2000年10月15日号《ヘッドライン》

2000年10月15日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎来年2月東京で「全国青年宣教大会」開催へ——若手牧師らがビジョン
★アジア福音同盟が世界宣教会儀開催へ——「教会基盤の宣教」強化
★雪解けムード北朝鮮で処刑——南北首脳会談前後にも信徒7人が?
★<いやしの時代>[24]ハンディもつ子と家族を支える新聞を発行する 馬場善鶴・菜穂子さん夫妻(上)
★中国公認カトリックがバチカンの「内政干渉」を非難
★<落穂抄>文書伝道へ始めの愛
 = 2 面 =
◎<灯火を次代へ>[7]敵対する世界の中での忠実——サミー・ダファー
★正しく裁かなければ回心できない——「女性国際戦犯法廷」へ向けキリスト者全国集会
★北朝鮮・拉致問題:年内解決願い東京で拡大祈祷会(10月26日)
★未伝人口は半世紀前と同じ——G・バウアー氏世界宣教へ挑戦
★エキュメニカル運動の暖房機——徳善氏、朝祷会を評価
★<世界の出来事フラッシュ>インドネシア、米国
★<論説>「教会」と「宣教」の統合
 = 3 面 =
★19世紀英国社会の安定はメソジズムによるものか?——ウェスレー研究に一石投じる研究発表
★ドレッシャー氏初来日:家族が成功しないなら、教会も成功しない
★第19回クリスチャン写真大賞作品募集(11月30日締め切り)
 = 4 面 全面広告=
☆新改訳聖書の日(12月10日・アドベント第2聖日)日本聖書刊行会
☆東京大聖書展(11月2日~19日、会場:東京オペラシティ特設会場)
 = 5 面 芸術特集=
★芸術とは創造世界の断片を写し取ること——写真家・広路和夫さん
★自分の殻破る個展にチャレンジ——画家・長尾祥隆さん
★1700種の友禅紙から手作り聖句しおり——ドルカス工房
★聖画に親しむ本:「最後の審判」高久眞一著(日本基督教団出版局)
★聖画に親しむ本:「アッシジの聖堂画よ、よみがえれ」石鍋真澄著(小学館)
 = 6面 信仰と生活のページ=
★<伝道牧会とリーガルマインド>[6]「公園伝道」にクレーム 記・櫻井圀郎
★<企業社会の生き方ガイド>[6]倫理的な会社はもうからない? 記・梅津光弘
★<英語ことわざメモ>[6]「身から出た錆び」
★<投稿>「武士道」が教会に与えた影響
★<投稿>「訪問伝道」で出会いの経験
★<投稿>「テキストの学び」はつまらない?
★<今月の試写室>「ことの終わり」 記・高梨 大
★<CDの時間>「SPIRIT OF THE GOSPEL」ブライト・ライツ・ゴスペル・クワイヤ
 = 7面 =
★2000年に地域で結束——奈良・多摩・岡山で超教派での伝道拡がる
★ジョニー・エレクソンさん、星野富広さんを訪問
◎家族で宣教チーム——宣教師子女に焦点当てた集い「ふぁっつMK」
★働くことの意味考える——KGK関西で就職説明会
★ロシアのプーチン大統領は神を信じているか
 = 8 面 =
★<聖書66巻>ゼカリア書 聖霊により頼み従って生きる 記・森 文彦
★<書評>「科学と宗教 一つの世界」J・ポーキングホーン著
★<新刊書紹介>「古代教会の牧会者たち?——西方教会」C・メラー編
★<新刊書紹介>「苦難はチャンス」チョー・ヨンギ牧師著
★<情報クリップ>催し情報ほか      
 

