[CSD]2012年2月5日号《ヘッドライン》

[CSD]2012年2月5日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎100年先の教会を見据えて日米神学者ら合同シンポ——フラー神学校共催でスタッセン教授ら来日
★実話を基にした映画「かみさまへのてがみ」がDVDに——がんと闘う少年が書いた手紙の奇跡

 = 2 面 ニュース=
★大震災召天に断食祈祷——「原発事故は人間のおごり」
◎高齢化する在日外国人——葬儀習慣の違いをサポート
★日本のために何かしたい クライストチャーチの被災者ら——昨年2月にNZ震災で救援活動した渋沢憲一宣教師がレポート
★求道者とネットで対話セミナー開始——ジーザス・ネット・ジャパンがオンラインコース開設
★<落ち穂>イスラエル医療チームと日本

 = 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[74]坂本直寛の章:33——伝道者としての働き 記・守部喜雅
★<逝去>青木 久氏(元福島県郡山市市長、日基教団・郡山細沼教会員、89歳)
★<逝去>斉藤信夫氏(ホーリネス・神戸教会名誉牧師、85歳)
★<オピニオン>最高裁「君が代」判決は前身か 記・根田祥一
☆情報クリップ

 = 4・5 面 2・11特集=
★大阪条例問題——大いなる恐るべき主を覚え、戦う
◎君が代裁判——教師の自由尊重すべき
★解説:「君が代」関連訴訟
★映画「私を生きる」が描く——不適格教員の実像
★2・11関連集会

 = 6 面 仕事と信仰 =
★加藤勇三さん([NPO]グリーフケア・サポートプラザ理事長)[上]——「信仰とは」「生きるとは: 記・清水茂則
★<『もしドラ』教会編>[15]イノベーションの機会——変革に教会の一致が必要不可欠 記・千葉雄志


 = 7 面 伝道・牧会を考える =
★ケープタウン決意表明(15)——私たちが愛する主のために(13)
★解説:苦難の共有
★<小さき人々のパラダイス>[14]共働学舎の挑戦——マザー・テレサとの会談? 記・佐原俊幸

 = 8 面 神学・聖書考古学 =
★ローマ初のアッピア街道——パウロが護送された道を自転車でたどる



◎100年先の教会を見据えて日米神学者ら合同シンポ−−フラー神学校共催でスタッセン教授ら来日=120

 東日本大震災から1年の節目となる今年3月、米国のフラー神学校と日本の聖学院大学総合研究所、東京基督教大学が共同し東京で「東日本大震災国際神学シンポジウム」を開催する。テーマは「いかにしてもう一度立ち上がるか─これからの100年を見据えて」。日米の神学者たちが100年先の日本のキリスト教会のあり方を見据えつつ、この「時」を捉え、日本の諸教会に仕え、励まし、現在すべき働きを論じる。
 昨年4月、フラー神学校が東日本大震災で被災した日本の教会への支援を決定。具体的な支援の内容に関し最もふさわしい仕方について日本人の在学生・卒業生に相談した結果、神学的・宣教学的なサポートが望ましいとの結論に至った。これを受けて聖学院大学総合研究所、東京基督教大学と共同での国際シンポジウムとなった。神学校関係者にとどまらず日本の教会に仕える神学を目的として教会リーダーを中心に参加者を募ろうと東日本大震災救援キリスト者連絡会(DRCnet)が両大学と共に主催する。フラー神学校は共催。
 国際神学シンポジウムは3月23日午後1時05時30分、JR駒込駅徒歩10分の女子聖学院クローソン・ホール(北区中里3ノ12ノ2)で。講演者として、フラー神学校から著書『イエスの平和を生きる(原題・Kingdom Ethics)』(東京ミッション研究所)で知られるキリスト教倫理学教授のグレン・スタッセン氏と、異文化国際プログラム学務担当副学部長のファン・マルティネス氏が来日。日本側からは福島県出身の組織神学者で聖学院大学総合研究所所長の大木英夫氏、日本キリスト教史が専門の東京基督神学校校長・東京基督教大学教授の山口陽一氏、聖学院大学総合研究所教授でキリスト教倫理学が専門の藤原淳賀氏が講演、仙台バプテスト神学校校長で同校を拠点に災害復興支援SBSネットワークを立ち上げた森谷正志氏が支援活動とその神学的考察について報告する。総合司会は東京基督教大学学長の倉沢正則氏。
 被災地東北を含む日米の神学者らによる講演・報告から、歴史におけるこの「時」を捉える神学的な視座を得るとともに参加者も討議に参加し、日本の教会がこれからどこに向かって進んでいくべきかを考察する。
 コーディネートにあたっている藤原淳賀氏は、「日本の教会は2011年3月10日への復興をゴールとするのではなく、3・11を経験した先に見えてくるものに、また神が今何をしておられるのかに目を注ぐ必要がある。この時代における教会の役割と責任、これからの日本宣教のビジョンを共に仰ぐ時としたい」と話している。
 参加は無料、先着200人まで。主催者では協賛、後援を募っている。問い合わせは聖学院大学総合研究所まで。Tel.048・725・5524、Email: research@seigakuin-univ.ac.jp
 

