[CSD]2001年2月18日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年2月18日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎神の愛 頭より心で理解を——「内なる人の変革」セミナー
★イスラエル:シャロン首相当選で反改宗法可決の危機——メシアニック・ジューが懸念
★スペース生かし「お絵かき教室」——バプ連盟・座間伝道所
★石田勝子医療宣教師(コンゴ)奉仕地域の部族間抗争で病院襲撃
★<講壇に立つ女性たち>[5]浦和シオンチャペル牧師 財前 尚江さん(上)
★<落穂抄>21世紀の宣教者像
 = 2 面 =
★<21世紀教会は何を>[6]対話の中で福音を分かち合う
◎キリスト者教師ネット:「日の丸・君が代」強制——内心の自由 尊重を
★牧師の目で見た日本社会の政治課題——土肥隆一議員らフォーラム
★沖縄米兵の強制わいせつに抗議——県知事侮辱で謝罪要請も
★NCCJ:中華民国の脱原発政策促進にエール
★米国:ブッシュ大統領の信仰と政策
★<世界の出来事フラッシュ>べラルーシ、中国、米国
★<論説>カルチャーショックを越えて学ぼう 記・片岡伸光
★<神の国の物語>[13]神との交わり 記・谷口和男
 = 3 面 =
★寄稿:フィリピン政権交代と福音派 記・島先 克臣
★寄稿:教育改革国民会議報告への疑問——櫻井教授論文を読んで 記・細川 勝利
☆あかし文学賞公募締め切り迫る(2月末日締切)
 = 4 面 全面広告=
☆TCU&BIOLA——両学位5年間取得制度
 = 5 面 新会堂建築シリーズ=
★日本基督教団・東京池袋教会——ゆりかごから墓場まで担う教会
 = 6 面 信仰と生活のページ=
★<伝道牧会とリーガルマインド>[10]教会と著作権(1) 記・櫻井圀郎
★<企業社会の生き方ガイド>[10]いやな上司と理不尽な業務命令 記・梅津光弘
★<英語ことわざメモ>[10]三つ子の魂、百まで 記:デビット・ブルック
★<投稿>「沖縄宣言」から具体的な和解へ
★<投稿>「親分はイエス様」に字幕をつけて
★<投稿>ブッシュ新アメリカ大統領へ
★<今月の試写室>「ペイ・フォワード」 評・高梨 大
★<CDの時間>「勇気をだして」 ノア・ミュージック・ミニストリー
 = 7 面 =
◎弱さがあっても存在の価値がある——盲目のシンガー・大和田 宏美さん
★6人の牧師らがエッセイ集『目覚める日の朝』を出版
★福岡県豊前市の新世紀ベビー・基美香ちゃんが伝道に
★版画を贈るのが生きがい——詩版画を自費出版した田名網栄一さん
★目黒未奈さんが杉村春子賞を受賞
★<召天>我喜屋光雄氏(日本福音教会・堺福音教会牧師)
★米国:フロリダにキリスト教テーマパーク開園
★米国:伝道映画『レフト・ビハインド』が好評
★ワーシップ・リーダーのロン・ケノリー来日決定
 = 8 面 =
★<聖書66巻>ローマ人への手紙[1]信仰によって義と認められる 記・伊藤 顯榮
★<書評>『心の病とキリスト者の関わり』工藤 信夫著(いのちのことば社、3200円)
★<新刊書紹介>『二十一世紀と福音信仰』千葉 眞著(教文館、2000円)
★<新刊書紹介>『生かされて生きる』天野 北斗著(文藝書房、1300円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

