[CSD]2002年9月29日《ヘッドライン》

[CSD]2002年9月29日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎北朝鮮拉致事件:なぜ人は平和に生きられない——横田めぐみさん死亡報道の中で両親語る
★北朝鮮拉致事件:悲しみの中に神を見た 記・梶 優子
★ローザンヌ会議、2004年タイで開催
★<恵みのどんでん返し>兜を脱いでアロハシャツ、タンパンに 記・白石 勝美
★<落穂抄>チャプレンのユニホームはアロハシャツ

 = 2 面 =
★<教会がカルト化するとき>[4]「熱心だから正しい」は誤解 自由を奪い奴隷を生む結果も 記・ウィリアム・ウッド
★ブラジルに2つ目の「イエスの友会」支部
★韓国では牧師余りが悩み?
★<オピニオン>地方伝道の危機を認識し行動を 記・山口 勝政
★<読者の声>なぜ?という悲しみの中で神を知る者と共に祈る
★<神のかたち>[19]この女はアブラハムの娘なのです 記・稲垣 緋紗子
★<今週の本棚>『キリスト教史 上巻』フスト・ゴンザレス著(新教出版、5700円)
★<今週の本棚>『地に平和』竹下 弘美著(いのちのことば社、1200円)
★<今週の本棚>『ビジョンによる自己革命』カン・ジュンミン著(いのちのことば社、1200円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 =
★小説『聖書』の著者は福音を対話するストーリーテラー
★作家ワンゲリンの素顔に迫るインタビュー
★ゴスペルライターが描く聖書の世界、おもしろさの秘密
★訳者が語るワンゲリンの魅力
★牧師、コラムニスト、ラジオの語り手

 = 4・5 面 宿泊特集=
★親から子へ個性を生かし——ペンション「ロケーション」
★のんびりしに来てほしい——ペンション「ベルハウス 赤いリボン」
★トンプインストラクターは神様——キャンプ場「ノーススター・アウトドア・アドベンチャー」
★漱石・芥川・太宰と聖書? 注目のセミナー——恵みシャレー軽井沢

 = 6 面 新・地域宣教シリーズ=
★東北編——青森・秋田・岩手・山形
東北伝道を実現させた宣教師の情熱と郷里伝道の実

 = 7 面 新会堂建築シリーズ=
☆東京ライトハウスチャーチ
暗い世に愛と希望の光を

 = 8 面 全面広告=
★『VERBAL(バーバル)』(発行:休息的時間、A5判、1000円)

 = 9 面 =
◎命がけの信仰を後継者に——榎本保郎牧師召天25周年記念集会
★<ひと>石黒 美穂さん(フィリピンで医療ボランティア)
★40年前の召し実現——前JEA総主事・稲垣夫妻、在欧日本人宣教に派遣
★プサンでスポーツ伝道——SOJ ボランティア募集
★ドイツ:サッカー試合で証しご法度
★島崎要大司教逝去

 = 10 面 教会学校教師のひろば=
◎子どもの減少機に外へ——東京都府中市・多磨教会ジョイジョイクラブ
★楽しく聖書学ぶ——子ども教理クラス
★<先生☆キラッ>
★<ゆっくり行こう!CS教師>[1]目に見えぬ心のケアー 記・福井 誠
★<絵本 読み聞かせの世界>[1]「異文化」体験を味わう 記・山本 優子
★<CSでできること できないこと>[1]物事の弱点や限界をよく知ってから 杉谷 乃百合


