[CSD]2001年8月19日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年8月19日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
★「少年よ罪を犯すな」——リンチ殺人犯獄中からの訴え
★日本人の「慰霊」意識に切り込む——緊急シンポ「死者儀礼と宗教」
★力によらず聖書の平和を——8・6広島「キリスト者平和の集い」
<ハンセン病療養所を訪ねて>鹿児島星塚敬愛園3:「のがれの町」療養所は今や故郷
★<落穂抄>伝道とは・・・
 = 2 面 =
★『新しい歴史教科書』は時代に逆行——課題は「アジアに隣人を持てるか」
◎靖国参拝強行なら提訴辞さず——政教分離訴訟全国交流集会で宣言
◎各地の政教分離訴訟経過と現況
★ホーリネス教団:歴史教科書・靖国参拝中止で政府に要請書
★富弘美術館:来館者あふれ建て直し——国際コンペで設計案公募
★<論説>命あることばの回復 記・中川 健一
★<あかし文学>神様いのちをありがとう[16] 作・山口かおる
 = 3 面 =
★2万人の「アメイジング・グレイス」——「MEET THE WORLD BEAT 2001」で小坂 忠さんがファイナル曲
★世界宣教円卓会議:21世紀大宣教命令達成へキリスト者の連帯を模索
 = 4 面 =
★独立記念日の礼拝風景——アメリカの市民宗教をキリスト教 記・渡辺 聡
★米国:教会系大学へ補助金で政教分離論争
★米国:連邦最高裁が公立学校の宗教クラブを認める
 = 5 面 広島・靖国から「平和」を考える=
★被爆の悲惨な状況に対面、核廃絶を訴え——横路 憲次郎さん
★心を尽くし、思いを尽くし、平和を祈る建物を——明石 輝男さあん
★発言要旨:慰霊を礼儀と考える日本人に代案を——勝本 正実
★安易な慰めを拒み悲しみを共有する——松見 俊
★「敬神崇祖」がむしばんだ唯一神信仰——山口 陽一
★8・15関連の本:「あの戦争のなかにぼくもいた」「天皇の神社靖国」
 = 6 面 信仰と生活のページ=
★<伝道牧会とリーガルマインド>[最終回]教会と地域社会 記・櫻井圀郎
★<企業社会の生き方ガイド>[最終回]クリスチャンの信仰と起業精神 記・梅津光弘
★<英語ことわざメモ>[最終回]光陰矢のごとし 記:デビット・ブルック
★<投稿>「小泉人気」にキリスト者は
★<投稿>ブライダル伝道の盲点
★<投稿>詩「愛のない者」
★<今月の試写室>「忘れられぬ人々」 評・高梨 大
★<CDに時間>「In The Spirit」 ロン・ブラウン
 = 7 面 =
★「神様は待っているんや」——若者伝道に励む吉田直子さん
★クリスチャン・アーティスト・ネットワーク発足——若手の発掘と人材育成
◎高麗教会(日本)と平康教会(韓国)がサッカー親善試合——文化交流中止が相次ぐ中で
★週報に書き綴った「感話随想」が本に——中村 二郎さん
★ろう者方法聖書研究会——手話による聖書研究や賛美(9月27日—30日)
★米国:人間のクローン胚研究禁止へ
★<召天>五十嵐 吉助氏(単立・練馬福音キリスト教会牧師)
 = 8 面 =
★<聖書66巻>ヨハネの黙示録[2]死に至るまで忠実であるように 記・岡山 英雄
★<書評>『日本の将来とキリスト教』古屋 安雄著(聖学院大学出版会、3800円)
★<新刊書紹介>『子育てと聖書』野口 泰介著(キリスト新聞社、1000円)
★<新刊書紹介>『誰だって人生やり直せる』鈴木 啓之著(飛鳥新社、1500円)
★<情報クリップ>催し情報ほか
 

靖国参拝強行なら提訴辞さず−−政教分離訴訟全国交流集会で宣言0108190202

第14回政教分離訴訟全国交流集会が7月27、28両日、東京・千代田区のカンダ・パンセホールで開催された。
 初日には法学博士の小林武氏(南山大学教授)による記念講演が行われた。
小林氏は「政治の中の政教分離訴訟」と題し、小泉首相の靖国神社公式参拝発言を受け、「首相の改憲姿勢が明白だ」として問題点を指摘した。
戦後天皇制憲法論の軌跡と現況にも触れ、1990年に行われた天皇の即位の礼・大嘗祭に対して起こされた訴訟の東京地裁判決を批判した。
現在、全国各地で起こされている政教分離訴訟に関して、法学者の立場から今日の司法状況を解説し、今後の対策について方向性を示した。
討論では小泉首相、石原東京都知事が靖国神社に参拝した場合の訴訟について参加者の間で調整した。
 全国の政教分離訴訟団からの報告では、今年4月に違憲判決が出た愛媛県宇摩郡新宮村の観音像訴訟の経過や、同7月に違憲判決が出た兵庫県篠山町(現篠山市)の線香配布訴訟の報告などがあった。
集会では「小泉内閣総理大臣・石原東京都知事らの靖国神社参拝に反対する声明」を採択し、大臣や知事の「靖国神社参拝が強行された場合、違憲訴訟の提訴を含め、可能な限りの抗議行動を行う」と宣言した。
参加者らは西川重則氏(靖国神社国営化反対福音主義キリスト者の集い代表)のガイドで靖国神社を訪れ、問題点などを視察した。
その後、国立戦没者墓地としての代替案が議論されている千鳥ヶ淵戦没者墓苑でも、西川氏から問題点の説明を受けた。

