[CSD]2013年9月15日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年9月15日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎道徳の危機 解決は福音に——アジア教会リーダー会議に中国「家の教会」100人
★中国・台湾の牧師ら台北で合同フォーラム——台湾長老教会は慎重な姿勢
★埼玉 竜巻被害にクラッシュジャパン緊急派遣

 = 2 面 ニュース=
★関東大震災から90年——9・1を記憶・受肉 和解に参与 追悼合同礼拝
★「侵略日本、抗戦中国」主題に集会——細菌戦被害の証言聴く
◎福島 原発汚染水流出に責任を——太平洋教会協議会(PCC)が日本に要求
★<落ち穂>元受刑者の社会との接点を

 = 3 面 =
★<フクシマの声を聴く>[17]母たちからの声?——「原発は大丈夫です」の刷り込み 記・中尾祐子
◎信仰奨励エリアに1万5千人——山口でボーイスカウト国際キャンプ大会
★<オピニオン>「戦争と宗教」について考える(中) 記・安藤能成
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4・5 面 全面広告=
☆世界食料デー ハンガーゼロ(飢餓撲滅)…世界を変える希望のために
9月28日~11月9日 世界食料デー大会
ホームページ http://www.jifh.org/

 = 6 面 仕事と信仰=
★門谷一さん(元[株]小松製作所研究本部首席技官)[下]——「私の下では働きやすかった、と…」
★<首都圏大震災に備える>実践編?——顔と顔が見える防災コミュニティー創出を 

 = 7 面 伝道・牧会を考える=
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>?[73]コミテッド・ジャパン浜松?——「障がいは神さまの栄光のためだった」
★<憲法が変わるってホント?>[20]ビラ配布逮捕は当たり前に——「公益及び公の秩序」をかざして 記・内藤新吾[3]

 = 8 面 ひと・証し=
★大寺俊紀さん(抽象画画家・泉南聖書教会牧師)——聖書のイメージ抽象画に託し

 = ?—? 特集/クリスチャンライフガイド=
★建学の精神の遵守 その具体的実践——どう生徒、学生に浸透させるか… 記・柏木哲夫
★クリスチャンコードを貫き続ける 記・黒田 朔
★現代こそ独自性、使命明らかに 記・岩井基雄
★共に生きる大切さ 大事に 記・樋口紀子
★教育の原点見いだす地方の観点 記・湯口隆司



◎「家の教会」画期的な参加実現−−アジア教会リーダー会議に 中国本土から100人=130915010

 中国政府が公式にはその存在すらなかなか認めようとしない政府非公認の「家の教会」は、しばしば活動に制限を受けてきたが、その代表ら100人以上が今年6月、国際的な宣教会議に出席した。国際ローザンヌ運動が主催して6月25~28日、韓国・ソウル市内の長老会神学大学校を会場に開いたアジア教会指導者フォーラムに中国本土からの参加が実現したもので、このほど国際ローザンヌ委員会が概要を明らかにした。
 2010年10月、南アフリカのケープタウンで開催された第3回ローザンヌ世界宣教会議には、中国本土の家の教会から約200人が参加する予定だったが、中国政府が出国を許さず、ほとんど参加できなかった。今回、アジア各国や世界各地から総勢300人の国際宣教会議に100人以上の中国家の教会の指導者らが出席したことは、60年余り前に中国が共産化して以来の「歴史的な出来事」だとローザンヌ委員会は受けとめている。日本からは10人が参加した。
 中国大陸からの講演者のひとり、中国社会科学院のリュウ・ペン教授は、中国の心を勝ち取るキリスト教の可能性について講演。「中国はその時代遅れの宗教政策を更新して新たな時代に合うようにする必要がある」として、「中国の最近の道徳的な危機を解決するのに、キリスト教は最もふさわしい」と結論づけた。
 北京のダニエル・リー牧師は、中国の教会が2030年までに2万人の宣教師を海外に派遣すると力説した。最初の中国宣教師である英国のロバート・モリソンから200年余りに、約2万人の宣教師が中国で奉仕してくれたのだから、その福音の負債を返済する必要があるという。
 ソウル市にあるトーチトリニティー神学大学院の高見澤栄子教授は、福音による日韓中の和解についてメッセージ。会期中は同神学大学院の学生ら日韓中の若者たちのワーシップチームが賛美をリードした。在外中国人から本土の中国人に対して、「家の教会」を誤解し批判したことを謝罪する一幕もあった。
 ケープタウン会議の宣言文「ケープタウン決意表明」は中国国内でも広く読まれているといい、これに呼応して今回中国本土からの参加者らは「ソウル決意表明」をまとめた。中国から35歳以下の約200人がメンタリングを受け、2015年に計画されている次世代リーダーの世界大会に参加することが期待されている。

