[CSD]2013年11月10日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年11月10日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎11月10日は国際祈祷日——迫害下の教会に祈りを 北朝鮮、過激化するイスラム圏など
★マーチ・フォー・ジーザス 表参道でイエスの行進——雨にも負けず 台風にも負けず
◎マレーシア:高裁がキリスト者の「アラー」使用禁止の判決——マレー語聖書の「神」の記述にも影響か

 = 2 面 ニュース=
◎原子力事故 メーカーの責任も問う——原告1万人目指し訴訟団を公募
★キリスト教功労者に大島良雄、齋藤正彦、前田ケイら3氏を顕彰——
★新渡戸稲造没後80年の記念展——ユーモアと悲しみを魂の核に歩んだ生涯
★WCC:プサン総会への北朝鮮経由ピース列車企画は実現せず——
★<落ち穂>現代中国の宗教事情

 = 3 面 =
★<フクシマの声を聴く>[25]母たちからの声——制度の谷間の自主避難者 記・中尾祐子
★故今野 東氏(元参議院議員、東方落語家)を偲ぶ会——難民支援、戦後補償に尽くした情熱
★<オピニオン>日本軍慰安婦問題の新たな局面 記・渡部敬直
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4 面 全面広告=
☆第54回 バックストン聖会 11月22日(金)~24日(日)
会場:日本基督教団 渋谷教会 Tel.03-3407-7018

 = 5 面 神学=
★「ハイデルベルク信仰問答」刊行450周年——東京で2つの記念講演会
★「福音主義とは何か」さらに追及——福音主義神学会東部部会秋期研究会(11月18日)

 = 6 面 仕事と信仰=
★波戸場正紀さん(J.C.サービス代表 便利屋)[下]——「本音で語れる場を持ちたい…」
★<首都圏大震災に備える教会ネットワークづくり>[5]結び合わされた教会から現れる豊かな愛

 = 7 面 伝道・牧会を考える=
★新連載<見上げる空>[2]悲しみに寄り添う——線香一本でもあげて行け 記・米内宏明
★<迫られる宣教と教会の再構築>[4]信仰の内面化で国家主義と共存はかる 記・石田 学

 = 8 面 インサイド・ニュース=
★樋口一葉が翻訳した讃美歌——親友に頼まれ訳詞をポエムに
★「樋口一葉・恋の和歌」CDに 阿佐ヶ谷教会で記念コンサート——ソプラノと朗読・山口佳子(センドー・オペラ・ミュージック・カンパニー、2,500円)


◎11月10日は国際祈祷日−−迫害下の教会に祈りを 北朝鮮、過激化するイスラム圏など=1311100

 日本福音同盟(JEA=安藤能成理事長、品川謙一総主事)は「迫害下にある教会のための国際祈祷日」の祈祷課題をウェブサイトに掲示、傘下の教団・教派・教会・団体に祈りを呼びかけた。
 この「国際祈祷日」は、毎年11月第2日曜日に全世界の教会が迫害下にある教会のために祈るよう、世界福音同盟(WEA)が呼びかけているもの。2013年は11月10日にあたる。祈祷課題は長年、信教の自由が制限された国々の情報を収集している団体オープンドアーズのウェブサイト「ワールドウォッチ」が発表した2013年の迫害国上位50のリストに基づく。迫害が激しいトップは今年も北朝鮮で、上位10か国には、以下サウジアラビア、アフガニスタン、イラク、ソマリア、モルディブ、マリ、イラン、イエメン、エリトリアと軒並みイスラム諸国が並ぶ。主な祈祷課題は次のとおり。
 ?北朝鮮…11年連続で迫害が最も厳しい国。クリスチャンは投獄・公開処刑の危険がある。キム・ジョンウン政権下で本当の政治的変革が起こされるように。脱北者ネットワークの働きが守られるように。
 ?サウジアラビア…信教の自由がないイスラム国家。イスラム教からの改宗者は死刑。迫害の中でもラジオ、テレビを通して福音を信じる人々が起こされている。主の愛が人々に届いていくように。
 ?アフガニスタン…タリバンの影響力は回復しつつあり、クリスチャンへの迫害が強まっている。2013014年に国際舞台の撤退が予定される中、平和と安定が守られるように。
 ?イラク…多くのクリスチャンは国外に脱出し、国内では殺害・誘拐の危険で潜伏している。彼らが守られ、弱くなった教会にリーダーがたてられるように。
 ?ソマリア…政情不安定な中イスラム過激派が伸び、クリスチャンが迫害されている。ラジオ放送などでクリスチャンたちが支えられ、人々に福音が届くように。
 ?モルディブ…世界でただ一つ全市民にイスラム教信仰が義務づけられている国。隠れて信仰をもっている少数のクリスチャンたちが守られ、成長できるように。国外で学ぶ若者たちを通して福音が届いていくように。
 ?マリ…2012年春の軍事クーデターによって北部がイスラム過激派に支配されクリスチャンは激しい迫害にあっている。内戦の終結のために。
 日本語で祈祷課題の要点をまとめた情報は、JEAのウェブサイトからダウンロードできる。http://jeanet.org/
 上位50か国の詳しい状況および祈祷課題(英文)は、ワールドウォッチで。http://www.worldwatchlist.us/