来年2月東京で「全国青年宣教大会」開催へ−−若手牧師らがビジョン

教会の青年クリスチャンたちを励まし、ビジョンをもって主に仕えていくことができるようチャレンジを与える青年宣教大会を東京で開きたい、と願いを起こされた若手牧師らが教派を超えて集まり、来年2月に「全国青年宣教大会東京大会」を開催する準備がこのほど始動した。
関西圏の若手牧師らのビジョンから今年3月には大阪で「全国青年宣教大会」が開催されたが、この10月28日には名古屋でも中部地方の約10教会の若手牧師らが同名の大会を計画。
東北、北海道でも行いたいとの声があり、各地で青年に宣教のチャレンジが展開される。
昨年まで20年間、ミッション2001(岸義紘代表)の主催による「青年宣教大会」が静岡県下で毎年開催され、1000人規模の青年信徒たちが幅広い教派的背景から参加してきた。
20年という長期にわたってクリスチャン青年に宣教のビジョンを与える使命を果たし続け、中心的に担ってきた教職者らの年代の上昇に伴って区切りをつけた経緯がある。
しかしその後、青年に宣教の夢を与えることは重要と考える若手牧師らの間から次々、従来の青年宣教大会に代わる企画が必要だとの声が出てきた。 若手牧師らがビジョン 東京では新生キリスト教会連合・町田クリスチャンセンター牧師の杉本智俊氏(42)らが発起人となり、首都圏の四十五歳以下の牧師に呼びかけて10月4日、千代田区・お茶の水クリスチャンセンターで準備会を開いた。
バプテスト系、ホーリネス系、長老系、カベナント系、ペンテコステ系、穏健カリスマ系などの幅広い諸教会から23人の若手牧師(一部信徒含む)が集まった。
杉本氏は「何年も前から日本の教会の中で、若い人たちがもっと元気になる活動が必要だなと話をしていた。
どこの神学校も、若いうちに献身し一生涯を主にささげる人が少ない。
教会を見ても若い人がいないわけではないが、イエス様のために喜んで主に仕えていく姿勢が少ないように思う。
若者たちに夢を見せ、現実化させていく集会が必要だ」と趣旨を説明。
目的として?日本のクリスチャン青年たちに、主に仕えて生きていくことの素晴らしさを具体的にチャレンジする、?同じ聖書信仰に立つ諸教会が超教派で協力し、21世紀の教会建設に備える、を2本柱とし、来年2月12日(振替休日)を中心に都内で聖会とワークショップなどを主体とした青年のための宣教大会を開く基本方針を固めた。
賛同者らを中心に実行委員会の形成に入り、実行委員長に杉本氏を決めた。
その他の委員は一部交渉中。
相談役は関西での「全国青年宣教大会」の中心となった藤林イザヤ氏(京都中央チャペル牧師)。
聖会の講師は、若手のメッセンジャーとして定評のある佐藤彰氏(43)=福島第一聖書バプテスト教会牧師=、万代栄嗣氏(40)=松山福音センター牧師=の2人が内諾している。
会場の候補には新宿区のウエスレアン・ホーリネス淀橋教会が挙がっている。
一方、名古屋では10月28日、東区葵の布池文化センター・セシリアホールで、「青年ステップアップ集会」と銘打ち、大阪に次ぐ2回目の全国青年宣教大会が開かれる。
宣教に対する意欲を前進させ、来年以後の大会継続へ向けての「ステップアップ」の意味も込めたという。
午後1時30分からコンサート、3時からパネルディスカッション、4時20分から聖会で、講師は万代栄嗣氏。
入場無料(席上献金あり)で、参加者の年齢は問わない。
事務局はTel.052・721・7831、クリスチャンライフ内。
関西では来年3月19、20の両日、大阪で再び全国青年宣教大会を開く。

<灯火を次代へ>[7]敵対する世界の中での忠実−−サミー・ダファー

私たちが主と共に歩もうとするとき、敵意に直面する。
イエスが迫害にあったように私たちもあうのだ。
「わたしがこれらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を持つためです。
あなたがたは、世にあっては患難があります。
しかし、勇敢でありなさい。
わたしはすでに世に勝ったのである」(ヨハネ16:33)と主は言われた。
「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい」(マタイ16:24)とも言われている。
十字架から離れたキリストを語ってはならない。
世が私たちを憎むのは、私たちが世のものではないからだ。
今日、教会は説教を短くし、エンターテイメントで人々を引きつけようとする。
だが私たちはエンターテイメントの仕事をしているのではない。
人々の魂を地獄から引き出す仕事をしているのだ。
私たちはこの世にあっては旅人だと聖書は言う。
死に至るまで忠実であるように求められているのだ。 伝道者の高潔な歩み この敵意に満ちた世界において、伝道する者の正しい歩みが尊敬を獲得する。
「支配者を恐ろしいと思うのは、良い行ないをするときではなく、悪を行うときです」(ローマ13:3)アラブ世界では、クリスチャンの国々すなわち西洋によって迫害され、殺され、苦しめられてきたと信じられている。
私たちレバノンのクリスチャンは監視されてきた。
愛を示す以外に方法はなかった。
だが、そうしたところ、文書を配ることが許可され、やがて国営テレビで映画「ジーザス」を放映することができるようにまでなり、2000万人がそれを視聴した。
生活が伝道なのである。
私たちは世に対する大きな責任がある。
「世の光」と言われている。
暗やみに人々が倒れているということは、私たちの生き方がこの世で輝いていないからだ。
テモテへの手紙には「すべての人のために…祈り、とりなし、感謝がささげられるようにしなさい。
それは、私たちが敬虔に、また、威厳をもって、平安で静かな一生を過ごすためです」と書かれている。
火のような試練は信仰のテストなのだ。
それにパスするとき、義の冠がいただける。
なぜ死を恐れるのか。
主のために死んでもよいのではないだろうか。
私はシーア派の過激派が支配する町を通らなければならなかったことがある。
そこで乗っていた車を止められ、銃を突きつけられて町から離れた村へ連れて行かれ、持ち物をすべて奪われた。
そのとき私は聖書を持っていたが怖かった。
主はマジックのように助けに来てはくれなかった。
ひざまずき祈るしかなかった。
放心状態の中で主が共にいて下さるというみことばが来た。
勇気を与えられる唯一の道は、イエスがすべての権威をお持ちであると覚えることだ。
そのただ中で人々はイエスを見る。
解放されたとき、私を捕らえた人々は言った。
「来週あなたのところへコーヒーを飲みに行こう。
そして聖書の話を聞こう」と。
現在の迫害は後に与えられる栄光と比べものにならないことを覚えよう。

