[CSD]2003年3月30日《ヘッドライン》

[CSD]2003年3月30日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎米英、イラク攻撃開始——「人間の盾」木村公一牧師、現地に「残る」
★K—1・ベルナルド選手 信仰を語る——聖書個所刻んだトランクスでリングに立つ
★バチカン:攻撃後も教皇使節バグダットに残る
★朝鮮半島:北の信徒が初めて南のミサに参加
★<恵みのどんでん返し>挫折の日々、畳敷きの祈祷室、壁のみことば 記・斉藤隆二
★<落穂抄>インターネットでいのちのメッセージを

 = 2 面 =
★敵味方なく、いのち守るため——キリスト者平和ネット 米大使館前で訴え
★アジア福音同盟も「戦争反対」——「対決に霊的な意味づけするな」
★<論説>「身辺化」からの解放——多様で相対的な社会への宣教 記・山口 譲
★<神のかたち>[36]女は頭に権威をかぶるべきです 記・稲垣緋紗子
★<今週の本棚>『教会成長の勘所』手束正昭著(マルコーシュ・パブリケーション、2400円) 評・渡辺睦夫
★<今週の本棚>『エバからマリアまで』一色義子著(キリスト新聞社、1200円)
★<今週の本棚>『継続するリバイバル』ノーマン・グラブ著(ハーベスト・タイム・ミニストリーズ出版、1000円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 伝道者・牧会者座談会=
★いま必要とされる伝道の器とは——本田弘慈師召天1周年に際して
出席者:藤村和義氏、岸 義紘氏、有賀喜一氏、福澤満雄氏、高橋敏夫氏

 = 4 面 =
★「テゼ共同体」の祈り——静けさの中で神と時間を過ごす 記・福田 崇

 = 5 面 特集・放送伝道=
★リスナーの反応が仕事の励みに——CRCメディア・ミニストリーの立石圭子さん
★「そのままでいい」を伝えたくて——ライフ・ラインの笠原 幸さん
★礼拝の雰囲気をそのまま伝えるために——カルバリーチャペルアワーの井澤 豊さん
★聞く人の気持ち考えながら——放送伝道の草分け女子アナウンサー 臼村治子さん3月に引退

 = 6 面 関西だより=
★男は最後に牧師になった——職業革命家から新興宗教、そしてキリストに出会った赤川祥夫氏
★お金よりいのちが大切 MKグループ・青木秀雄さんが講演——VIPクラブ大阪 参加者1000人突破
★「祈りの幕屋」日本に——IHOPジャパンセミナー
★宣教に熱くなれ——第3回世界宣教大会(9月開催)講師にケーシー・トリート氏
◎近放伝が30周年——デジタル時代の宣教戦略探る
★大阪府民イースター:ハレルヤコーラスを合同聖歌隊で

 = 7 面 =
★放浪の果てにイエスと出会った経験を手記『ヒッピーからハッピーへ』に——30カ国を渡り歩いた永山 進牧師
★各地でチャーチスクールがスタート——聖書的基盤に立った教育を願い4月から
★サッカー好きは全員集合——東京・府中でフットサル大会(4月26日開催)
◎プロの講師が熱血指導——ブライダル会社がゴスペル教室スタート
★<召天>隅谷三喜男氏逝去——成田空港問題の調停役として尽力
★<CDの時間>「祈り4 がんばらなくっていいのさ」ノア(ノア・ミュージック・ミニストリー、1200円)

 = 8 面 家族のページ=
★もうひとりの家族——動物は癒してくれる存在
★動物の存在、神学的見地から——『神は何のために動物を造ったか』A・リンゼイ著(教文館、3300円)
★牧会カウンセリング講座開講——丸屋真也氏が3単元で1年間講座
★<家族診断>[8]子は「神からの預かりもの」 記・碓井 真史
★<魂の健康を目指して>[7:最終回]心に傷を残さないために 記・矢野 悦子
★<うちのオカン>我が母親エピソード 記・内越 努