神の愛 頭より心で理解を−−「内なる人の変革」セミナー0102180101

「私はキリストを信じて、生まれ変わった」と声高らかに叫びつつ、その生き方において逆の証しをしている——そんな問題を抱えるクリスチャンを対象に、1974年に米国アイダホ州でエリヤハウス・祈りのカウンセリング・ミニストリーを創設したジョン・サンフォード氏(72)が1月に来日し「内なる人の変革」セミナーを行った。
同氏は「内面のいやしとは、日々行われる聖化と変革の働きで、キリストにあって日々死に、再生すること」と説明し、「内面にある傷に十字架を置くとやがてその人がきよめられ健全になる」と語った。
同セミナー(日本バプテスト連盟大津バプテスト教会・エリヤハウスミニストリーとElijah House,Inc主催)は、滋賀県の大津バプテスト教会、横浜市の福音キリスト教会連合・本郷台キリスト教会、札幌市の同・手稲福音キリスト教会で開催した。
サンフォード氏は、最初にこの働きを「新生を体験しつつ、幼いころ親から受けた仕打ちや苦い経験によって生じた憎しみ、怒り、裁く心、勝手に作った偽りの誓い(内なる誓い)、自力で愛を勝ち取ろうとする性質(パフォーマンス指向)、悪い方へ考える傾向(苦き根の期待)など、心に潜む罪の性質を抱える人に気づきを与え、それを十字架に付ける祈りによって解放へと導くミニストリー」と解説した。
「現実に神の愛を頭で分かっていても、心の領域まで行っていない」クリスチャンの存在を指摘し、1回切りでなく信じた後も継続的に罪の性質を十字架につける祈りの必要を説いた。 熱心な奉仕に潜む罪の性質に気づいて 同氏は「心に潜む罪の性質」の典型として、「パフォーマンス指向・無条件の愛でなく、愛を得ようとする動機」を挙げた。
「ある教会に熱心な執事がいた。
彼は何でも屋さんで、委員会の委員、教会員の訪問、教会学校教師など何でもやった。
しかし彼はたくさんの奉仕をすることで愛されようとしていた。
こんなにまでしなければ愛されないのだ、といつも怒りと不満にみちていた」と具体例を挙げ、動機が愛でなく自己努力に根ざしたものがどんなにクリスチャンを苦しめるかを説いた。
「種をまけば、その刈り取りをすることになります。
憎しみ、裁き心、怒りは、必ず倍になって戻ってきて、自分を苦しめます」と、隠れた罪の受ける報いが大きいことを強調し、「赦すことを選び取る」大切さも語った。
来日のきっかけとなった米南部バプテスト宣教団のエヴェリン・エッガー宣教師は、サンフォード氏のセミナーで変えられた体験を持つ。
エッガーさんは「私の中に、結婚してはいけない、という内なる誓いがあった」と、宣教師の使命を優先させ結婚願望を抑えつけてきたことを話した。
1956年に来日し、40年以上宣教師として奉仕。
しかし「主に献げたつもりなのに、奉仕が思うように行かなかったこともあった」。
93年、エリヤハウスのミニストリースクールでそれが示され、3年前に結婚。
67歳だった。
「神様は結婚してからもっと祝福を与えてくださった。
奉仕の幅も広がった」とうれしそうに語る。 著書に注目 来日に合わせ、マルコーシュ・パブリケーションからジョン・サンフォード氏の著書『内なる人の変革』(3200円税別)が1月に発売された。
編集部によると「初版2000部はほぼ完売に近い。
福音派、聖霊派を問わず、幅広い購読者層がある」という。
問い合わせはキリスト教書店か、Tel.042・540・7787、マルコーシュ・パブリケーションまで。