家族で宣教チーム−−宣教師子女に焦点当てた集い「ふぁっつMK」

「MK」(ミッショナリーキッズ=宣教師子女)ということばにどのようなイメージを持つだろうか。
神さまの召しを受け、世界の国々へと旅立つ宣教師たち。
そして、伝道者の家庭に生まれたゆえの祝福と悩みに加え、自分で選んだのではなく幼少期を外国で過ごすことになった子どもたち。
「MK」の中には自分のアイデンティティをどう持つのかという問題にぶつかる人も多く、宣教師が宣教地を離れる理由に子女の教育問題をあげるケースも少なくない。
その「MK」にスポットをあて、宣教を考える集い「ふぁっつMK」第2弾が海外宣教連絡協力会(JOMA=安海靖郎会長)主催で9月30日、千葉県市川市・OMFインターナショナル事務局ホールで行われた。
発題者は、「MK」の母として松村美知子さん、父として福田崇さん(日本ウイクリフ聖書翻訳協会総主事)、そして「MK」の福田恵子さん。
それぞれが、それぞれの視点から、「MK」について語った。
インドネシアで聖書翻訳の仕事をしながら、3人の母として「子どもをどのように教育したらいいのか迷った」という松村さん。
何語で教育するのか、ことばの問題が一番悩んだという。
日本に帰ってきて、日本語や日本の文化になれるのに、少し困難をともなったというが、子どもたちが通う教会のCS教師に「日本で育った子どもたちとは目の輝きが違う」といわれ、神さまの恵みを感じたという。
父として、そして子どもとしての発題者は、親子。
福田崇さんは「子どもがハッピーでいられるようにするのが親のつとめ」と話しながら、「子どもたちに最高の環境を提供しているんだという確信が大切」だと語る。
実際、宣教地によるが、日本で生活するのと比べると格段に自然の豊富な環境に加え、時間もたっぷりある中で過ごせるのが魅力だと語る。
父の話を受け発題した娘の恵子さん(25)は、まず「MKとして宣教地にいったことは、恵みだった」と話し、父を含め、集まった一同が「おー!」とどよめく。
日本に帰ってきてからの話をしながら、宣教師の子どもとしてのマイナス点より、むしろ人が生きていく中での共通の問題を、宣教師の子どもの視点で語っていく。
「MKゆえの悩みはあっても、神さまがすべてを最善にかえて下さるという確信は持っている。
MKの経験を通して神さまに立ち返ることができたのだと思う」父の話を受け発題した娘の恵子さん(25)は、まず「MKとして宣教地にいったことは、恵みだった」と話し、父を含め、集まった一同が「おー!」とどよめく。
日本に帰ってきてからの話をしながら、宣教師の子どもとしてのマイナス点より、むしろ人が生きていく中での共通の問題を、宣教師の子どもの視点で語っていく。
「MKゆえの悩みはあっても、神さまがすべてを最善にかえて下さるという確信は持っている。
MKの経験を通して神さまに立ち返ることができたのだと思う」また何回も発言される「私たちの国籍は天にあるのですから」ということばには、自分のアイデンティティをどこに見いだしているのかという問題の答えともとれる。
会の中でPK(パスターズキッズ=牧師の子ども)との違いが語られる場面もあり、「特に宣教師は夫婦が2人で伝道しているというよりは、子どもも含めて宣教チームなんだという意識が強い」という意見や、「子どもが一緒だからこそ宣教地の人たちが受けいれてくれる」「母国を離れた外国ゆえに家族のきずなが深まる」という意見も出た。
大きな困難さをともなう宣教という仕事を「MK」を通して見つめていく「ふぁっつMK」。
「神さまからの恵みを数える場所となった」という参加者の声。
これから宣教地に旅立つ参加者も含め、今回は笑顔のたえない集会となった。
世話役の永井敏夫さん(日本ウイクリフ聖書翻訳協会メンバーケア担当主事)は、これからも「MK」にスポットをあて、宣教について考えていきたいと語る。
「ふぁっつMK」の連絡先は〒168-0065 東京都杉並区浜田山4—31—7、日本ウイクリフ聖書翻訳協会。
E-mail=DZB22240@nifty.ne.jp