◎マレーシア:高裁がキリスト者の「アラー」使用禁止の判決−−マレー語聖書の「神」の記述にも影響か=1

【CJC=東京】マレーシア高裁は10月14日、4年前に出されていた下級審の判示を覆し、「アラー」という語をキリスト者が使用することを禁止した。キリスト者が「アラー」を使用する時はイスラム教徒をキリスト教に改宗させるのが目的だとして、禁止をイスラム教側が求めていた。
 高裁の3判事は、「アラー」をキリスト者が使用することが「社会に混乱をもたらすのは必至で、平和とマレーシアの多くの宗教の間の調和を乱す」としている。また禁止は少数派宗教の権利を侵害せず、「アラーはキリスト教信仰やその実践に重要な部分ではない」と言う。(編集部注=マレー語で「アラー」は一般に「神」を意味する。聖書記述も神は「アラー」。)

◎原子力事故 メーカーの責任も問う−−原告1万人目指し訴訟団を公募=1311100201

 「なぜ原子力事故の責任をその原子力事業者のみに負わせ、原発メーカーは責任を問われないのか?」…そんな問題意識から8月、原発メーカーの責任を問うための訴訟を起こすことを目的に結成された「『原発メーカー訴訟』の会」(会長/渡辺信夫、弁護団長/島昭宏)。同会は原告参加を国内外に呼びかけ、事故を起こした福島第一原発104号機の原子炉メーカーであるGE、東芝、日立を相手にこの冬、東京地方裁判所に提訴する準備を進めている。弁護団の弁護士は21人。それに先立ち、シンポジウム「原発輸出を考える」(同会主催)が10月19日、東京・新宿区信濃町の日基教団・信濃町教会で開かれた。
 同会を立ち上げ、訴訟を起こすきっかけは、モンゴル、台湾、韓国、北米、ドイツ、その他諸国の反原発市民有志と連帯する国際ネットワーク「No Nukes Asia Actions(NNAA)」結成の記者会見で、同事務局長の崔勝久氏が島弁護士から日本の「原子力損害賠償法(通称:原賠法)」に関する講演を聞いたことから。
 その問題点は、原子力事故の責任をその原子力事業者(電力会社)に負わせ、原発メーカーは原子力損害を賠償する責任を負わない(4条1項)、製造物責任法なども適用されない(4条3項)と規定されていること。
 訴訟では、この原賠法が違憲・無効であることを最高裁で勝ち取ると共に、原発メーカーを免責する法律の無効を主張する訴訟運動を世界に広め、原発のない世界を実現することだ。
 シンポジウムでは、会長の渡辺信夫氏(日本キリスト教会牧師)が「原発輸出問題と私─歴史的観点からの考察」と題して基調講演。渡辺氏は「原子力の平和利用を考え原発を造ることは、人間の思想史から見てもとんでもないこと。キリスト教では人間は葦のような弱い者として人間を捉えてきたが、今、原発を造り出し、輸出し、原発で大儲けしようとしている人たちに、人間は葦だという考えは見えない。自分自身を見るだけでなく、隣人にもそういう気持ちで思いやる人になっていく。そんな運動を訴訟の中でやっていかなければならない」と語った。
 講演で島弁護団長は、「原賠法は『原子力事業の健全な発達』と名記された目的の下に損害賠償の方法が決められ、メーカーは責任を負わなくていいという。本来、責任を負うべきものが免責と決められていることは、本当に稀なケース。相当強い意思が反映された法律だ」と指摘。「法律が明らかに不合理で正義が存在しない場合、やはり憲法を拠り所とするのが基本だ。メーカーの免責は日本国憲法14条、29条、32条に反すると主張できる。さらに、我々は13条、25条から導かれる『原子力の恐怖から免れて生きる権利』の侵害を主張していく予定だ」と語った。
 その後、渡辺、島、満田夏花(国際環境NGO「FoE Japan」理事)、崔勝久(NNAA事務局長)の各氏らによるパネルディスカッションがあり、参加者と質疑応答した。

    ◇
 同会では提訴に向け、1万人を目標に原告を募っている。原告には福島第一原発事故による精神的ショックを受けた人なら誰でも参加できる。海外からも歓迎。費用は年間2千円。サポーター希望者は年間一口千円。申し込みはShttp://ermite.just-size.net/makersosho/から。