[CSD]2001年7月29日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年7月29日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎芸術造形研究所:「物忘れ相談」開始——老人医療専門医による無料窓口
★聖書的説教国際研究所:日本の牧師を奨学金付き招待
★COP6:被造世界を保つ連帯を——WCC代表団希望を失わず
★南アフリカ:世界のキリスト教の潮流会議——福音を「北」へ逆輸出
★新連載<ハンセン病療養所を訪ねて>鹿児島星塚敬愛園1:原告を突き動かしたもの
★<落穂抄>一枚のチケットの奇跡
 = 2 面 =
★アジアキリスト教協議会が環境問題研究会議 レポート・行本 尚史
★明治学院大が教科書問題シンポ——国粋主義の圧力再び感じ
◎扶桑社版歴史教科書に無教会有志が意義——「内村鑑三は日本精神の再生を主張」?
★首相の靖国参拝中止の要望相次ぐ
★沖縄の女性暴行で婦人矯風会も日本政府に要望
★<世界の出来事>米国、フランス
★<論説>夫婦に必要な和解の福音 記・片岡 伸光
★<あかし文学>神様いのちをありがとう[14] 作・山口かおる
 = 3 面 =
★宣教現地レポート:ユーゴ——弾痕生々しい中で進む和解の福音 記・石川 秀和
 = 4 面 =
★笹井大庸氏への公開書簡 「クリスチャンの天皇論」を問う[3] 記・木村公一
 = 5 面 特集・ビジネスマン=
★ユーモアは伝道に必要な要素 VIPユース渋谷
★急成長続けるVIP——秘訣は祈りの励まし合い
★三浦綾子召天2周年を機に大阪で伝道フォーラム
★FGBMFI:リバイバル・ジェネレーション——本物を世界へ
  = 6 面 全面広告=
☆創造科学研究会——科学の時代になぜ創世記?

 = 7 面 =
★主の大船に乗って——アフリカ・タンザニアへ清水 担・いずみ宣教師夫妻
★キャンプ宣教の草分け——松原湖バイブルキャンプ50周年
◎<北から南から>福島:東北で初のジョイジョイフェスティバル
★<北から南から>横浜:ジョイジョイから「きっずネット」発足
★緊急募集:貸しビルでの教会継続使用しませんか?——神戸・JR新長田駅近く
★ジャズバーでライブ——ゴスペルグループvessel
 = 8 面 =
★<聖書66巻>ユダの手紙 忍び込む悪しきものとの戦い 記・藤本 光悦
★<書評>『聖霊と教会——実践的教会形成論』関川 泰寛著(教文館、2500円)
★<新刊書紹介>『刺青クリスチャン親分はイエス様』ミッション・バラバ著(講談社、680円)
★<新刊書紹介>『気づきの心理学』神崎 直行著(キリスト新聞社、1429円)
★<情報クリップ>催し情報ほか
 

芸術造形研究所:「物忘れ相談」開始−−老人医療専門医による無料窓口0107290101

痴ほう症の改善・予防に効果があるとして、アートセラピー(造形美術療法)が注目を集めている。
これまでアートセラピスト、医師、カウンセラーの牧師の協力によってアートセラピーを行ってきた芸術造形研究所(金子健二代表取締役)=東京都千代田区神田駿河台2—1、お茶の水クリスチャンセンター内=が、老人医療専門医によって無料で受けられる「物忘れ相談」を始めた。
これまでの働きに加え、専属の専門医による相談所としての一面をもつことで痴ほう症の改善・予防の窓口としてその役割を大きく広げることになった。
  「物忘れ相談」の担当医師は千葉市の総泉病院院長で、順天堂大学講師でもある老人医療専門医の高野喜久雄さん。
同医師が院長を務める総泉病院でも痴ほう症のリハビリにアートセラピーを取り入れており、今月からデイケアにも採用する。
「物忘れ相談」を受けるにはまず、芸術造形研究所に電話し、相談日を調整の上決定し、来訪して相談を受ける。
相談を受けて診断や治療が必要な場合は、近隣の医療機関、痴ほう専門医や検査を紹介するなど適切なアドバイスを受けることができる。
必要な場合は訪問相談にも応じる。
同研究所では現在、クリニックを併設する準備も進めている。
  同研究所取締役の西田清子さん(日基教団・市川三本松教会員)は「高齢社会の日本で痴ほう症の問題は最重要課題であるのにもかかわらず、痴ほう症の専門医が少ない。
そのようななか『物忘れ相談』を痴ほう症の改善・予防の窓口として多くの人々に利用してもらいたい」と言う。
  アートセラピーは絵画、彫刻、陶芸などを楽しみながら右脳の働きを活性化させることで、痴ほう症の改善・予防に効果を発揮する療法。
これまでに「改善」「現状維持」という結果を合わせて80%以上というデータがある。
患者だけではなくその家族も専門のセラピストのリードで共に楽しむことができる。
薬のように副作用がないのも大きな特徴だ。
  芸術造形研究所ではセラピスト、医師、カウンセラーの牧師でアートセラピーを多面的に行っており、キリスト教的人間観をベースに大きな成果を上げてきた。
「医師の話では痴ほう症の症状は確実に進行していくものなので、できるだけ早く、もしおかしいと思ったらすぐに相談に来てほしい。
例えば同じメニューの料理を続けて出してしまうとか家を出て行き先が分からなくなるといったことがあったら、痴ほう症の可能性を疑った方がいい。
家族がおかしいと感じた時にはすでに症状が進行している場合もある。
最近は若年性のアルツハイマー病もあるので、この問題は高齢者だけのものではない」と西田さんは話す。
  芸術造形研究所ではいくつかのチェック項目を設けて注意を促している。
▽一日や一週間の計画が自発的にたてられない。
▽反応が遅く動作がもたもたしている。
▽同じことを繰り返し話したり、尋ねたりする。
▽無表情・無感動の傾向になる。
▽ぼんやりしていることが多くなる。
▽生きがいを感じない。
▽根気が続かない。
▽発想が乏しく、画一的になる。
▽仕事がテキパキ片づけられない。
▽相手の意見を聞こうとしない。
この10項目のうち4項目以上当てはまる人は要注意だという。
  同研究所ではセラピストの養成もしており、最近は若年層だけではなく人生経験豊かで精神面で患者をサポートできるシニアのセラピストの養成にも力を入れている。
  問い合わせは〒101-0062東京都千代田区神田駿河台2—1、OCCビル7階 Tel.03・5282・0210 Fax.03・5282・7307 http://www.zoukei.co.jp/   先週号までの見出し