「君が代」弾けない理由−−伴奏拒否の音楽教諭らが手記『なぜ「君が代」を弾かなければならないのですか』

今年も卒業式シーズン。99年に「国旗国歌法」が成立して以来、学校では入学式・卒業式で「国歌斉唱」実施への圧力が強まっている。都内の公立小学校では音楽専科教諭らが式で「君が代」のピアノ伴奏を強要される例が相次いだが、教諭らを支援してきた「日の丸・君が代」の強制に反対するキリスト者教師・生徒・市民のネットワーク(強制反対ネット)では、この3年間の教育現場の実態を広く知らせようと、ブックレット『なぜ、「君が代」を弾かなければいけないのですか』(いのちのことば社、本体952円)を発行した。発売と同時に初版がほぼ売り切れ、増刷するほどの注目ぶり。この問題で焦点のひとつとなった東京・国立市では3月1日、強制反対ネットほか市民団体の主催で「君が代」を考える講演とコンサートの集いが開かれ、約110人が参加。同書に執筆した音楽教諭やピアニストらも発言し、関心を集めた。  ブックレットでは「君が代」伴奏を強要された3人の公立小学校音楽専科教諭が、座談会で現場の実態を語った。卒業式・入学式に「日の丸・君が代」が管理職によって一方的に押し付けられ、拒めば処分という殺伐とした教育現場の姿が浮き彫りとなった。中でも、クリスチャンとして「ピアノを弾けない理由」を切々とつづった佐藤(旧姓竹内)美和子さんの手記が注目される。
 佐藤さんは01年の卒業式に、ピアノで「君が代」の伴奏をするよう校長から一方的に言われ、弾けない理由を文章にして校長室で読み上げた。父と祖父がクリスチャンであることや、天皇を神とする考えに基づき礼賛にも用いられた「君が代」の演奏をすることは信仰上の強い抵抗があり、自分にとって内心の自由・信教の自由を著しく侵されることなどを述べた。
 手記では当時の気持ちを次のように書いている。「声に出して読んでいると様々なことを思い浮かべ、読み通すのがやっとでした。二十数回の転居をしながら、手狭で粗末な牧師館で三人の兄妹を育てた両親のことや、千客万来の祖父の牧師館で、若い牧師さんや信徒の方々と一緒に大人数で、貧しいながらも楽しい食卓を囲んだこと等。私にとってはいつも賛美歌が流れていた礼拝堂の一部が懐かしい家であり、『君が代』を演奏するということは、その私の生まれてきたことと今生きていることを否定されるような思いがしました」
 牧師の父親が、引退前に最後のクリスマス礼拝で話したことが印象に残っているという。「戦争が終わって一番良かったと思うことは、天皇が神ではなくなったこと……戦前戦中は、天皇誕生日にクリスマス礼拝をすることなどおそらく許されなかった。何も悪いことをしていない、ただ『キリストは神である』と言っただけで、多くの牧師が投獄された」と。
 東京・中野の祖父の牧師館。神学生や若い牧師たちと共に囲んだ夕食の席は、祖父が朗々と賛美歌を歌い出して始まった。そこは、祖父母の祈りによって、聖書の言葉のとおりに明日のことを思い煩うことなく、誰もが集える場所になっていたと、佐藤さんは回想する。父と母が出会ったのもその場所だった。
 「天皇が神だったあの時代に、身の危険を感じながらの献身的な宣教が行われなかったなら、父の救いも両親の出会いもあり得ない」と佐藤さんは受け止める。そして、「あの時代に誰もが口を閉ざしていたなら、生まれてはこなかった命なのだから、今天皇が神ではないこと、『君が代』が弾けないことぐらい、しっかりと言いなさい」と、天国の祖父が言っているようでもあったという。
 強制反対ネットの活動で音楽専科教諭の窮状が伝えられると、佐藤さんらの勤務先の校長あてに数百通のはがきやファクスが全国から殺到した。「すべて感謝して祈る」「教会において、強行しないように祈りました」「校長先生のためにも祈ります」……佐藤さんは、祈りの込められた支援に日々勇気づけられ、胸が熱くなったという。
 「天皇は神ではない」=「『君が代』を弾くことができない」ことを佐藤さんは改めて確認し、それを貫くことが自分の使命と感じている。
 

