[CSD]2013年4月21日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年4月21日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎韓国NCC 北朝鮮緊迫で祈りの連帯要請——軍事力によらぬ主の平和を
◎「大震災で全壊…祈り・協力と出会いで奇跡の再建」——泉聖書バプテスト教会 喜びの献堂式

 = 2 面 ニュース=
◎同盟基督:第64回総会 10年越し機構改革、信仰告白新たに——全教会議員制から代議制総会へ
★玉川聖学院:魅力ある中高科目指し——教会と協力し共に学ぶ
★元牧師の暴行・暴言「被害防止できず反省」——仙台ラブリ教会役員会が謝罪声明
★米国:フラー神学校新学長もカトリックとの関係強化を継続
★<落ち穂>沖縄と日本国憲法

 = 3 面 =
★博学多彩な足跡たどる「レオナルド・ダ・ヴィンチ展——天才の肖像」(4月23日~6月30日:東京都美術館で)
★国際:テンプルトン賞に南アのデズモンド・ツツ大主教
★アルゼンチン:英国とのフォークランド諸島問題の仲裁をフランシスコ教皇に要請
★JCGIが山形事務所を埼玉県所沢に統合
★<オピニオン>3年目の被災地の「祈り」 記・川上直哉
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4・5 面 建築特集/環境・自然・防災=
★耐震性高い大規模木造で——保守バプ・泉聖書バプテスト教会
★環境配慮で全人的に関わる——アライアンス・名古屋キリスト教会
★素材のこだわり地域で証し——単立・神木イエス・キリスト教会
★事故前から反原発で太陽光発電——バプ連盟・嬉野キリスト教会

 = 6 面 仕事と信仰 =
★山口 実さん(日本フォーム印刷工業連合会専務理事)[下]——残りの人生、対価求めず与えたい
★<首都圏大震災に備える>[8]浜岡原発に事故起きれば首都東京が汚染被災地に

 = 7 面 伝道・牧会を考える =
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>?[45]聖契・インターナショナル・バイブル・フェローシップ?——牧師依存の教会形成はしない
★<新連載>憲法が変わるってホント? どうなる、私たちの生活・信仰[2]「信教の自由は」守れるか——学校が子らに神社参拝させる論法 記・朝岡 勝

 = 8 面 ひと・証し =
★安藤理恵子さん(玉川聖学院学院長に就任)「恐ろしい…」でも信仰をもって


◎韓国NCC 北朝鮮緊迫で祈りの連帯要請−−軍事力によらぬ主の平和を=1304210101

 北朝鮮が韓国との休戦協定の破棄を宣言、4月10日以降にミサイル発射の可能性があると言われる中、韓国キリスト教教会協議会(NCCK、金ヨンジュ総務)は10日、世界のキリスト者に朝鮮半島の平和的な和解と再統一のための祈りに連帯を求める呼びかけを発信。4月5日、切迫した危機について討議し平和を求める緊急祈祷会を開いたことを明らかにし、「朝鮮半島の平和を求める緊急嘆願」を発表した。
 南北協働による開城工業団地の休止は危機のもう一つのサインだと緊急嘆願は指摘。米韓合同軍事演習は状況をさらに悪化させ、南北の軍事的対決の危険が急速に次の段階に近づかせると懸念を示した。また、北朝鮮の3回目の核実験、国連の厳しい北朝鮮制裁、大規模な米韓合同軍事演習での米国のハイテク兵器使用などが朝鮮半島の危機をエスカレートさせたと指摘。こうした環境の中で、無責任で不安をあおるような南北当局者たちの攻撃的な主張が、両国民を恐れに駆り立てていると批判している。
 NCCKは長年、民族和解と平和統一を切望し、こうした壊滅的な状況に反対してきたとして、大きな懸念を表明。正義に努める全韓国教会と平和構築に努める全キリスト者に、この時、この問題に対し、確かな責任ある態度を保持するよう呼びかけた。そして次の5項目の祈りの嘆願において、朝鮮半島の平和に対する韓国キリスト者の真剣な祈りを表明し、その祈りへの参加を要請した。
 ?開城工業団地の正常化のために。特異な状況の中で、開城工業団地は南北の経済協力、平和維持、繁栄促進の心臓部。平和のために開城工業団地を築い南北両政府首脳は、これを損なうような取り組みをやめるべきである。南北政府関係者は互いを軽蔑し警告や敵対的な脅迫をすることを抑制する必要がある。
 ?米韓合同軍事演習の終結のために。1976年以来、米韓合同軍事演習は朝鮮半島の軍事的な対立を悪化させ、最新兵器で互いを脅かしてきた。朝鮮半島での大規模な米韓合同軍事演習は軍事衝突の模擬実験をすることになる。「通常年次軍事演習」というラベルとは対照的に、現在の演習は核兵器持ち込みの可能性のある最新鋭爆撃機を公然と見せるものである。
北朝鮮の軍事的脅威だけでなく、これは我が国民にとって過度の戦争宣言であり、危機をさらに助長する。このような軍事演習は朝鮮半島の平和を脅かし南北対立をさらに激しくするゆえに中止しなければならない。
 ?南北の対話がただちに前進するように。南北当局者の過度の敵対的な言葉や攻撃的な誇張、脅すような対応は、軍事衝突が簡単に起こる危険をもたらす。両当局者は、南北基本合意の精神に従い、互いを尊重して向き合い、朝鮮半島の平和促進のために責任ある態度をとり、速やかに対話を始める必要がある。金日成と文益煥(牧師)、ジミー・カーターとの対話を通し、過去に戦争の瀬戸際で困難な状況が変わった経験を思い起こさなければならない。特使を送るなど平和のための対話が強く求められている。
 ?軍事対決の根源の解決のために。現実の危機は過去5年間の前政権で南北関係が決裂してきたことの結果である。朴槿惠大統領は平和と和解の政策を進めるべきだ。朝鮮半島の平和と米朝敵対関係の解決は、軍事力競争に代えて軽水炉などの供給により確実になるだろう。NCCKはそれが北朝鮮の核問題を完全に解決するだろうと信じる。それゆえ、近く行われる米韓首脳会談で、朴槿惠大統領はこの問題に関する解決策を示し、軍事的敵対の根を断ち、平和への道を開かなければならない。
 ?この事態に対し、全キリスト者の新たな決意と祈りを求める。韓国のキリスト者は分断された韓国・朝鮮関係の再開促進と平和実現のために影響を与えてきた。今一度、朝鮮半島に主の平和が近づくようにとの信仰と祈りに加わるよう真摯に要請する。今こそ軍事力による偽の平和を克服し、主の正義に満ちた真の平和をもたらす時である。
 金総幹事は箴言21・1を引用し、「指導者たちの心は主の手の中にあることは大きな慰めだ」と述べている。