北朝鮮拉致事件:なぜ人は平和に生きられない−−横田めぐみさん死亡報道の中で両親語る020929010

9月17日の日朝首脳会談で北朝鮮側から、拉致された被害者のうち5人生存、8人が死亡したと報告された。「死亡者」のなかに含まれていた横田めぐみさんの両親は、証拠も少なく死亡を信じることはできないとしながらも、「北朝鮮への憎しみはありません」「誰でもいつかは死にます。小さな者で、一粒ですが、そこから後世の平和のために役立つ、めぐみはそのような人生だったと受け止めます。そこから(平和について)多くのことを考えなければならない」と、憎しみを語るのではなく、平和を願う発言をメディアを通してしている。会談の前日16日には、本紙取材に対して、母早紀江さん(JECA・中野島キリスト教会員)は「運動をするようになって、めぐみちゃんも親も、神様から使命が与えられているのだとの思いがだんだん強くなってきた」と語っていた。  25年前に新潟で拉致された横田めぐみさん(当時13)の母親の早紀江さんは、めぐみさんの行方がわからなくなったことがきっかけでクリスチャンになった。
 「人知の及ばないところにある神の存在は、この世の悲しみ、苦しみ、すべてのことを飲み込んでおられるのだ。私の悲しい人生も、めぐみの悲しい人生も、人間という小さな者には介入できない問題なのだ。聖書はそう語りかけてくるようでした」
 手記『めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる』(草思社)では、そう綴っている。早紀江さんにとって、信仰を持つことは「待つこと以外、何もできない私の一つの選択であり、またそれは一方的な神の恵みによるものであった」という。
 1997年に、両親はめぐみさんが北朝鮮に拉致されたことが分かった。悩んだ結果、実名をだし、夫の滋さんを代表に「『北朝鮮による拉致』被害者家族連絡会」を結成し、全国をまわり救出活動を始めた。
 「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」幹事の西岡力氏(東京基督教大学教授)がクリスチャンであったことも早紀江さんの励ましになった。
 2000年6月からは、毎月一度、東京都新宿区のいのちのことば社で「横田早紀江さんを囲む祈り会」も開催され、拉致問題の解決を願い祈りが積まれてきた。
 世論がなかなか高まらず、過去の日朝国交回復についての政府間の会談でも拉致問題が進展せず、早紀江さんは悔しい思いをしてきた。しかし、祈祷会ではいつも、悲しみの涙を流しつつも「希望は失望に終わることはない」と語っていた。会談の前日には「どんなときでもわたしはあなたとともにいる」という聖書のことばに支えられていると語った。
 19日のテレビ報道で、早紀江さんは「日朝の関係が良くなることを願っている。憎しみや問題が積もっているけど、犠牲になった者から、また『拉致問題』から多くのことを考えなければならない。北朝鮮の方々も悲惨な生活をしていると思うし、早く人間らしい生活をしてほしいと思います」と発言。また朝鮮学校に抗議の電話が入っていることについて意見を求められると「悲しいです。一番悪い者は何なのか集中して考えてほしい。なぜ人は平和に生きられないのでしょう」と答えた。

命がけの信仰を後継者に−−榎本保郎牧師召天25周年記念集会0209290901

アシュラム運動の先駆けとなり、「ちいろば先生」と慕われながら52年の生涯を終えた、伝道者榎本保郎牧師の召天25周年記念集会が8月24日、京都市の日基教団・京都葵教会(佐原英一牧師)で開かれた。出席者は全国各地に及び、アシュラム運動の出発点となった今治教会からは41人が参加。台湾アシュラムの推進に尽力する前台湾基督長老教会総幹事の高俊明牧師や、三浦綾子著『ちいろば先生物語』をきっかけに親交を深めた三浦光世さんら、約280人が往年の牧師を偲んだ。
 今回召天25周年を記念して『主にまかせよ ちいろば牧師の黙想』が榎本保郎牧師記念出版委員会から出版された。絶版となっていた榎本牧師の最初の説教集『今は恵みのとき』と、義弟後宮俊夫牧師のインタビュー「アシュラムから教会へ」がまとめられたもの。第1部の礼拝では同出版委員会委員長でもある長男榎本恵牧師が講壇に立った。
 恵牧師は?列王記2章1から14節までを引き「『放蕩息子』だった私が献身の決意をしたのは母の発病がきっかけでした。苦しみながら亡くなった父の姿が重なり、長い遠回りの末、現在沖縄の伝道所で牧会させていただいています。人間は効率良くヨルダン川を渡ろうと計画しますが、神様の思いとご計画は深く、ときには大きな意味のある遠回りをおさせになることがあるのだということを確信しました」と証しし、榎本保郎牧師の命懸けの信仰の継承者でありたいと語った。
 高俊明牧師は「神のみむねに従う生活を送っていると新しい力が得られることを、アシュラムを通して体験しました。これからもっと台湾アシュラムは成長すると確信しています。アシュラム運動が世界全体に広がるよう祈っています」と、榎本牧師の信仰と功績をたたえた。
 三浦光世さんは綾子さんと共に榎本牧師を初めて訪問したときを振り返り「牧師館に行くと娘さんが出てこられて『あんたたちお父はんを訪ねてきたの? お父はん偉いことあらへんで』と。父の保郎さんは、お父さんが偉いからみんながたくさんお父さんを訪ねてくるんじゃないんだよと子供たちに教えておられたんだと思います。常に『榎本教会になってはならない』と言っておられた先生の思いが伝わるエピソードです」と、懐かしんだ。
 中には榎本牧師の著書やメッセージテープのみを知る参加者もあった。城陽ナザレン教会の古川修二牧師は「先生の亡くなった年に牧師になり、今先生の亡くなったお年と同年齢になりました。神様は人のたまものも弱さも用いられることを改めて深く思わされました。ひたすら求め祈って、信仰を引き継いでいきたい」と、思いを新たにした。
 若い信徒の緒方賢一さんも「本を読んで、榎本牧師の神に従う姿勢に深く感動しました。日本人にこんな牧師がおられたということを誇りに思います」
 和子夫人は、今『我が恵みなんじに足れり』をしみじみ感じていますと、25年の深い感慨を語った。「主人は豪放磊落な反面神経質なところもありましたが、人に好かれる人柄でしたね。主人とバトンタッチしたときは、私みたいな弱い人間になんで! と思いましたが、今日は走る行程を走り抜いて、25年前に渡されたバトンを渡した安堵感があります」
 『主にまかせよ ちいろば牧師の黙想』(榎本保郎牧師記念出版委員会、千円)の申込みは、〒601-1254京都市左京区八瀬野瀬町267ノ011。TEL&FAX075・721・2867(榎本和子)。