米英、イラク攻撃開始−−「人間の盾」木村公一牧師、現地に「残る」0303300101

米国のブッシュ大統領がイラクのフセイン大統領と2人の息子に48時間以内の国外退去を求めた最後通告を、フセイン氏が拒否したまま期限切れとなり、日本時間20日正午過ぎ、米英軍はバグダッド周辺の軍事施設への攻撃を開始した。「人間の盾」を志願して12日、イラクへ向かった木村公一氏(日本バプテスト連盟伊都キリスト教会協力牧師)は、開戦後もイラクにとどまることを表明しており、20日現在も同国内にいることが確認されている。バグダッド北部の変電所に滞在しているものと見られる。一方、日本国内ではキリスト教各機関から、ぎりぎりまで戦争阻止への訴えが相次いだ。(関連記事2面)  木村氏から妻のおっちょさんに届いた3月16日付メールによると、木村氏は14日からバグダッド北変電所に住み着いている。同地には3月初旬には10人前後の「人間の盾」が住み込んでいたが、現在は、62歳の日本人男性と2人だという。20日現在、イラク国内に残っている日本人は26人で、うち6人が「人間の盾」。
 バグダッド到着後、イラクの受け入れ団体「友情・平和・連帯のための組織」(OFPS)本部で「人間の盾」についての説明を受けた。バグダッド周辺の発電所1か所、変電所2か所か貯水池2か所の、いずれかに住み着くことが条件で、孤児院や病院などその他の場所を希望する場合は帰るように求められた。
 木村氏らには常に2、3人の情報局員が運転手を兼ねて随行する。木村氏は16日、その車でシリア正教会の礼拝に出席した。情報局員によれば、英米の情報局がピースボランティアや人間の盾として工作員を送り込んでいるといい、神経をとがらせているようだ。
 木村氏は日本を出発する際、バグダッドで「緊急・宗教者世界平和会議」を開催することを提案した。開戦目前の現地で「宗教者が平和への意志をあきらめない」ことを示すことに意味がある、との考えだ。
 これを受けて日本キリスト教協議会(NCC)の大津健一総幹事は、世界教会協議会(WCC)に打診。WCCではカトリック教会などに連絡を取ったが、実現への動きが見えないまま武力攻撃に突入した。
 木村氏は昨年12月の待降節ごろから、イラクへのミッションを祈り始めた。その祈りは、米英の戦争政策によって「キリスト教対イスラム教の対立構図が定着することを黙視すべきでなく、イラクに住むイスラムの兄弟姉妹が米英のキリスト教徒によって殺されるのを看過できない」という思いに基づくもの。伊都キリスト教会は2月23日、臨時信徒会で、木村氏を「人間の盾」として派遣することを教会のミッションとして受け止めた。
 木村氏は人間の盾を「米英の武力攻撃に対して物理的に弱い盾であるだけなく、政治的にも弱い盾」だと認める。「人間の盾で世界が変わると思っているのかと問われれば、何も答えることができません」としつつ、「弱い盾であるがゆえに、私はその弱い盾でもって、人類が考案した戦争という世界で最も野蛮で罪深い犯罪を回避しようと願う」と述べていた。  