◎「大震災で全壊…祈り・協力と出会いで奇跡の再建」−−泉聖書バプテスト教会 喜びの献堂式=13042

東日本大震災で大規模半壊(礼拝堂部分は全壊)と認定され、取り壊された泉聖書バプテスト教会(中野正義牧師)が再建され3月20日、新会堂の献堂式が仙台市泉区将監の同教会で挙行された。同じ保守バプテスト同盟の各教会や、東北各地で震災後の復興支援活動を共にしてきた諸教会から200人近くがお祝いに駆けつけ、会場は喜びに包まれた。
内陸部にある同教会は2011年3月11日の震災からしばらくして、市の調査により大規模半壊・全壊であることが分かった。そこで礼拝を続けるわけにはいかず、取り壊さざるを得なかった。しかし、手持ちの資金を調べると60万円しかなかった。「教会員も祈りました。献げました。けれども、それでは全く足りないのが実情でした」と、中野牧師は献堂式の経過報告で、当初は途方に暮れた様子を明かした。
しかし、「本当に困ったときに信仰を同じくする方々が祈ってくださり、献げてくださり、今日を迎えることができました。中には外国からも励ましの声や献げものをいただき、本当にありがたいなあと思いました」。
エペソ人への手紙3章20、21節を引き、「『私たちのうちに働く力によって、私たちの願うところ、思うところのすべてを越えて豊かに施すことのできる方…』というこの聖書の言葉を実感しています。まさに私たちの思いをはるかに越えて多くの人たちを動かしてくださって、ここに至っています。この会堂は皆様にとっても自分の会堂なんだと思っていただいていると思います。普通は自分たちが計画や予算を立て、資金を集めて建てたものを神様にお献げするのが献堂式ですが、この会堂は初めから神様が建ててくださった神様のものだと感じる。教会は一つという教理は本当なんだと実感しています」と感謝を表した。

◎同盟基督:第64回総会 10年越し機構改革、信仰告白新たに−−全教会議員制から代議制総会へ=130

 日本同盟基督教団(安藤能成理事長)は3月19~21日、静岡県掛川市で開催した第64回総会で、長年の懸案だった機構改革を実現する教憲・教規の改正を決議、信仰告白も改訂した。旧教憲の第2条に置かれていた信仰告白は第1条となった。
 信仰告白はこれまで7項目だったが、神論を三位一体の神の性質と神の業に分けて8項目に。「我らは、聖書において啓示され、使徒信条をはじめとする公同の信条が言い表し、宗教改革において鮮明にされた信仰に基づいて、次のように信じ、告白する」と前文を付し、公同の信仰と宗教改革的な神学の解釈学的枠組みを明らかにした。
 三位一体論の構造を明確にし、人間論を「神のかたち」論によって展開。
キリスト論をより厳密に論じる。教会論において「羊飼いなる主の御声にのみ従う」告白の姿勢を鮮明にした。信仰を告白するという告白行為の動的な機能を持たせることで、礼拝などでの使用を奨励し、教団諸教会の信仰による一致の共通基盤を提供する趣旨という。
 同教団の総会は従来、全教会の信徒と牧師の議員が集まっていたが、教規の変更により、来年から宣教区選出による代議制総会に移行する。また教師職制も変更し、教会種別の明確化を図った。
 こうした機構改革は、教会数の増加に伴い、また多岐にわたる教団の宣教の働きをより良くするために必要な変更と位置付けている。安藤能成理事長は、同教団機関紙「世の光」4月号で、改革の目的について「同盟教団の3本柱『聖書信仰、宣教協力、合議制』に基づいて、求められている使命を果たし得るキリストのからだとして、スリムにできるところはスリムにし、必要な部分に力を注ぐための改革」と説明し、「戦後の教団の歩みの中でも特に画期的な総会でした」と評価している。この改革のために各専門委員会が10年以上の歳月をかけて検討を重ねてきたという。
 安藤理事長は、「代議制総会を実りあるものにするために必要なことは各宣教区の会議を今まで以上に充実したものにすること」と、全教団が主への忠実さをもって総会で決議されたことについて応えるよう呼びかけた。