子どもの減少機に外へ−−東京都府中市・多磨教会ジョイジョイクラブ0209291001

9月初旬の土曜日午後。曇りで、今にも雨が降りそうな天気。予報では、一日中雨。
 しかし予想外にも、同盟基督・多磨教会(広瀬薫牧師)・東京都府中市多磨町1ノ14ノ8・から線路を渡って約3分の紅葉丘第3公園(すべり台の所にコアラの絵があるので通称「コアラ公園」)に行くと、約10人の子どもが「ジョイジョイのお兄さん、お姉さん」を今か今かと待っていた。
 同教会では毎週土曜日午後2時半から、コアラ公園で「ジョイジョイクラブ」を開いている。
 集会は賛美、紙芝居、暗唱聖句、賛美、教会学校(CS)の案内や毎月最後の土曜日に行われる特別プログラムの案内などの報告という順で進む。「うみとそらつくられた主」「すんばらしき主イエスの愛」など、子ども向けの賛美歌も抵抗なく、みな元気に歌う。イエス様が安息日に病の人を癒すという内容の紙芝居も熱心に見入っていた。「長年やって来ているので、みんな分かってるんです。多い時は40人来たことがあります」とリーダーの北條美智子さんは語る。
 特に男の子が多い。集会後、男性教師と一緒にサッカーをして遊ぶのが目的だという。「親が離婚して愛情に飢え渇いている子が来ています。でも遊んであげると喜ぶんです」と副牧師の鈴木禎司さんは言う。
 「ジョイジョイクラブ」の開始は92年から。きっかけは日曜朝のCSに来る子どもたちの減少だった。開拓当初、100人以上もの子どもがCSに来ていた。しかし、80年初頭から出席する子どもが激減。一時ひとけた台にまで落ち込んだ。
 教師の間では危機感から「減少傾向をなんとかくい止めたい」と研修会を開いたり、意見を交換し合ったりした。しかしいいアイデアがなかなか浮かばなかった。
 そんななか、同教会出身で当時神学生だった矢田幹太さん(同盟基督・蛍池聖書教会牧師)が「神学校では公園伝道している。外に出て伝道しよう」と提案。それを受け、92年から公園伝道を開始。しかし公園に行ってみると、子どもがいなかった。
一時休会し翌年5月、場所を今のコアラ公園に変えて再出発。初めは府中第十小学校の通学路でチラシ配布をして宣伝したが、次第にチラシを受け取らなくなった。
 それで前日の朝の案内で「否が応でも目に入る」ポスターを持って立ち、一人ひとり子どもに呼びかけることに。そうした試行錯誤を経て、ジョイジョイクラブには、現在子ども平均20人が参加するほどになった。
 公立学校が完全週休2日制になった今年4月からは、隔週だった「ジョイジョイクラブ」は毎週開かれている。
 (「土曜日いきいき」のコーナーでは毎回、土曜日に子どものためのプラグラムを用意し、取り組んでいる教会を紹介していきます)