
 JECA・本郷台キリスト教会(池田博牧師、神奈川県横浜市)の市村美佳氏は「異端の活動など、必要な情報を得られた」と喜ぶ。「自分たちの地域、教会の働きではなく、主の救いの地、主の救いの働きのため、全ての教派を乗り越え、お互いの賜物を出し合い、東北のために仕えていくという話に共感。圧倒的に人材が足りないので、泥かきの協力や、合同イベントなどで互いの働きが活性化する」と期待する。
 バプ教会連合・国分寺バプテスト教会(米内宏明牧師、東京・国分寺市)は、従来から「教会の本来の働きとは何か」を問い地域と関わってきた。伝道師の平田美保氏は「東北支援もやるべきことと思われた。教会という概念を見直したい。現地の方々と共に神を愛し互いに愛し合うことを実践する場ができれば」と願う。「集まるべき人はまだいるはず。より多様性が必要」と述べた。
 田中敬康氏(インマヌエル・仙台キリスト教会)は「戦後数年でキリスト教ブームが去っていった。この機会を逃さぬように」と過去の教訓を話し、「教派を超えて協力し、種々の支援や姉妹教会の形で長期に支えたり、地域に根ざしたコミュニティー教会が新たに各地にできるといい」と期待する。

◎日基教団:被災教会が被災者受け入れて寄り添う−−5年で10億円の募金を=1109250203

 被災地の人々に寄り添うために…。日本基督教団東京信徒会(鈴木功男会長)はフォーラム「教団救援対策・現場からの報告・11246の祈り」を9月10日、東京・千代田区の富士見町教会で開催。同教団救援対策本部担当幹事の加藤誠氏と同スタッフの前北未央氏が教団救援対策方針と現場からの報告をし、永井清陽氏(東京教区常置委員会委員、経堂北教会員)が救援対策募金計画について説明した。
 同教団17教区中、奥羽教区、東北教区、関東教区、東京教区千葉支区で65教会とその関係施設が地震、津波、原発事故による被害を受け、うち全壊1教会、半壊14教会、一部破壊50教会(うち関係幼稚園、保育園9)だった。全壊した福島教会は会堂が国登録有形文化財指定だったが、行政の指導で取り壊されなければならなかった。
 一方、仙台市東部の教団の教会は「地震や津波で被災した教会でありながら、同時に地域の被災者を受け入れ、彼らと共に歩む教会だった」と強調。「仙台市東部の教団の教会は津波の被害者を会堂に受け入れ一緒に生活していた。仙台東教会は5月連休明けまで会堂に避難者がおられた。牧師とその家族は自分たちも被害を受けながら被災者と共に歩み、被災者が立ち直れるよう援助していた。新生釜石教会は津波被害を受け今も傷痕が残っているが、教会に人々が集まり地域の人々の心の支えとなっていた。教会自身が被災しながらも避難してきた人々を受け入れ、地域の人々を助けようとしている牧師、信徒の姿を見させていただいた」と報告した。
 被災者支援のため、震災3日後に設置された東北教区被災者支援センター(通称エマオ)では、ボランティア登録者延べ千66人(1日平均30人)、センター来訪者千174人。うち7割がキリスト教が初めてだったが、「その彼らもチームでボランティア活動を行い、朝のミーティングの後には手をつないで祈り、1日の終わりの時にもみんなで心一つにして祈っている。ボランティアセンターなのに多くの若者が初めてキリスト教に触れている」という。エマオの活動は石巻にも広がっている。
 そのほか、教団は?原発から30キロ圏内にあり避難先から帰宅した園児を無償で受け入れている原町聖愛保育園に1千万円緊急支援した、?仮設住宅入居後、自殺者が増えた阪神・淡路大震災の教訓を覚え岩手県遠野に自殺防止センターを設置することを決定、?夏でも窓を閉め切って保育している現状を鑑み原発100キロ圏内の付属幼稚園・保育園に空調設備を整えることを検討している。
 月に15日間は被災地で活動しているという前北氏は、「ボランティアに参加した最初の1週間は衝撃的で、ただ立ちつくすしかなかった」と言う。「見る物すべてが真っ暗。生き物の気配がなく、植物が一本も生えていない。言葉も出ず心がシャットダウン状態だった」。そうした中で「イエス様だったらどうするだろうという視点で被災者の痛みに仕え、寄り添うことを心がけつつ支援をしている」と語った。
 日本基督教団は2015年3月までに10億円という設立以来の募金活動を展開中。9月2日現在、国内募金1億4千万円、海外献金1億2千万円。被災教区へ直接送られた募金もある。東京教区は5月の教区総会で、2016年までに5億円の募金運動を行うと決めた。
 地震発生の午後2時46分には報告を一時中断し被災地を覚えて祈った。

◎仮設でもやって!−−映画「大地の歌 留岡幸助物語」被災地で上映会=1109250302

 障がい者自立支援を行うNPO法人浜松トータルケアセンターは、7月、8月に岩手県の被災地で、映画「大地の詩|留岡幸助物語」(現代ぷろだくしょん制作、山田火砂子監督)上映会を行った。同映画は明治時代のクリスチャン福祉家留岡幸助の半生を描いた作品。8月の大船渡市の上映会では、主演俳優で陸前高田市出身の村上弘明さんも駆けつけた。
7月23、24日は避難所となっている陸前高田市の広田小学校体育館、第一中学校音楽室で上映され、避難所、仮設住宅から合わせて約200人の参加者があった。インド出身の宣教師カメイ・ダイタオさんも同行し、上映後「私は何も持ってきませんでした。涙を持ってきました。お祈りをさせていただいてもいいですか」と語ると、多くの人がともに祈り、涙ぐむ人もいた。観客からは「祈りに感動した」という声があった。
 8月20日は大船渡市の大船渡第一中学体育館で開催。俳優の村上さんは、留岡幸助が設立した家庭学校チャペルに「難あり」と書かれていることに触れ、「逆によむと『有り難う』。感謝をこめて見ると、力になります」と観客に励ましの言葉を贈った。
上映会には多くの人々の出会いと協力があった。障がいを持つクリスチャンのスタッフ4人と、市内の仮設住宅を約1,500軒回り、上映を知らせた。町の広報に載るなど、役所の人たちも協力的だった。日基教団・大船渡教会牧師の村谷正人からも協力を得られ、教会に4泊し、拠点にできた。同教会には村上さんのファンで、最近クリスチャンになった障がい者施設の理事長もいた。気仙沼で障がい者の作業所を建てたいと活動する人とも出会った。大船渡上映会の際は、アメリカの支援団体オールハンズが、仮設住宅にいる被災者の送迎をした。
 仮設住宅の人々からは、「仮設住宅の集会所でやって欲しい」という声がある。同センター所長の安間孝明さんは「お茶を飲みながら、膝を交えて話したい。聖書のお話もできれば」と願う。支援活動のために経済的な必要もある。
 支援は【郵便振替】12300・42900481、エヌピーオーホウジントータルケアセンター。Tel.053・414・5202安間。浜松トータルケアセンター http://www.npotcc.com/