[CSD]2012年7月1日号《ヘッドライン》

[CSD]2012年7月1日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★創造の完璧さ 理科実験で——キリスト教主義学校が教会学校の子どもたちに科学教室手助け
◎日本福音同盟:「無批判な原子力利用」反省——原発事故で異例の理事長所感

 = 2 面 ニュース=
◎日本福音同盟第27回総会:教会ネット軸に被災地支援継続——福島、疲弊する現地教会を忘れない
★日本福音同盟:次期伝道会議へ向け宣教課題探る——仙台で宣教フォーラム
★日本福音同盟:次回の日本伝道会議は2012年神戸で
★日本福音同盟:次の災害に備えチャプレン養成
★日本福音同盟:震災機にネットワークで広がるJEAの協力範囲
◎マハカリミッション:廃校を復興支援センターに——宿泊所に改装 ワークキャンプ奉仕者募集
★<落ち穂>

 = 3 面 =
★<いのちへのまなざし>[16]運命、運ばれた命 記・柏木哲夫
★記憶亡くしても再び夫を愛した妻——映画「君への誓い」原作が描く信仰
★大飯原発再稼働にキリスト教団体も抗議
★<オピニオン>エキュメニズムについての再吟味 記・
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4・5 面 全面広告=
☆有料老人ホームの品質とは何でしょうか?——長谷川保から学んだやさしさ
ロングライフ ホールディング(株) http://www.j-longlife.co.jp

 = 6 面 神学/歴史 =
★東日本大震災 国際神学シンポジウムより——大災害時におけるキリスト教的応答:教会史から学ぶ[3]
★<竜馬をめぐる人々>[81]坂本直寛の章:40——同じ罪人として語る十字架に感動 記・守部喜雅

 = 7 面 伝道・牧会を考える =
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>[16]JECA・帯広栄光キリスト教会?——信徒礼拝説教者を立てて訓練
★ケープタウン決意表明(33)パート?解説——私たちが仕える世のために(16)

 = 8 面 レビュー =
★Movie:「ユナイテッド~ミュンヘンの悲劇」(7月7日公開) http://united-movie.com/
★Book:『公共福祉とキリスト教』稲垣久和著(教文館、1,995円税込)評・小川巧訓
★Book:『山上の垂訓に隠された生命の道』著(いのちのことば社、2,310円税込)評・市村和夫
★Book:『神こそわれらの砦』今井館教友会編(教文館、1,890円税込)
★Book:『キリスト教葬制文化を求めて』清野勝男子著(IPC出版センター、1,000円税込)
★Book:『これからのありようを考える』森一弘著(女史パウロ会、円税込)
★CD「あなたに逢えてよかった」米田浩司 全13曲(テヒリムミニストリー、2,500円税込)
★CD「phyction」ナイトdeライト 全8曲(ナイトdeライトミュージック、1,943円税込)


◎日本福音同盟:「無批判な原子力利用」反省−−原発事故で異例の理事長所感=1207010102

 日本福音同盟(JEA)は6月4~6日に静岡県掛川市で開催した第27回総会において、安藤能成理事長名で「東日本大震災から一年を経ての理事長所感」を発表した。震災に伴う原子力発電所の事故に関連して悔い改めを表したもので、キリスト教界内に賛否の幅広い意見がある原発の問題に言及するのは、福音派としては異例のこと。
 JEAでは昨年総会で可決された2011年度事業計画の中で、理事会からの付託により神学委員会と社会委員会が原発の問題を検討課題に挙げ協議を重ねてきた。NCCやカトリックに比べて福音派はこのテーマについて研究の積み重ねが少ないことを認めつつ、理事会では「震災から一年以上が経過した今、聖書信仰を堅持する立場からの発信の必要性をおぼえ」理事長所感を表明したもの。
 神学委員会と社会委員会は、それぞれの立場から12年度中に研究結果の発表を予定している。

 理事長所感は「一人の人間として反省すべきこと」として、「今回の原発事故が起きるまで無批判に原子力利用による大都市の文化に浸ってきた事実」を挙げた。原子力の利用についてキリスト者の間で一致した理解があるわけではないことを認めつつ、「昨年の原発事故による人と自然界全体への甚大な被害と恐ろしい影響を考えるとき、過去を深く悔い改めることなくして、これから先に進むことはできない」との考えを示した。「無反省にエネルギーを利用してきた自分自身が加害者であるという認識を持たなければ、真実な悔い改めには至らないでしょう。そして悔い改めに立たなければ将来を語ることができないと思います」
 「地を従わせよ」という創世記1章28節のいわゆる文化命令を引用し、「原発事故をはじめとして、さまざまな問題についてもキリスト教信仰者の立場から再認識しなければならず、何が正しくて何が間違っているのかを正確に検討して、…預言者としての声を上げなければならない」「黙し続けることは許されない」
との認識を示した。
 その上で、「正しく治めること」「間違った支配」について考察。「教会はこの世の傍観者であることは許されない」「福音を託された者としての責任を果たさなければならない」として、キリスト者一人ひとりがこのことについて考え、祈り、行動するよう呼びかけている。

