[CSD]2012年9月30日号《ヘッドライン》

[CSD]2012年9月30日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎青年の魂を救いへ——初の日本青年伝道会議
★みんなで「命の木」を作ろう——WVJがIMF総会へ

 = 2 面 ニュース=
◎尖閣問題 極端な民族主義警戒——国民教育導入で揺れる香港
◎地域社会の痛みを覚えて——東京・足立区で超教派の早天祈祷会始まる
★国際:「冒涜映像」イスラム圏で抗議激化——コーラン焼却の牧師も関与か
★エジプト:イスラム聖職者がカイロ駐米大使館前で聖書裂く
★<落ち穂>憎しみの心を変えられたとき

 = 3 面 =
★<いのちへのまなざし>[28]祈り、音楽、ユーモア 記・柏木哲夫
★若者を教会の一員に——日本青年伝道会議パネル討論会
★<オピニオン>他の宗教を持つ人々の隣り人に 記・根田祥一
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4・5 面 医療特集=
★何気ない会話から癒しが——クリスチャン・ナースら いわき市内の仮設で医療支援
★「医療が地域の扉開けた」——EMF医師ら いわき市の教会で無料診療
★宮古市赤前の仮設住民を支援——震災プロジェクトチームおおぞら会
★認知症などの高齢者に心のケアとリハビリ支援——陸前高田市、大船渡市で活動する及川忠人さん
★市民の叫び聴き続ける——いわき希望教会
★相手を思い「手当て」大切に——京都・中川医院

 = 6 面 神学/歴史 =
★東日本大震災 国際神学シンポジウム[2]——同情する苦しみ、また不正義との対決としての十字架?
★<竜馬をめぐる人々>[83]坂本直寛の章:42——政界から点示伝道者の道へ 記・守部喜雅

 = 7 面 伝道・牧会を考える =
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>[24]同盟基督・那須高原教会?——神の前でも人の前でもオープン
★<神の宣教>神のことばを神の世界へ[1]——宣教の聖書的根拠から聖書の宣教的な意味へ クリストファー・ライト講演抄録

 = 8 面 レビュー =
★Movie:「思秋期」 http://tyrannosaur-shisyuuki.com/ (10月20日より新宿武蔵野館ほか公開)
★Book:『今、ここに生きる預言書』高橋秀典著(いのちのことば社、2,100円税込) 評・鎌野直人
★Book:『主にあって共に生きる若者たち 東京ティラナスホール物語』今村博子著(雑賀編集工房、1,000円税込) 評・山崎龍一
★Book:『私の説教心得12ヵ条』村上宣道著(日本ホーリネス教団、735円税込)
★Book:『こひつじたちのあいうえお』文・山下智子、絵・池谷陽子(日本キリスト教団出版局、1,680円税込)
★アプリ:「アンドロイド版 新改訳聖書」いのちのことば社(Playストア、2,700円税込)
★CD:「ありがとう」森 祐理(ライフ・クリエイション、2,310円税込)
★CD:「未来を信じて」サーバンツ(サーバンツミュージックミニストリー、1,200円税込)


◎青年の魂を救いへ−−初の日本青年伝道会議=1209300101

 日本福音同盟(JEA)が活動の柱とする日本伝道会議から生まれた、初の日本青年伝道会議(JEA青年委員会主催、三橋与志哉委員長)が9月17019日に開かれ、多様な青年宣教の取り組みが共有された。会議中繰り返し語られたことは、一人ひとりの青年の魂が救われることの尊さだった。