各地の政教分離訴訟経過と現況0108190203

▼新宮村観音像訴訟 1997年3月、愛媛県宇摩郡新宮村が同村の観光施設「霧の森」に御影石製の観音像を設置。
これに対し、村民5人が事業を推進した元村長と現村長、当時の担当課長を相手取り、観音像の設置費1545万円の村への返還を求めて提訴。
今年4月、松山地裁は観音像設置にあたって公金支出することは違憲として、原告側の訴えをほぼ全面的に認める判決を出した。
訴訟団の報告によれば観音像は判決後もなお、撤去のめどが立っておらず放置されたままになっているという。
  ▼篠山線香配布訴訟 1996年8月、兵庫県篠山町(現篠山市)が盆に戦没者遺族に線香やろうそくを「お盆、英霊、お供え、合掌」という宗教用語を使った町長名の文書を付けて配った。
これに対し、同市の元町議が町長であった現市長を相手取り、公金35万円の市への返還を求めて提訴。
今年7月、神戸地裁は「宗教色彩が強い」として違憲判決を出し、市長に費用全額の返還を命じた。
▼佐賀県鳥栖市自治会管理費訴訟 1991年に同市に転居してきた夫婦が自治会費に神社の特定宗教関係費が含まれていることを知り、その控除を自治会に求めたところ事実上の除名扱いを受けていることに関し、自治会に対し自治会員であることの確認と慰謝料を請求。
佐賀地裁にて訴訟中。
  ▼東京都即位礼大嘗祭訴訟 今年5月の控訴審第5回弁論では小林武さんの意見書を提出。
9月には更新弁論と控訴人意見陳述、天皇制に関する準備書面を提出する予定。
▼神奈川バンザイ訴訟 5月、東京高裁にて第6回口頭弁論。
第7回口頭弁論は9月11日。

高麗教会(日本)と平康教会(韓国)がサッカー親善試合−−文化交流中止が相次ぐ中で0108190703

歴史教科書問題の影響で、夏休みに各地で予定されていたアジア諸国とのスポーツ・文化交流などの中止、延期が相次いでいる。
そんな中で、埼玉県日高市にある日本同盟基督教団・高麗聖書教会(吉持日輪夫牧師)は、7月26日から8月4日まで、韓国ソウル市内にある大韓イエス長老会・平康(ピョンカン)教会の青年20人を受け入れ、サッカーの親善試合、韓国料理教室やハングル語講座など、互いの文化を紹介し合うプログラムを実施した。
吉持牧師は「こういう時期だからこそ、やれてよかった」と語る。
 滞在中、平康教会の男性8人と高麗教会の合同チームは、聖望学園高等学校、入間高等学校、日高市民クラブのサッカーチームと親善試合をした。
聖望学園との対戦では、最初にキャプテン同士がしっかりと握手し、日韓友好を示す旗を真ん中に記念撮影。
真夏だが多少涼しさを感じさせる天候のもと、選手たちは汗だくになって球を追いかけた。
平康教会の女性12人は、「がんばれ、韓国」「がんばれ、聖望」と、両チームを公平に応援。
「顔だけ見たらだれが日本人か韓国人か分からない」との声も。
友好ムードを感じさせた。
サッカーだけでなく、教会では韓国料理教室、ハングル語講座、コリアンナイト(夜の集会)も行われた。
コリアンナイトでは、平康教会の青年たちが、賛美、踊り、劇、テコンドーなどを披露。
手製の韓国料理を共に食べ、ゲームをし、教会、地域住民との親睦を深めた。
地域にトラクトを配り、集会で救いの証しをするなど積極的に伝道もした。
 今回の計画は、趙泳相宣教師(GOAL2002運営委員、韓国側交渉責任者)が持ち込んだ。
「高麗は古代朝鮮の高句麗を指し、韓国とかかわりの深い地域。
ぜひ、やりましょう」。
吉持さんも喜んで合意し、半年前から準備を重ねてきた。
趙さんは「すべてが閉ざされても教会は開かれていることをアピールできて良かった。
日本のいろいろな教会がもっと、韓国の教会と交流してほしい」、吉持さんは「国と国のわだかまりがあっても、『私たちの主イエス・キリスト』(ローマ5:1)が与えられている。
これがクリスチャンの強みではないかと思った」と感想を述べた。
教会では、来年以降も平康教会との親睦を深めるプログラムを催したいという。