キリスト者教師ネット:「日の丸・君が代」強制−−内心の自由 尊重を0102180202

「国旗・国歌法」が成立してから2回目の卒業式・入学式を前に、「日の丸・君が代」の強制に反対するキリスト者教師・生徒・市民のネットワークでは、卒業式・入学式で内心の自由を守らせる取り組みとして、各市区の教育委員会への申し入れ活動を始めた。
昨春の卒業式・入学式では、「生徒に強制はしない」という政府答弁にもかかわらず、各地の公立学校で「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱を実施する圧力が強まった。
文部省の方針を受けて、地方ごとの教育委員会は、各学校に「国旗・国歌」の実施を強く求めた。
キリスト者教師ネットでは、現場の教師が学校長ら管理職に対し、卒業式・入学式で出席者に「国歌斉唱」や「国旗に礼」などを強要しないようねばり強く交渉し、全員が歌うことをイメージさせる「斉唱」の2文字を式次第から除いたり、歌うか歌わないかは個人の自由である旨の一文を入れるなどの成果を上げた。
教育委員会からの圧力を受け、「国旗・国歌」を実施せざるをえない管理職の立場も理解した上で、式で実施されるとしても、なんとか内心の自由を守ろうという戦略といえよう。
ネットワークの活動は、昨年から地区ごとの取り組みに重点を移した。
今回の教委申し入れでは、地区ごとに連絡を取り合い、共同で教委に要請することを呼びかけている。
キリスト者教師ネットでは、申し入れ文書の文例を用意している。
?「日の丸」の掲揚及び「君が代」を歌うに際し、「日の丸」への礼や「君が代」を歌うことを児童・生徒に強制しないこと、?同じく教職員に強制しないこと。
式次第や式のあり方については、教職員で協議を尽くすこと。
式に関連して、管理職が教職員に「職務命令」を出すような事態は避けること、?「君が代」を歌うに際し、保護者等参列者に、「立つ」「立たない」、「歌う」「歌わない」の内心の自由は保障されていることを伝えること。
その旨をプログラムに印刷するか、式の前にアナウンスすること、?「君が代」伴奏に際し、音楽科の教員の内心の自由を尊重すること、?「君が代」伴奏を吹奏楽の児童・生徒に行わせないこと?卒業証書に記載される日時は、西暦でも良いことを、生徒・保護者に周知すること。
【キリスト者教師ネットワーク事務局】東京都新宿区西早稲田2—3—18、日本キリスト教会館31号室。
TEL03・3205・7363、TEL03・3207・3918。

弱さがあっても存在の価値がある−−盲目のシンガー・大和田 宏美さん0102180701

キーボードをひきながら歌う大和田宏美さんの歌声が、とてもかわいらしく、そして、力強く響いていた。
「私は小さいときから選ばれない対象だと思っていました。
保育園、小学校でも受け入れてもらえなかった。
親元を離れて盲学校に入りました。
弱いものを持っている私は選ばれないんだと思った」 「就職活動をしているときも『あなたのほかにもう一人とらなければならない』と言われた。
他の人に何かしてあげたいと思っても、ほかの人の手をわずらわせなければ生きて生きない存在」
「わたしの目にあなたは高価で尊い」 宏美さんは、2歳になる少し前に、はしかで失明した。
現在、福音キリスト教会連合・本郷台キリスト教会の教会スタッフ。
最近では、クリスチャンアーティストのプロデュースを手がける音響会社MAGのバックアップもあり、音楽活動の範囲が広がっている。
中学3年生の時に、英語の先生を通してクリスチャンになった。
人前で歌い始めたのは高校1年生の時。
友だちと2人で文化祭で「神さまのことを知ってもらいたい」と願っていた。
クリスチャンになってからも、「選ばれない」との意識はなかなかなくならなかった。
だが、彼女は聖書の言葉「わたしの目にはあなたは高価で尊い」から語る。
「自分にできることがあるかは別にして、神様が生きてほしいと思っている。
そこに私の存在価値がある」と。
「歌を通して、どのようなことがしたいかですか? そんな大がかりなことは考えていないけれど…歌を通して、というか私自身を通して、そのまんま神さまの前に出られる道を備える存在になりたいと思いますね」と、宏美さんは言う。
カッコつけない、素直な人だ。
デモCDもある。
連絡先はTEL03・5791・2081(MAG/谷口)まで。