 会場は東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで、テーマは「Reach the Young! ~分かち合おう、青年宣教のVision~」。講師を含め全体で700人以上が参加し、現代的な形式の賛美やゲストによる演奏を交えて集会が開かれた。
 聖書講演では郷家一二三氏(日本ホーリネス教団委員長、坂戸キリスト教会牧師)が「聖書から見る青年宣教」と題し、初日は詩篇130篇1~8節、ローマ7章24、25節を引用して、青年期に直面する孤独、不安、挫折、死、みじめさを取り上げた。福音書で主イエスが青年たちに近寄ったことを述べ、「青年の心の叫びを聞き、一人ひとりに近づき救うために来られた主イエスを伝えていきたい」と勧めた。2日目は使徒8章26~40節を引用して、「青年だから青年に伝道できるのではなく、聖霊に導かれて伝道ができる」と強調し、「青年伝道は聖霊なる神の先行的な働きを発見する喜びの旅」と語った。
 夜には青年大会が開かれた。初日は小澤由紀恵氏(元高校生聖書伝道協会[hi-b.a.]スタッフ)が、ルカ19章1~10節を引用し、「自分が痛まない決断しかしていないのでは」「教会、学校、職場で本当にイエス様に会っているか、会うことを後回しにしているか」と問いかけ、「失われた人を救うためにイエスは来た。同じ心で一人の青年のために泣ける人になりたい」と献身を勧めた。
 2日目は米内宏明氏(日本バプテスト教会連合理事長、国分寺バプテスト教会牧師、JCFN理事長)が「クリスチャンとは祝福する人」と語り、「祝福とは他者を自分の側に引き込んで同化させることではなく、イエスが私たちの所に来たように、私たちが他者に出て行くことでもある」と説明した。さらに当事者になる必要を説き、「聖書に聴くとともに、この世界に聴き、何が必要であるかを知り、日本と世界を祝福したい」と勧めた。
 最終日は山口陽一氏(東京基督教大学大学院研究科委員長)が「歴史から見る日本の青年宣教」と題して明治初期の宣教と日本社会で活躍した若いクリスチャン群像を紹介し、「明治の教会は若者の教会だった」と解説。高齢化、少子化、若者の教会離れなど今日の教会の課題を語り、「教会は内向きではなく、グローバル化時代のIT世代を意識的に迎えるべき」、
「明治のリーダーシップはカリスマに拠ることが多かったが、今日では広く協働できるリーダーシップが求められる」と話して教派、伝道団体との協力を勧めた。
 午後の「派遣のとき」では、「若者と生きる教会を目指して—失敗につきあう大人たち—」と題して大嶋重徳氏(キリスト者学生会[KGK]主事)が語った。?テモテ4章1205章2節を引用して、「イベント、方法、スキルで青年宣教がうまくいくのではなく、それらを用いることができる本物の大人が青年を迎えることができて意味を持つ」と言い、「王道はない。今ゆだねられている若者たちを覚え、みことばにとどまり、時間をかけ、彼らの葛藤のそばに行くこと」を励ました。
 ほかに年代や分野によるフォーラム、青年の課題や具体的な青年伝道についての分科会が50以上設けられた。また全体では青年への取り組みが盛んな教会、地域における賛美のムーブメントを紹介する「プロジェクト」があった。
 