扶桑社版歴史教科書に無教会有志が意義−−「内村鑑三は日本精神の再生を主張」?0107290203

新井明・日本女子大学名誉教授、坂内宗男・財団法人登戸学寮寮長ら無教会の有志12人は、「キリスト者として教育問題を考える会」として、扶桑社発行中学歴史教科書の内村鑑三の扱いに絞って要望書を7月15日、12人の居住する首都圏の各都県と区市町の教育委員会、文部科学省、扶桑社に提出した。
  検定に合格した8社の中学歴史教科書のうち、7社が内村を取り上げている。
そのほとんどが、もっぱら日露戦争において非戦論を唱えた内村を紹介しているのに対し、扶桑社版だけはそのことには全く触れず、「内村鑑三は、キリスト教信仰を通じて、日本人の精神を再生することを主張した」と記している。
  12人は、「日本人の精神」という言葉は多義的で、内村自身の把握とは異なる含意をもって読まれるおそれがある、と危ぐ。
内村はキリスト教の神の正義の立場に立って「日本人の精神」の再生を考えた。
扶桑社の教科書は「太平洋戦争」を「大東亜戦争」と言い換えているが、内村が目指した「日本人の精神」がこのような言い換えの背後にある思想と両立しないものであることは、彼の非戦論の主張や墓碑銘(「我れは日本のため、日本は世界のため…」)、「不敬事件」を見ても明白と指摘。
「内村の非戦論は、現在の日本国憲法の平和主義を先取りした主張」であり、中学生に非戦平和の大先覚がいたことを教え、国際感覚を身につけた日本人としての誇りを与えることは今日の中学教育における緊急課題だとし、内村鑑三の非戦平和主義に言及する教科書が採択されることを強く要望した。
先週号までの見出し

<北から南から>福島:東北で初のジョイジョイフェスティバル0107290703

ジョイジョイフェスティバルin福島(共催・ふくしまラブキッズ実行委員会、いのちのことば社)が、6月23日、福島県伊達郡伊達町のふるさと会館で催された。
県内外を問わず、遠くは仙台からも計470人余りの子どもたちと保護者、スタッフが参加した。
これまで横浜、名古屋、所沢と行われてきたジョイジョイフェスティバルだが東北での開催は初めて。
「ジョイジョイ」は昨年、いのちのことば社が創立50周年を記念して企画した子ども伝道キャンペーン「ラブキッズ」の一環として各地域の教会との協力により開催されてきた。
教会学校の不振が叫ばれる中、その活性化を意図して企画されたものだが、実際に参加した牧師や信徒たちはどう感じたのか。
また、これからの各地域の教会にどう生かされていくのだろうか。
福島を例に話をきいた。
 福島でジョイジョイフェスティバルが開かれることが決まったのは、昨年のはじめ。
いのちのことば社からのビジョンの投げかけを、子ども伝道の難しさを感じていた、福島市内の教会の牧師たちの集まり「協力伝道協議会」が受け止めた。
近隣の諸教会にも呼びかけ、「福島ラブキッズ実行委員会」が結成された。
1年以上にわたり、教会学校教師ら信徒が中心となって計画、準備を重ねてきた。
ここまで福島地域の教会が一致協力して子ども大会を開催したのは初めてのことだという。
「楽しいゲーム、ダンスなどで、子どもたちも喜んでいる。
しかし普段の教会学校とのギャップが大きい。
それをどう埋めていくか、これからの教会学校の努力が問われる」。
大会総責任者の奥田久良さん(保守バプテスト同盟・福島バプテスト教会牧師)は言う。
 各教会は大会をどう受け止め、その後教会学校にどのような影響を与えたのか。
相澤寛さん(単立・御山キリスト教会牧師)は「大会自体はインパクトがあった。
子どもたちは大会前、最中と頑張っていた。
その後は普段どおり部活に忙しくなっている」。
小久保富成さん(バプテスト連盟・福島旭町キリスト教会)は「子どもたちも喜び、正しいスタイルで集会に触れられたと思う。
教会学校が停滞しているという意識のもと、教会学校をこういう風にすればいいという一定の示唆になったと思う」。
 7月8日、福島ラブキッズ実行委員会が、この大会の感謝会を開いた。
その中で、「大変恵まれた大会だった」と確認した上で、1回で終わらせるのは惜しい、継続してほしいという声が地域の教会の中で出てきていると報告があった。
その声を受けて、協力伝道協議会は、子どもたちのためのフォローアップ大会を11月23日に開催する予定だ。
ジョイジョイフェスティバルで培った経験と地域教会の協力体制を生かして福島独自で発案されたものだ。
   いのちのことば社の願いは全国の教会学校の活性化にある。
ジョイジョイフェス   ティバルの問い合わせはTel.03・3353・0143(CS成長センター)。