[CSD]2001年9月 9日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年9月 9日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎多部族が日本でひとつに——東京福音インドネシア教会12年
★「健康な教会」求め東海宣教会議——福音派・聖霊派共に青年宣教大会も
★天の故郷にあこがれて——ユーオーディア9年ぶりにCD作成
★<ハンセン病療養所を訪ねて>長島愛生園3:1年間に200回は教会に通った
★<落穂抄>北米日本語教会・グループからの香(ユーオディア)

 = 2 面 =
◎日本伝道の幻を語る会:「21世紀の日本伝道と教育」再び追求
★アジア神学協議会:アジア聖書注解シリーズ刊行を報告——新総主事にデレク・タン氏
★救世軍ブース記念病院改築——第1期「サービス棟」完成
★米国:信教の自由侵害、中国など名指しの国務省報告
★アフガニスタン:タリバン政権との釈放交渉難航
★<世界の出来事フラッシュ>米国、
★<論説>信仰の生活化——自然界と主の眼差しに学ぶ 記・内川 寿造

 = 3 面 全面広告=
☆フェスティバル2001(大阪城ホール 11月1日~3日)

 = 4 面 キリスト者と福祉=
★路傍伝道のように傘売り 山内 隆二三さん
★メッセージ:「愛の奇跡」 片岡 正雄
★一人ひとりを大切に ケアハウス・ピスガこうせい
★川越キングスガーデン10年——共同墓地開設が証しに
★福祉の本:『新しい社会福祉と理念』阿部志郎ほか共著(中央法規、1800円)

 = 5 面 =
◎日本に祈りのシュート——栃木の高校チームを指導するルフィーノさん
★「血のつながり」より「神の家族」の子ども——3人の養子を育てる辻本牧師夫妻
★一人芝居「マグダラ」海外で大きな反響
★<召天>三枝 定雄氏(日本ナザレン教団引退教師、元九州聖会実行委員長)
★国際:ソドムとゴモラの破滅は大地震の結果
★ノルウェー:神のゆるしによって新しくスタート——皇太子結婚式

 = 6 面 生活のページ=
★<あの日のメッセージ>「健気さへの憧憬」心探られた拝借説教 記・池田 勇人
★<真っ向勝負>質問:教会替えたいんだけど… 回答者:小澤 由紀恵
★<今週の本棚>『魅力的な礼拝へのかぎ』リック・ウォレン著(いのちのことば社、500円
★<今週の本棚>『宗教改革期の牧会者たち?』C・メラー編(日本基督教団出版局、2900円)
★<今週の本棚>『バラバの妻として』坂口さゆり著(NHK出版、1500円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

多部族が日本でひとつに−−東京福音インドネシア教会12年0109090101

東京・目黒のインドネシア学校に、大型バスが次々と乗り付ける。
8月26日夕、東京、茨城、三重、群馬、長野の各地からインドネシア人クリスチャンら5百数十人が、東京福音インドネシア教会(安海靖郎牧師)の創立12周年記念礼拝に参集した。
多部族社会のインドネシアでは珍しい、部族・社会階層・教派を超えた教会は、さらに日本人や他国人への伝道にも用いられている。
モザイクのように様々の顔だちが一堂に会した記念礼拝に、国際化時代の世界宣教の新しい可能性が垣間見えた。
 安海氏(現在・アンテオケ宣教会総主事)夫妻が、インドネシアでの17年間の宣教に区切りをつけて帰国したのは89年7月。
翌8月の第4日曜から、都内の専門学校を借りてインドネシア語の礼拝を始めた。
大使館員家族や、航空会社の職員、留学生など、口コミで集まったのはエリートが中心。
安海氏がインドネシア語で語るメッセージのテープが各地に散在する就労者や企業研修生にも広がり、その中から自分たちの町でもインドネシア語礼拝をしたいと安海氏らを招く地方が増えた。
各地方の地元教会の協力で会堂を借りることができ、定期集会が実現していった。
 茨城県大洗では水産加工工場で働くメナド人が中心。
三重県鈴鹿や、最近始まった群馬県高崎、長野県岡谷では企業の研修生が多く、ジャワ人、バタック人、アンボン人、中国系と多岐にわたる。
インドネシアの教会は一般に部族教会で、多部族が一緒に礼拝する光景はまれだが、海外だから一つになれる、と安海氏はいう。
主任牧師が中立的な日本人であることも、どの部族の人でも参加しやすい要素だ。
 集会の拡大に伴い、本国から牧師夫妻2組と伝道師1人を招いた。
その中から鈴鹿で奉仕していたマルテン・ルーテル牧師夫妻が、オーストラリアの先住民アボリジニー伝道への召しを受け、記念礼拝で宣教師としての派遣式を挙行した。
日本のインドネシア人教会が、本国から招いた牧師をさらに海外へ派遣するという、いわば玉突きのような宣教の連係プレーだ。
 出席者の中には、伝統的な教派で幼児洗礼を受けたが自分の言葉で祈ることもできなかった人もいる。
同教会に集う間に信仰を覚せいされ、帰国後は母教会で役員になったり自発的に祈り会を始めるなど、本国の教会活性化に貢献もしている。
 信仰を呼び覚まされた人たちが職場や学校で積極的に伝道した結果、イスラムから改宗した人や、日本人、イラン人、中国人なども集う。
国際結婚や、バリ島などの文化にあこがれて教会に来る青年男女も多い。
東京では礼拝に毎週新しい日本人が来るほどで、日本語部も発足した。
現在、教会全体で宗教法人の認証をとろうと準備している。
 記念集会は教会の誕生日ムード。
「霊の弟妹が各地に増えてうれしい」などの祝辞や各地のメンバーの賛美、寸劇などが続き、階層や部族の違いを感じさせない和気あいあいぶりだ。
 安海氏は、「私にとってこれはインドネシア宣教の続き。
日本全国に滞在している外国人に1人でも多く福音が伝えられ、彼らが新生体験をし、やがて本国に帰った時に主の証し人として活躍してほしいと祈っています」という。