◎尖閣問題 極端な民族主義警戒−−“国民教育”導入で揺れる香港=1209300201

 香港で9月から学校教育に段階的に導入されるとされた「徳育及国民教育科」に対して議論や反対デモが沸き立った。キリスト教界でも危機感や容認論に揺れる。
 問題となったのは教師用の指導参考書で、中国共産党の一党独裁を擁護し、多くの犠牲者を出した文化大革命や天安門事件などの記述を欠く。
 中華基督教會香港區會教育事工部は管轄する小中学校で国民教育科の導入を推進する声明を9月3日に出したが、信徒グループが同声明の撤回を求める運動を起こし、交流サイト、フェイスブックで反対者を募った。4日には青少年教育に関わる牧師や信徒らが国民教育科への反対声明を出しインターネット上で署名を集めた。ほかにも各種団体が反対声明を出した。
 それぞれの反対声明では国民教育科は歴史観の歪曲と、子どもの批判力や自由な創造力を損なう洗脳教育であること、国を愛するとともに世界を愛すべきといった意見が出されている。
 市民による激しい反対運動を受けて8日に香港政府は事実上の導入延期を発表、9日に香港の議会である立法会の選挙で反政府の立場の民主派が一定数の議席を確保したが、11日に香港中文大学の学生ら8千人が国民教育科の完全撤廃を求め授業をボイコットするなど不満は続く。反対運動と政府による導入撤回を受け、10日に中華基督教會香港區會は国民教育科の導入を撤回した。
 香港のキリスト教メディア「時代論壇」は「教材は認めないが、国民教育は必要」「キリスト教信仰による愛国心教育は、愛の対象を国家に限定せず、独立した人格を養い、国家政府が正しい方向に向かうよう人物を育てるべき」などキリスト者の意見を掲載した。
 また社評では、国民感情が政治に利用されうると危惧し、8月に香港の活動家が上陸した尖閣諸島(釣魚台列嶼)の領土問題にも触れ、聖書から「神の公義と憐れみは個別の民族に限定されない」と極端な民族主義を警戒した。
 現地のクリスチャンによると、多くの香港の教会は教会に政治を持ち込まない立場だが、親たちはこの問題を心配しているという。

◎地域社会の痛みを覚えて−−東京・足立区で超教派の早天祈祷会始まる=1209300202

 東京23区内でも犯罪率、離婚率の高さなど、課題を持つ足立区で超教派の早天祈祷会「足立区連合早天祈祷会」が始まった。初回の9月7日、同区の単立・神の家族主イエス・キリスト教会を会場に区内5教会ほどから牧師、信徒ら約30人が集まった。
毎月第1週金曜日午前6時から賛美、説教、グループごとの祈りをする。祈祷会後、参加者は教会内にある「カフェ・マナ」で朝食をともにする。この祈祷会の背景には普段から営まれる超教派の交わりがあった。
 同区内にある12の教会の牧師らで2か月に1回会合を開く。「同労者だから分かり合える。教団では決められたことを話しがちだが、牧師会はフリートークで本音をさらけ出せる良さがあります」と書記の田島実牧師(神の家族主イエス・キリスト教会)は言う。教会が陥りやすい問題、異端の情報なども共有する。
牧師会は16年前に同区に赴任した金小益牧師(長老教会・千住キリスト教会)と遠藤潔牧師(当時、同・希望キリスト教会)の呼びかけで始まった。金牧師の前任地、東京都青梅市では超教派の早天祈祷会があった。このことが今年7月に足立区の牧師会で話題になり、合同で早天祈祷会を実施することが提案された。早天祈祷会が盛んな韓国出身の牧師、信徒たちの存在も大きかった。
 ほかにも交流・伝道の機会として同区では9年前から連合イースターフェスティバルを開く。「ゲストを呼び、チラシや会場の準備をすると数十万円かかり、1つの教会で運営するには厳しい。しかし、このように様々な教会と協力してできることがある」と田島牧師。
 また区内の中高生の励ましとして、KKI(Kingdom Kids International)が若者伝道の団体ユース・ウィズ・ア・ミッションのスタッフらにより開かれた。月1回日曜日にゲーム、スキット、賛美などで交流をし、各教会のスタッフや中高生が互いに励まされている。クリスチャンではない中高生も入りやすく、教会につながることもある。
 区の課題のためにもこの祈祷会は意義がある。田島牧師は「23区の中で低所得者が多く、犯罪率・女性の喫煙率が高く、自殺者やネグレクトも多い、学力や高校進学率が低いなど課題があり、霊的な渇きがある。だからこそ、祈りと福音宣教が必要です」と分析する。
 連合早天祈祷会に参加した神の家族主イエス・キリスト教会の女性信徒は、「教会の早天祈祷では数人だが、今回はたくさんの人と祈れた。教会付近は寺社が多い。地域の人々の心の壁が取り除かれるように祈ってもらいました」。単立・綾瀬東部教会信徒の学生は「普段からKKIの交わりで知り合っていて馴染みがあった。教会の早天祈祷会と賛美の雰囲気などが違って新鮮でした」と話す。