◎高齢化する在日外国人−−葬儀習慣の違いをサポート=1202050202

 近年、国際化が進む日本で生活する外国人が増えている。そんな中、「外国人のための葬儀セミナー」(復活社主催)が1月15日、栃木県真岡市並木のブラジル人教会「アッセンブレイア デ デウス」で開かれた。
 同セミナーは、長年日本で生活する在日外国人が高齢化し、日本で亡くなり葬儀をするケースが出始めてきたことを受け、キリスト教葬儀を手がける葬儀社「復活社」(塚田喜一代表)が、まず在日ブラジル人を対象に日本で生活する外国人の葬儀の手伝いをしようと企画したもの。
 当日は、多言語で在日外国人のための通訳、翻訳サービスを手がける高橋恵介さん(復活社参事)が、今年7月に外国人登録法が廃止になり外国人も住民基本台帳法の適用対象に加わり90日以上日本に滞在する外国人には住民票が発行されると、法改正について説明。
 塚田さんは、「日本では一人の方を自宅から火葬場まで移動し、火葬する一定の目安は19万8千円という基準があるが、在日外国人の場合、葬儀業者の言われるまま高額な料金を払ってしまう可能性がある。私たちは教会と協力しつつ、どこでも共通のルールを守り、同じ値段設定で葬儀を提供したい」と語った。

 在日外国人葬儀の問い合わせはTel.0120・88・8849、Email: 8849@kih.biglobe.ne.jp URL: http://homepage2.nifty.com/fukkatsusha/ (復活社)

◎君が代裁判−−教師の自由尊重すべき=1202050402

 1月16日に最高裁は、「『国旗・国歌』実施の通達」による都教委の都立校教職員らの処分について、減給、停職は過重懲罰で一部「違法」と判決した。ただし、戒告処分、他の1人の停職処分については合法とした。
 最高裁の多数意見で「不起立行為」は、個人の世界観歴史観に起因するが、「公務員の義務の公共性」が「間接的な制約」となり、憲法19条思想良心の自由を侵害せずとした。反対補足意見で宮川光治裁判官は「教育公務員は、教育の目標に照らし、教育の自由が保障されている特性があり、学問の自由、幅広い知識と教養、真理を求める態度、個人の価値を尊重しその能力を伸ばすなど、教育の専門性をかけた責任がある」と述べ、「精神の自由の尊重」を示した。また、「国旗国歌の強制が憲法19条に違反するとの見解は憲法学説、日弁連など大多数を占めている」と述べ、「一審原告が、国旗国歌の子どもへの強制を強いる職務命令に従えないのは、『日の丸・君が代』が、戦前の天皇制や軍国主義のシンボルであり、現在の平和主義や国民主権に反するとの信念による」、「良心の核心の表出である」、さらに、「都教委が本件通達を、これらの信念をもつ教員に対し不利益をもたらす意図のもとに出された」と明記した意味は大きい。原告の1人、木村葉子さん(元高校教諭、現浜松ウェスレアン教会伝道師)は、「教職員に自由がない学校で、生徒が自由に考え表現し共生協力の民主的な社会を作る力を養うのは困難である」と話した。