近放伝が30周年−−デジタル時代の宣教戦略探る0303300605

近畿福音放送伝道協力会(近放伝)では2月28日、今年度の協力教会会議を大阪クリスチャンセンターで開き、30周年記念行事などを承認した。10月10日に記念礼拝を開催、5月からは各地区で「賛美と朗読の集い」を開く予定。近放伝が集会プログラムをパッケージで提供、諸教会の伝道に活用するよう呼びかける。10月6日には伝道セミナーを計画している。
 近放伝は、大阪万博クルセードでまとまった近畿圏の教会が中心となり、太平洋放送協会(PBA)制作のラジオ福音番組「世の光」の放送を軸に、地域教会を主体とした様々な協力伝道の窓口となってきた。現在ではPBA提供のラジオ「世の光」、テレビ「ライフ・ライン」のほか、地域教会の牧師らが交代で出演するラジオ番組「福音の光」を自主制作、放送している。
 今協力教会会議では、メディア伝道を推進する03年度基本方針を承認し、30周年記念誌をCDかDVDで製作し、インターネットラジオ、インターネットテレビを検討、研究を推進して実現を目指すとともに、専門家などを招き、マスメディア、デジタル時代の宣教戦略を探っていくことを打ち出した。また、今まで以上に地区諸教会の協力を推進し、地区牧師会との連携を深めていくことを願い、パッケージプログラムを推進するなど、教会協力の一致と祈りの輪の拡大を図る方針だ。02年度には12教会が新たに近放伝に加わり、加盟は501教会となった。
 また、この2年間、実行委員長に代わる4人の代務者で運営してきたが、これを「代表者会議」とし、もう2年間、引き続き鈴木義明、神田宏大、吉木裕、小平牧生の4氏による指導体制を承認した。代表者会議議長は鈴木氏。その中で、どのような組織の形態がよいのか検討し方向性を定めていきたいとしている。
 なお、本紙の根田祥一編集長が「ジャーナリストの目から見た教会の現状と将来への展望」の題で講演。教会に主体性を置きつつ個教会に閉じこもらないためのネットワークの重要性を述べた。
 

プロの講師が熱血指導−−ブライダル会社がゴスペル教室スタート0303300704

キリスト教結婚式をコーディネートするブライダル会社「トリニティ」(若林晃子代表)は、2月からプロの黒人ゴスペルミュージシャンを講師に招いたゴスペル教室「トリニティ・ブラック・ゴスペル・スクール」を、東京・新宿区にある同社のオフィスでスタートした。3月3日の無料体験レッスンには、若い女性を中心に約20人が集合。参加者はプロの熱のこもった指導に、時間も忘れて練習に没頭した。
 練習は夜7時スタート。最初にボイストレーナーの古川精一氏による発声練習、専任講師で西アフリカ・シェラレオネ出身のデイビッド・バングラ氏(YWAM宣教師)による英語の発音指導から始まった。
 練習曲はアメリカの有名歌手ホイットニー・ヒューストンが歌う「I love the Lord」。イメージを高めるため、ホイットニーさんが歌っている生の姿をビデオで見てから練習に入った。
 本格的な練習は、平井堅などのボイストレーナー・アレンジャーとして、ゴスペル、R&B、ジャズなど幅広い分野で活躍する特別講師のクライド・ウイリアムズ・ジュニア氏が担当。1時間の予定が40分もオーバーする熱の入れようで、自ら歌って何度も模範を示しながら、身振り手振りを交えてするレッスン内容は、参加者を真剣にさせていった。
 半数はクリスチャンでない人たちで、中には60歳を過ぎた女性も。このゴスペル教室は「トリニティ」の働きの一つ「トリニティ・クラブ」の一環として始まったもので、ゴスペルを通じてクリスチャンとの交流を持ち、福音を分かち合うという目的があるという。
 代表の若林氏は「私たちと一緒に、ゴスペルの
真の魅力と感動を味わってほしい」と参加を促す。
 レッスンは夜間コースが第2から第4月曜日午後7時からの月3回。途中参加も可。練習時間は1時間45分。受講料入会金1万円、1ターム(3か月)につき3万円税。8月と12月には練習成果を発表するコンサートを予定している。問い合わせはTEL03-3225-1929、トリニティまで。