◎日本福音同盟第27回総会:教会ネット軸に被災地支援継続−−福島、疲弊する現地教会を忘れない=120

 日本福音同盟(JEA、安藤能成理事長、品川謙一総主事)は6月406日、静岡県掛川市のヤマハリゾート・つま恋で第27回総会を開き、東日本大震災からの救援・復興を支援し、次の災害に備えることなどを中心とする2012年度事業計画を承認した。そうした中で、2016年に開催することが決まっていた第6回日本伝道会議(JCE6)の実行委員会が近く発足し、準備体制が本格化。次期伝道会議では「危機の時代の宣教協力」をテーマにした前回JCE5後に起きた震災から投げかけられた諸課題が問われることになる。
 昨年3月の大震災後、JEAは東日本大震災対策室(中台孝雄室長=援助協力委員会委員長)を立ち上げ、福音的諸教会・諸団体および地域の教会ネットワークや海外諸団体と協力しながら救援・復興活動を支援してきた。12年度は、引き続き同対策室を中心に救援・復興支援にあたるとともに、次の災害に備える取り組みを援助協力委員会を中心に諸団体と協力しながら進める。
 被災教会に対しては11年度、JEA加盟・関係の約120教会に一律見舞金支給(教会8万円、牧師5万円)や教会経常会計の落ち込みに対しての支援(7教会、総額43万円/月×7か月)を実施した。12年度は第三次支援として、教会建物の再建・修復に対する支援を200万円、100万円、20万円の三段階に分け、総額約2千万円の枠でスタート。JEA加盟以外の団体や単立教会などにも、必要に応じて支援を広げていきたい考えだ。また特に困難な状況にある福島県の教会を継続して支援し、共に歩むキリストのからだとしての連帯を表していくために、総会中「東日本大震災から考える宣教/教会協力」をテーマに実施したシンポジウムでは福島キリスト教連絡会の木田惠嗣委員長から福島県の声を聴き、共に祈る時をもった。
 救援・復興に際しては教会ネットワークの支援に注目。JEAも参加しさらに広い範囲で連携するDRCネット(東日本大震災救援キリスト者連絡会)と協力しながら、各地域で立ち上げられた超教派の教会ネットワークを支援していく。救援・復興の段階はそれぞれの地域ごとに異なり、地域のニーズに応じた支援のカギとなるのは被災地域の教会ネットワークだと見る。また各救援団体が緊急支援の働きを収束していくにあたり、支援活動継続の受け皿としてもそのようなネットワークに期待がかかる。しかし多くの場合、被災地域の教会と牧師、信徒は疲弊しているため、今後は被災地域の外から様々な支援ネットワークやチームを組んで支援を継続していくことが重要になってくると捉えている。JEAではそうした「教会から教会へ」の理念に沿った教会ネットワークの働きを支援していくため500万円の予算枠を取った。

◎マハカリミッション:廃校を復興支援センターに−−宿泊所に改装 ワークキャンプ奉仕者募集=12070

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた三陸沿岸に近い岩手県一関市大東町で、廃校になっていた元小学校校舎が中長期的な復興支援のセンターに生まれ変わる。名古屋を中心に在日フィリピン人の支援と伝道に取り組んできたNGOマハリカミッション(大岡潤代表)が、被災地での外国人支援と地域の復興を結びつけようと岩手県内に「マハリカミッションセンター」の設置を計画、廃校の再利用を願っていた地元行政の協力を得て旧内野小学校の空き校舎を借りることができた。マハリカミッションでは7月に教室をボランティアの宿泊施設など活動拠点に改装するためのワークキャンプを行う予定で、ボランティア参加者を募集している。
 一関市内には東北各地の被災地にボランティアを送り込んできたクラッシュ・ジャパン(ジョナサン・ウィルソン代表)のベースキャンプの一つがあるが、一関ベースの現在地は今年9月までの予定。瓦礫撤去や泥かきなどの震災ボランティアは激減したが、仮設住宅などの慣れない生活に困難を覚えている高齢者らへの地域助け合いや、心のケア、コミュニケーションの問題などで不安を感じている在住外国人への生活支援(医療・法律相談ほか)など、長期にわたる復興の過程でボランティアの需要は依然あると大岡代表は見る。
 「マハリカミッションセンター」は、廃校をリフォームして宿泊できるようにするほか、在日外国人の日本語教育や職業訓練などの教育支援、外国人の定住化を支援するコミュニティーセンターなどの役割も担う。将来的には、外国人の介護士を養成・誘致し、震災で手薄になっている高齢者福祉を立ち上げて地元の雇用創出との相乗効果を促すことも構想にある。すでに人手不足の高齢者福祉施設から外国人ヘルパーを期待する声も届いているという。
 ワークキャンプは7月6日~21日で、参加費は1日2,000円(食事、ボランティア保険付き)。部分参加や延長も可能。
 問い合わせは 090・1284・7939、Email:maharikamission@yahoo.co.jp