日本伝道の幻を語る会:「21世紀の日本伝道と教育」再び追求0109090201

教派を超えて「一千万救霊」をビジョンに掲げ活動してきた日本キリスト伝道会(原登会長)が8月20日から22日、千葉県市川市で第33回「日本伝道の幻を語る会」を開催。
今日本を取り巻く社会状況を踏まえ、昨年に続き「21世紀の日本伝道と教育」のテーマで現状やビジョンを語り合った。
 特別講師として、長年キリスト教教育に携わってきた小助川次雄氏(シオンの丘秋田キリスト教会牧師・秋田恵みキリスト教会こひつじ保育園園長)と林田秀彦氏(聖学院中学校・高等学校名誉校長)が講演し、現代教育の問題点や、キリスト者として子どもたちや、日本人口99%の未信者に何を伝えていくかを語った。
   ◇  「神様の価値観を訴えていく必要がある」と林田氏は強調する。
 「子どもたちは居場所を探している。
子どもたちを相対化して数字だけで判断することをせず、それぞれに神様からのタレントが与えられているのだとはっきり語り、居場所があるのだと伝えるのが教会の役目。
神様と親・教師、そして子どもの三角関係がしっかりと成り立ち、教師と子ども、親子が見つめ合うのではなく、神様を見上げる関係となるべきでは」  近年耳にする「心の教育」という言葉を取り上げ、「それこそ、教会がずっと言い続けてきたこと。
今こそ、教会の役割が重要」と語る。
 小助川氏は「クリスチャンが時代を認識し、危機的に感じているだろうか」と指摘。
 「日本の教会は大きくない。
でも一緒に祈れない状況があるのではないか。
一つの教会だけではなく、市内、超教派で協力するなど、『世の力に負けない力』を身につけなくては」と語る。
 秋田で長い間伝道してきた視点から「地方で伝道するために近隣との交流がカギ」。
教会付属の幼稚園の園長として近隣に知られ、教会としても伝道しやすかったという自らの経験も語った。
 発題者や参加者が自由に「『教育や伝道』について幻を語る会」もあり、牧師だけではなく、信徒からも、それぞれの仕事場で伝道しているビジネスマンの話や、音楽の分野など、与えられた賜物を生かし伝道している参加者の声などもあった。

日本に祈りのシュート−−栃木の高校チームを指導するルフィーノさん0109090501

栃木の高校チームを指導するルフィーノさん「今は半分ブラジル人、半分は日本人の感覚だ」と話すエジソン・ルフィーノ・ダ・シルバさん。
1996年から栃木県矢板市で社会人、高校生にサッカーの指導をしている。
 ルフィーノさんは1966年から75年までブラジルのプロサッカーリーグで活躍した。
10歳から本格的にサッカーを始め、14歳でプロチームのサテライトチームに入団し、その後、一部リーグでプレイをする。
10年間の選手生活の中でサントス、コンメシアル、ジョインビリなどの名門チームに所属し、3度の優勝を経験した。
現役時代、現在Jリーグ鹿島アントラーズのテクニカルディレクターのジーコさんとの試合が一番印象に残っているという。
 「ブラジルの子どもはみんなサッカーをします」と語る。
町の空き地にはサッカーをする子どもたちでいっぱいだ。
ルフィーノさんの父親は有名サッカー選手ペレのファーストネーム、「エジソン」をルフィーノさんにつけたほどのサッカー好き。
ルフィーノさんはその父親の期待に応えて大型のセンターバックとしてプロ選手になりチームに貢献した。
 75年に若い世代に自分のポジションを譲り、現役引退後ブラジルのプロサッカーチームのフィジカルコーチ、監督を20年間歴任しチームを何度も優勝へと導いた。
87年にイングランドに指導者の勉強をしに行ってから指導者としての道が開けてきたという。
 1995年に矢板市の矢板中央高校のサッカークラブがブラジルに来て、ジュニアブラジル選抜チームと対戦した。
その時に選抜チームの監督だったルフィーノさんを矢板市が指導者として招いた。
 現在、矢板市サッカー協会専属コーチとして矢板サッカークラブ、矢板中央高校、小山南高校のサッカーチームの指導に当たり、成績がどんどん上がっている。
初めて日本に来たときルフィーノさんは練習場のグラウンドに芝がないのに驚いた。
ブラジルではサッカーグラウンドに芝があるのは当然だからだ。
それでもこれまで日本のやり方に合わせながら熱心に指導してきた。
 矢板市の職員の紹介で知り合い、ルフィーノさんが通う教会の牧師山田彰さん(ウェスレアン・ホーリネス教会連合塩谷キリスト教会)はルフィーノさんのことを「ことばは誠実、約束したことは必ず守る、大変熱心なクリスチャンだ」と話す。
 ルフィーノさんは9歳の時に洗礼を受けて以来、常に神に信頼してきた。
 「神様が日本にずっといるように導いてくださっている」と語る。
日本のサッカーのレベルを向上させるため、ルフィーノさんは今日も熱心に祈りながら、指導を続けている。