◎福島 原発汚染水流出に責任を−−太平洋教会協議会(PCC)が日本に要求=1309150203

 ラジオ・ニュージーランドが8月8日報じたところによると、太平洋教会協議会(PCC、事務局=フィジー・スヴァ)は日本に対し、福島第一原発で何が起きているのか、溶けた核燃料の状態、そして汚染された水が太平洋に到達するのを防ぐために何がなされているのかを太平洋地域に知らせるという道義的責任を果たすよう要求した。
 PCC総幹事フランソワ・ピハータエ牧師は、「もしその核廃棄物や放射能が拡散したり漏れて太平洋全体へ広がったら漁業にどんな影響があるのか、その魚に対する影響が太平洋や世界のその他の地域で消費する私たちの民衆にどう跳ね返ってくるのか計り知れない」として、太平洋地域の指導者たちが改めて同地域の非核化を訴えることが急務だと述べた。フィジー・タイムズ電子版が8月9日報じた。
 PCCは震災から1か月後の2011年4月11日に発表した「日本の核問題に関する声明文」の中で、東日本大震災を受けた日本の人たちに対する哀悼の意や想い、そして祈りを表す一方で、福島第一原発からの放射能漏れに深い憂慮を表明していた。同声明で「原子炉を冷やすために海水を汲んでは私たちの太平洋の海へと返すという日本政府の決定を容認できないものとして非難する」「放射能に汚染されたこの海水は、太平洋の生態系と、生き残りと自意識のために海洋環境に依存する島嶼社会の暮らしに、永続的な脅威をもたらす」と述べていた。
 またPCCはその声明文の中で、「放射性物質が太平洋の海へこれ以上入らないように防ぐためのあらゆる措置を尽くすよう、日本政府に強く要求する」「PCCは原発の利用を非難し、クリーンで再生可能なエネルギーの推進と採用を提唱するよう国際社会に呼びかける」としていた。
 そして、PCCは同声明文の終わりに、「『地とそこに満ちるもの、世界とそこに住むものは主のもの』(詩編24・1、新共同訳)であることを再確認し、PCCはすべての加盟教会に対し、神の良き被造世界を破壊する危険な技術に反対して声を上げるために、その預言者的な証しを行うよう呼びかける」と結んでいた。
 さらに、PCCは同年4月22日、太平洋地域にある16か国の各政府からなる「太平洋島嶼フォーラム事務局(PIFS)」が日本における核の危機への取り組みで行動しないことを「容認できない」として非難していた。
 PCCは1961年にサモアで設立されたエキュメニカル組織。太平洋地域の28の教会と9つの教会協議会からなる。

◎信仰奨励エリアに1万5千人−−山口でボーイスカウト国際キャンプ大会=1309150302

 7月31日~8月8日、山口市阿知須・きらら浜でボーイスカウト最大の国際キャンプ大会「第16回日本ジャンボリー(アジア太平洋地域スカウトジャンボリー)」(公益財団法人ボーイスカウト日本連盟主催)が開催され、小学6年から高校生世代の47都道府県約1万4千人の国内スカウト、52か国約千500人の外国スカウトたちが一堂に会した。
 このキャンプ大会は4年に1回開かれるもので、期間中会場には4千張を超えるテント村が広がり、売店・診療所・放送局・郵便局・展示場が設置され、2万人規模の町が突如出現するようなもの。都道府県連盟や企業提供のプログラムなども展開される。1週間以上のキャンプに必要な食糧も、自衛隊や業者の支援でダイナミックに配給される。すべてがグローバルで夢のような世界に、子どもたちの感動も最高潮に達していた。
 メイン会場の信仰奨励エリアには、キリスト教・神道・仏教各派など教宗派のブースが整然と立ち並ぶ。期間中子どもたちは自ら求める教宗派に足を運び、その展示を見て、自らの信仰との共通点と差異を発見する機会が与えられている。この各教宗派のブースには、教職者がおり、自身の宗教や興味を持った宗教について直接話を聞くことができる。また、礼拝様式の展示や宗派の内容がパネル・配布物を用いて案内してもらえる。
 8月4日の日曜日には外国スカウトたちとともに、野外礼拝(各教宗派の集い)が会場内各所で開催された。キリスト教プロテスタントブースでは、キリストの生涯が説明・展示され、スカウトたちは興味深そうに見学していた。配布されたトラクト「イエス・キリストってどんな人?」(いのちのことば社発行)も、うれしそうに手に取っていた。
 プロテスタントブースの責任者として奉仕したクリスチャンスカウト指導者連絡協議会会長の宮本修さん(65)は「子どもたちだけでなく、大人にもイエスさまを紹介できる機会になるので、とても愉快なイベントです」と目を輝かせていた。